先日、ブログで、「現在発売中の週刊文春に広告が掲載される」という記事を記載しましたところ、
「どのページに載っていますか?」等々、ご質問を頂きました。
現在発売中の号で、164ページ『文春図書館』という書評や本の紹介コーナーの右横に掲載されてあります。
本日は明け方から、月刊のケンブリッジ・フォーキャスト・レポートの残りの制作と発送に午後3時くらいまで、追われました。
金価格は今後、長期にわたって上昇すると思うが、その予測をした論文が今月号のレポートの目玉である。
(※ ケンブリッジ・フォーキャスト・レポートとは・・・)
その後、頭山事務所、呉竹会アジアフォーラムの作業部会に駆けつけた。
次回は、4月24日金曜日6時半から
演題は「日台中関係」について(会費3000円)
講師は 産経新聞台北市局長の長谷川周人さん、
場所 日本プレス会館10階ホールで
お問合せは
FAX 03-3239-4488
電話 03-3556-3880 (呉竹会アジアフォーラム事務局)
です。
今回、この御知らせの発送をお手伝いしたが、発送した封筒は、3800通もあった。
遅れていったので、私が貼った宛名のステッカーは、一通だけ。(笑)
そして夜、事務所に眠た目をこすりながら戻ってくると、嬉しい報せにまた勇気付けられ、目が覚めた。
京都にいらっしゃる読者の方から、京都駅周辺で本を探していただいたという事で、一件目に立ち寄っていただきましたお店では売り切れ、次にお立ち寄り頂いたという京都駅駅前の大型書店、京都アバンティ・ブックセンターに行かれると、
今度は丁度、『ドンと来い!大恐慌』が大変、目立つ新刊のコーナーに置いて頂いていただけでなく、現在、その書店の「売れ筋目玉商品」のランキングに
発売間もないにもかかわらず総合6位になっていたというお知らせでした。
そしてその写真も送ってくださり、御蔭でその店内の様子のうかがい知ることも出来ました。
首都圏以外の色々な町での情報、読者の方々からの情報、声は特に嬉しく助かります。
実際には中々行くことや様子を知る事ができないだけに、首都圏以外でも徐々に並べていただいているのだと、様子が分かると益々励みになります。
ご丁寧に、非常に様子が分かる写真まで送っていただき、ご連絡有難うございました。
みずほの村市場を紹介し、当日、一緒に取材インタビューしてくれたのは、『ドンと来い大恐慌』にも登場して頂いたカリスマ・フード・コンサルタントの松本和彦さんだ。
みずほの村市場では様々な食品が試食できるが、どれを食べても大変美味しかった。
市場に隣接して、美味しいお蕎麦屋さんがある。
この蕎麦屋の建物は、築150年の古民家を移築したものだが、
その2階で長時間にわたり、松本さんと「日本農業再生の可能性」について大いに論じ合った。
その蕎麦屋の蕎麦が美味しかったのが勿論だが、特に、蕎麦掻のふんわりとして、美味な事は天下一品であった。
蕎麦好きの私が言うのだから、確かである。
松本さんとの対談でみずほの村の紹介と、山峰専務理事へのインタビュー、「食に関わる一次産業」問題の講義内容等をドキュメンタリー番組的に第4弾DVDとしてまとめて、発売予定である。
(4月末頃から5月初旬予定)
この蕎麦屋のある古民家には、大きく美しい水車が隣接している。
そば粉の製粉も行うそうだが、中を覗いてみたら、その日は米の脱穀が3台の臼で行われていた。
水車の巡るリズムに合わせて、3台の木製の杵が、コットン、コットンと木の臼の中の玄米をついていた。
大きな水車は、美しい春の水のしずくを滴らせていた。
今日の一句。
水車(みずぐるま) 春水(しゅんすい)光り 廻りゆく 厳喜
非常に心温まる一日だった。
3月19日茨城県つくば市にあるみずほの村を取材に訪ねた。
そこに日本の農業の近未来の可能性があると思ったからだ。
「みずほの村市場」は、約40戸の農家が出荷する直売場だ。
「なんだ、単なる直売所か?」と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、これが全く革命的な直売所なのである。
ここを創って運営しているのは、農業法人みずほ代表、長谷川久夫さん。
我々がインタビューさせて頂いたのは、長谷川さんのパートナーの山峰国彦専務理事だ。
この直売所が何故、革命的なのか?
先ず第一に、
ここは専業農家が自分達の売りたい値段で自分達の作った農産物を売る直売所だからである。
「そんなことは、当たり前じゃないか?」、と思う人は、日本の農業の問題が全く分かっていない。
実は、日本の農家の大部分は、作りたい農作物を作ることができないし、自分達の作った農作物に自由に値段をつけることが出来ないのである。
長谷川さんが、この直売所を作った理由は、まさにここにあった。
スーパーや、農協や政府の圧力によって、農家は自由に作る農作物を決められず、ましてそれに自らの納得のいく値段を付ける事は不可能であった。
「みずほの村市場」では、農家が自らの製品に、自らが納得のいく値段を付けて、売り出している。
それは、スーパーなどの裁定価格よりはやや高めの値段である。
しかしこの直売所では、はじめに競争ありきでは無い。
はじめに「農家の適正利潤」ありきなのである。
農家が質の高い、「安全で美味しい」農作物をつくる、そして、その苦労に見合う利潤を確保する、それに原価を加えて農作物の値段が決定される。
これが、日本農家にとっては、実に実に革命的なことなのである。
そもそも、長谷川久夫さんが、平成三年に直売所を設立した一番の理由は、「生産者が自らの作物に、納得のいく値段をつけられるべきだ!」と思われたからだ。
やる気のある多くの農家が直面している一番大きな矛盾が、この値決めの問題である。
どんなに努力して、クォリティーのいいものを作っても、自らの納得する値段でそれを売ることが出来ないのだ。
平成3年にたった三戸の農家で始まったこのみずほの村市場は、現在、約40戸の農家に年間平均約800万円の販売額を保障する力強い存在となっている。
しかも、それらの40戸の農家は、みなヤル気のある専業農家である。
「ヤル気のある専業農家が食っていけない」というのが、日本の農業の最大の問題点なのだ。
みずほの村市場は、それを見事に解決したビジネスモデルである。
それを支えているのは、明確なマーケティング戦略だ。
ここには半径5キロ以内に10万人の商圏が成立している。
そして、消費者としてターゲットにしているのは、年収500万円以上の世帯である。
彼らは、安いものではなくて、美味しく安全な農作物を求めて、みずほの村市場にやって来る。
現在、みずほの村市場では年間約6億の総売り上げがある。
このシステムでは、専業農家が適正利潤を上げ、ちゃんと食っていけるのだ。
システムとしては、極めて単純である。
良質を作る生産者と、良質を求める消費者が直結し、日本の農業を支えるのである。
ここに、日本の農業の将来の、あるべき姿の1つがある。
みずほ代表の長谷川さんと専務理事の山峰さんの構想は雄大だ。
こういった直売所を、日本全国に500箇所つくる。
一箇所の直売所に、約100戸の専業農家が参加する。
500×100=5万個の専業農家がこれによって、ビジネスとしての農業をやってゆけることになる。
つまり、約50万戸ある日本の農家の約1割が、このビジネスモデルによって自立する事が出来るのだ。
みずほの村は、この革命的な日本農業再生プランを実現すべく、邁進している。
第二の革命的な点は、
みずほの村が、農業を近代的な産業として捉え、科学と技術を十分に導入して、よい農作物を作るノウハウを提供している事だ。
とかく農業は、経験と勘に頼りがちである。
農業法人みずほは、クォリティーの高い農産物を作る「技術」を蓄積し、このノウハウを専業農家に伝授することが出来る。
だから、全くの新規参入者でも、能力とヤル気がありさえするならば、速やかに、一流の専業農家になる事ができるのだ。
さらに、みずほの村が質の高い農業を支えるためにやっている事の1つが、独自の堆肥の製造である。
伐採された木の枝や、牛糞などから、丸々一年をかけて堆肥を作り、生産農家に殆どタダ同然で提供している。
「農業の基本の1つは、土作りである」ということは、『ドンと来い!大恐慌』の中でも述べたが、これをまさに実践されているのである。
取材では、この「土(堆肥)作り」の様子も取材してきた。
勿論、こういったレベルの高い生産者を支えていくのは、レベルの高い消費者である。
レベルが高いというのは、単に一定以上の収入があるというのではなく、質の高い農作物に喜んでそれに見合う値段を払うという志を持った消費者であるという事だ。
おそらくは、その消費者は、単にクォリティーの高い食糧を求めているのではなく。日本の農業を支えたいという愛国心も持っているはずだ。
このビジネスモデルは、愛国心のある日本の農業再生を応援する消費者の存在を前提としている。
このビジネスモデルが革命的な第三の理由は、
政府の援助や保護や補助金を全く排除している点である。
補助金をもらおうと思えば、政府の姿勢を受け入れなければならない。
農家の生産者の自由は奪われる。
このビジネスモデルは、自由な市場主義に、100%その基礎を置いている。
専務理事の山峰さんによれば、「日本の食糧自給率を上げるには、このようなビジネスモデルを普及させるしかない」とのことだ。
自給率を上げる事自体を政策目標にすれば、おそらくは、膨大な補助金が必要となる。
国民経済の全体に対する負担は膨大な額になってしまう。
そして、役人と規制がはばを利かせることになる。
農家が作りたいモノを作るという理想とは全くかけ離れた国家管理された農業が、そこに生まれることになるだろう。
それに加えて、日本国民はその膨大な経済負担に耐える事は出来ないだろうし、
そもそもそうした事を国民負担に求めるような政策はあってはならない。
要は「はじめに自給率の上昇ありき」ではなく、「はじめに自由で自立できる専業農家ありき」、でなければならないのだ。
私の見るところ、「みずほの村モデル」が敵対しているのは二つの存在だ。
第一は、農水省と農協と中心とする既存の農業を支えるエスタブリッシュメントである。
第二は、スーパーマーケットを中心とする既存の流通産業である。
農水省と農協は、日本の農業を支え、伸ばすのではなく、日本の農業に寄生する存在でしかない。
存在しながら、膨大な政府予算と、経済権益を食いつぶしている。
一軒の農家に何人もの役人や農協職員や団体職員がぶら下がり、蛭や吸血鬼のように営農者の血をすすり上げている。
既存のスーパーを中心とする流通業は、値段の低下だけを生産者に求め、営農家も適正利潤を全く無視する。
これでは、質の高い農産物を作る農家は自立していけない。
最近、アメリカ発の金融恐慌に対する反省から、新自由主義批判が巻き起こってきた。
それ自体は正しい事なのだが、そこから誤った教訓が導かれ、官僚の側から規制緩和の流れを逆転させ、官僚権限を再拡大しようとする謀略が見て取れる。
「規制緩和は悪であり、規制強化が正しい」という方向に持っていこうとする官僚制エスタブリッシュメントの反撃である。
現在マスコミの表面に出た議論だけを見ていると、日本の農業の再生には規制強化と補助金の増額しか方法が無いというような議論が主流である。
典型的なのが、民主党小沢代表による、「農家の所得保障論」である。
こんな生き方では、一番怠け者の農家が一番得をする事になる。
真の自由競争によって、良質の消費者と良質の生産者が、結びつく事によってしか、日本の農業の再生の道は無い。
「自由経済」や「市場経済」という言葉が、誤解されている。
自由な市場では、市場に参加する生産者と消費者の質が決定的に重要である。
単に、価格の低い製品を求める消費者しか存在しなければ、市場に供給される商品の質は無制限に低下していく。
逆に、質の高い製品を求める消費者と質の高い製品を作ろうとする生産者が自由な市場で出会えば、その国の経済の質は益々向上していく。
おそらくその生産者と消費者を結びつける隠れたファクターは、公共心とか愛国心と呼ばれる要素なのであろう。
そして、公共心や愛国心を生み出すには、教育が1つの決定的な要素になる。
みずほの村が、日本全国に500箇所出来たとしても、それが日本の農業の全ての問題を解決するわけでは無い。
単に、安価な輸入食糧を求める消費者も常に存在する事は間違いは無い。
また、そのような需要がある限り、「輸入食料品=悪」というわけでもない。
しかし、国家安全保障の中に、食糧安全保障を組み込まなければならない現在、自立した専業農家を育てる事が急務であり、その為にはみずほの村のビジネスモデルの果たす役割は決定的に重要であろう。
茨城県つくば市のみずほの村には、日本の農業再生の可能性が確かに存在している。
詳しくはまた、帰ってきてから御報告させていただきますが、
本日は朝から茨城に農業関係の現地取材の収録に出かけてきます。
「ドンと来い!大恐慌」でも食の問題について取り上げましたが、
今回はより詳しく「農業、食の最前線」ということで現地取材の収録をしてきます。
「ドンと来い!大恐慌」の中のスペシャル対談でも御登場いただきました、
カリスマ・フードコンサルタントの松本和彦さんとも一緒に、今回も対談を交えながら、日本の「食に関わる一次産業」の最前線について、より一歩、深く突っ込んで考えてみたいと思っています。
ご期待くださいませ。