藤井厳喜WEBサイト 公式ブログ プロフィールは、こちらトップに戻る 藤井厳喜WEBサイト | Fujii's Focus For Future 公式ブログ

スイスの秘密口座、情報開示へ

投稿日:2009,03,26

以前、ブログでアメリカとスイスがスイス国内の銀行秘密口座の情報開示について、対立している事を指摘した。
その後の経過について報告すると、スイスは大幅に妥協し、銀行秘密口座の情報開示を大々的に進めることになった。

スイスのみならず、リヒテンシュタイン(ヨーロッパ)、アンドラ(ヨーロッパ)、マン島(イギリス領)などの、いわゆるタックス・ヘイブン(税金避難地)も、相次いで銀行口座の秘密保持原則を緩和し、脱税取締りに協力する方向に動いている。

3月中旬(3月9日(月)-13日(金)の一週間に、起きた出来事である。

実はアメリカのみならず、EU内部でも、タックスヘイブンに対する批判が高まり、制裁を加えるべきだとの意見が強まっていた。
この事は、実は、脱税問題のみならず、テロ資金の取締りの為にも必要な措置であった。

世界の資本主義の正常化が一歩、確実に進んだ事として、この変化を歓迎したい。
世界的大不況からの脱出の為にも、必須の措置であったと思う。

日本のマスメディアは、この事を殆ど報道してこなかったが、3月26日付け読売新聞朝刊が、この事を報じている。(第14版経済面P11)
ただし、この読売記事も、脱税には言及しているが、テロの資金源については言及していない

この事については、誰もがこの重大さについて気付いていなかったようだ。
読売新聞より早く、ケンブリッジ・フォーキャスト・レポート3月号(3月21日発送号)で、その意味を詳しく解説しておいた。

日本文化チャンネル桜『闘論!倒論!討論!2009 日本よ、今』出演

投稿日:2009,03,26

昨日、3月25日(水)2時半から午後6時過ぎまで、3時間半以上にわたり、現在進行形の大恐慌(大不況)に関して、非常に中味の濃い、またレベルの高い討論会が行われた。

本日の7時以降に放映の予定である。

前半 26日(木)19:30-20:30
後半 27日(金)19:00-20:30
日本文化チャンネル桜(スカパー!216チャンネル)
インターネット放送So-TV (http://www.so-tv.jp/)

出演は、私の他に、宮崎正弘さん、三橋貴明さん、田代秀敏さん、森木亮さん、
司会の水島社長の他には5人だけの討論会だったので、かなり突っ込んだ内容について話すことができた。

私は『ドンと来い!大恐慌』の冒頭に挟み込んだチャートを拡大し、それをフリップにして『世界大不況のカラクリ』を説明した。

特に日本の円が国際的に非常に強くなっており、今や世界の準基軸通貨と言っても良いことを指摘した。
不況対策についても前向きのよい意見が出たと思う。

私が散々、水島社長に働きかけた事も功を奏して、最近、チャンネル桜の経済に関する討論会の数が増え、その質も大きく向上してきた。
水島社長によれば、地上波テレビの番組制作者たちの多くが、チャンネル桜の経済討論会を視聴しているそうである。(だけど、この番組に出ている人達への出演依頼はありません。笑)
どうやら地上波の普通のテレビでは、経済問題に関してもタブーが多すぎて、本当の議論が出来ないらしい。
地上波テレビはもう終わっているのかも。
デジタルにしても、コンテンツが無ければ、どうしようもないでしょう。

昨夜の日刊ゲンダイ書評と、本日の日経新聞一面下広告に掲載されました

投稿日:2009,03,26

昨夜(25日)発売の日刊ゲンダイのトレンドや書評紹介のコーナーで、
『ドンと来い!大恐慌』が、『これで、あなたも大恐慌を生き抜ける』と、御推薦いただいたようです。

nikkangendai.JPG

『ドンと来い!大恐慌』推薦、紹介部分のアップ
nikkan_gendai_donto_s.JPG

そしてまた、本日、今朝発売の日経新聞一面下の、本の広告でも掲載していただいたそうです。
20090326nikkei.JPG

いよいよ、色々なところで少しずつ取り上げていただきましたり、感想を頂きましたり、盛り上がってきたようで、有難い事です。

推薦したいオバマ本 『オバマの孤独』

投稿日:2009,03,25

書店には、数多くのオバマ本が溢れかえっている。

写真やら演説集やらも、人目を引く。
しかし、オバマ自身の著作を含む、数多くのオバマ本の中から、ただ1冊を推薦するとするならば、私はこの本を薦めたい。

オバマの孤独』 
obama.JPG
シェルビー・スティール著 (青志社) 1200円+税

著者シェルビー・スティールは、保守派の黒人論客として名高い。
1946年生まれで、現在は保守派のシンクタンクとして名高い、スタンフォード大学のフーバー研究所の研究員である。
オバマとスティールの共通点は2つある。

1つは、シカゴ出身である事。
2番目は、黒人と白人の混血であるという事だ。

日本のマスコミは、オバマがアメリカの初代黒人大統領であるという事で、はしゃいでいる。
しかし、彼らはアメリカ社会において、黒人であるということが何を意味しているかを全く分かっていないし、それ故に、初代黒人大統領が持つ、真の意味についても全くの無知である。

シェルビー・スティールが、再確認しているのは、一滴でも黒人の血が混じった混血は、黒人であると見なされるというアメリカ社会の人種差別主義である。
オバマも、スティールも、日本人の視点から言えば、白人と黒人の混血である。
しかし、混血は、黒人なのである。

これを「一滴の血」のルールと呼ぶ。
そのルールの持つ、過酷さが、日本人の大部分には全く理解できていない。

オバマは、多くの成功した黒人がそうであるように、人種などというものが、アメリカ社会における成功の為には決定的な障害ではないということを明言し、また、それを身をもって証明してきた。
しかしこのような態度は、人種差別の過去を悔いる白人には大いに賞賛されるが、寧ろ、黒人側から根強い反発を受ける。
この本の中でもスティールは、オバマが白人に過去の人種差別に対する免罪符を与える存在であると喝破している。

シェルビー・スティールは次のように指摘する。
『われわれ黒人は本能的に、オバマが取引人であることを知っている。』
『オバマは白人から何かを受け取る前に、白人たちに免罪符を授ける。』(P167)

この著者の観点からすると、
オバマが、白人層の票をひきつけた事は当然である。
しかしオバマは、白人に免罪符を与える事で、寧ろ、古いタイプの黒人から『十分に黒人らしくない』と批判されてきた。

この著者の、指摘が正しいとするならば、オバマの奇跡は、白人票を取った事ではなく、寧ろ、黒人票を取り逃がさなかった事である。
かように、人種問題とは、人々の心に複雑かつ深刻な漆黒を課している。

前文、まえがきを含め、183ページの小さな本であるが、人種問題の観点からオバマ政権を理解しようとするものには必読の書であろう。
オバマ政権の経済政策に関しては、著者は失敗を予測している。(『ドンと来い!大恐慌』P123-126)

参照;
gekkann4.JPG
『オバマ政権の本質と今後』(月刊日本4月号、藤井厳喜論文)

父親は犬か!?

投稿日:2009,03,25

ソフトバンクという携帯電話会社のCMが頻繁にテレビで放映されている。


ある家族を想定した携帯のCMなのだが、どういうわけだか、父親だけが犬である


多くの人は何気なく、このCMを奇妙なシュールなモノとして受け流しているようだが、私は実に気分が悪い。
日本の父親が犬であるということが、何という品格に欠けた、悪意に満ちたCMであることか!
よく考えてみて欲しい。