藤井厳喜WEBサイト 公式ブログ プロフィールは、こちらトップに戻る 藤井厳喜WEBサイト | Fujii's Focus For Future 公式ブログ

『ドンと来い!大恐慌』 名古屋駅前でも好評のお便り

投稿日:2009,04,19

本日は、愛知県の読者の方々からお写真やメール、お手紙を頂きました。

中でも、名古屋駅地下街の三省堂テルミナ店様では発売当初からずっと大変、分かりやすいところに置いて頂いているそうで、愛知県の方からのご連絡では、著者事務所にも最もよく、
「三省堂テルミナ店さんで買いました、見かけました」とお声を頂く、是非、一度、見てみたいと思っていました書店さんでしたので、こうして実際に写真付でお便りを頂き、今回、店内の様子が伺え、より一層、うれしく思いました。

terumina1.jpg
terumina2_back.jpg
( ↑ 後ろからも見えるように分かりやすくPOPを置いて下さっているそうです。)

terumina3.jpg

名古屋もそうですが、関東圏以外の地方では、発売当初は、
「中々、近くの書店においていません。どこに行ったら確実においてありますか?」
「1冊しか置いていなくて、置き場所が分かりにくく、相当、探した」
などと言われる事も多く、そうしたお声を頂くことが多くあり、心配することもありました。

それだけに、この週末をはじめ、今週は、他にも、過去にそうしたお声を頂いていた読者の方から、改めて「置き場所がよくなってますよ」
「“話題の書”のコーナーに変わってましたよ」
と写真付で送っていただいたり、お電話を連続して多数いただけたのが嬉しく、そうした熱心な読者の方々に「3刷のご報告」も出来ましたことが、励みになりました。

nagoya_kinokuni.jpg
↑ こちらは、名古屋紀伊国屋書店様に行かれた方からの写真

もうじき、順々に帯の色が少し変わった新タイプの3刷版が、並びだすと思います。

『グリーン革命』そして、フリードマン

投稿日:2009,04,17

『グリーン革命』という本は、アメリカの環境問題に関心の深いリベラル派のユートピア思想を表現したものである。
当然、ユートピア思想であるが故に、現実社会では、その構想の大部分は実現できないであろう。

ただし、日本のリベラル派と違い、アメリカのリベラル派は相当な国家主義者でもあるので、このユートピア思想を国家戦略化しようとしているところがユニークである。

すなわち、フリードマンとらえるところの『グリーン革命』をアメリカが先頭になって推進するならば、アメリカは近未来の国際社会において圧倒的に有利な派遣国家の地位を維持できるという提案をこの本は行っている。

結論から言うならば、私はフリードマン構想の一部分には賛成するが、彼の描いたユートピア像の全体には反対である。

Hot%2C%20Flat%2C%20and%20Crowded.jpg
 グリーン革命の基盤となっているのは、勿論、「地球温暖化仮説」である
この「地球温暖化仮説」を私は真実だとは思っていない。
そこにフリードマンと私の立場の一番の違いがある。
しかし、フリードマンはこの仮説を受け入れている。

「地球温暖化仮説」は、厳密に言えば、3つの仮説の集合体である

その3つの仮説とは、
1、化石燃料の燃焼が大気中のCO2を増加させる。
2、CO2の増加が地球温暖化を引き起こす
3、それによって引き起こされる温暖化は、人類の文明に破壊的な影響を及ぼす。

繰り返し言うが、私はこの地球温暖化仮説を、疑わしいものだと思っている。

フリードマンは、地球温暖化仮説の論証には殆どページを割いていない。
つまり、地球温暖化仮説はこの本においては、公理的な位置づけにある。

それ故に、地球温暖化仮説を受け入れないものにとっては、この本全体が全くのナンセンスである。
その意味においても、ユートピア思想そのものである。

「ユートピア」とは、元々、語源的に云えば、古代ギリシア語で、「どこにもない場所」という事である。
トーマス・モアの著作、空想的社会小説のタイトルとして有名になった言葉である。


 
『グリーン革命』に対して非常に否定的なことを書いたが、部分的には彼の世界観、価値観で私が共有する部分もある。
それは、地球温暖化に対してではなく、われわれの文明の石油中毒からの脱却は、石油収入に依存する様々な独裁政権の力を弱める為にも必要だ、とする点である。
 
例えば、フリードマンは次のように指摘する。
「石油中毒からの脱却は、環境のためだけに必要なのではない。戦略上の必須事項なのだ。
(・・・中略・・・)アメリカの石油中毒は、地球温暖化を促進し、石油独裁者の勢いを強め、きれいな空気を汚し、民主主義の勢いを弱め、過激なテロリストを富ませる。」 (上巻125ページ)

 私は、安全保障戦略上の必要から、過度の輸入石油への依存を弱めるべきだとのフリードマンの主張には全面的に賛成である。
彼は明らかに、アラブ・イスラム圏の独裁政権を嫌悪し、ロシアやベネズエラに代表される石油収入をもとにした独裁的政権を憎んでいる。


 この本が提案しているような環境理想社会を作るには、フリードマンによれば、たった一つの原則を社会で実現すればよい。
それは、上巻の299ページで彼が主張していることである。
「化石燃料がもたらす気候変動、汚染、エネルギー戦争を計算するなら、化石燃料を使う社会にのしかかる真のコストよりも安いクリーンエネルギーが、私たちには必要なのだ。」

 簡単に言うと、再生可能なクリーンエネルギーの総合価格が、化石燃料の総合価格よりも安い社会を作ることが目的である。
 この場合、総合価格とは、単に市場の価格ではなく、廃棄物処理のコストも含む総合的な社会の負担のことである。

そのようにすれば、太陽エネルギー、風力、バイオエネルギー、地熱エネルギー、潮力エネルギー等の再生可能なエネルギーでアメリカ社会全体を効率的に動かすことが可能になる。
 そうすれば、石油独裁国家の力を減殺することは勿論、アメリカが環境技術の上で、世界の覇権を握ることになる。
これが、フリードマンが描いて見せた近未来のユートピア=アメリカの姿である。


 このような社会を実現する政治的な鍵は、ほぼただ一つである。
それは、化石燃料に極端な課税をして、クリーンエネルギーよりも人為的に高価格にしてしまうことである。
また同時に、クリーンエネルギーには、政府の補助金や、様々な優遇措置を与えて、これを化石燃料よりも安くすることである。
そのような仕組みを作れば、後はアメリカ人の創意工夫によって、グリーン革命は実現されるであろう。


これがフリードマンの超楽観的なところである。

「政府が、私たちの望まないもの(CO2排出源からの電気)に課税し、私たちの望むもの(クリーン・パワー型イノベーション)に助成金を出して、競技場を平らにする必要がある。そうすれば、私たちの望む規模で、市場の需要が生まれる。」(下巻63ページ

彼はアメリカ人の発明能力を高く評価し、同じメッセージを繰り返している。(下巻69ページ、71ページも参照

 彼が理想とする近未来のユートピアの有様は、下巻の20ページから38ページに詳しく描写されている。


 ユートピア思想を持つフリードマンとしては、現実のアメリカの民主政治がまことにまどろっこいものに思われてならない。
彼は下巻の第五部で、アメリカが今日のシナのような独裁国家に一日だけなることを冗談のように提案している。

独裁政権であれば、彼の夢の構想を上意下達で社会全般に広げることが出来るというわけだ。
これは環境論者が持ちがちな危うい環境ファシズム思想である。

フリードマンは、こういう提言をすることによって、実は、現実のシナのことが全く分かっていないことを告白している。

今日のシナにおいては、人権や環境を破壊し拝金主義を推進するような独裁的政策は容易に行われるが、環境や人権を改善するような独裁的政策は決して行われないのである。

アメリカが一日だけシナになったところで、問題は悪化するばかりである。
それが今日のシナ共産党独裁政権の実態である。

一日だけシナになれれば、という提言の中に、この『グリーン革命』の、というよりは、
アメリカリベラル派全体の隠されたアジェンダが透けて見えてくる。
それは、統一した国家政策を常に自由な人々の判断よりも優先させようという原則である。

私は元より新自由主義者ではないが、この国家統制的な政治哲学はかなり、危険なものを含んでいるのではないだろうか。


 フリードマンは、CO2排出権取引には反対とはいわないが非常に消極的である
ゴアのように排出権取引をすれば地球が良くなるという考え方は取っていない

彼は化石燃料に高額の税金をかける事(炭素税)を提唱している。
これはゴアよりはまともな考え方であり、評価できると思う。

「排出権取引」はそれ自体を金融バブル化させるだけで、現実のCO2排出量を減らすことは出来ない


ちなみに明日発売の別冊宝島環境バブルで日本が変わる』では
kankyobables.JPG
フリードマン的な国家戦略が全面的に出てくるという可能性について、詳しく論じているので是非、読んでいただきたい。



※ About Thomas L. Friedman
portrait.jpg
http://www.thomaslfriedman.com/about-the-author

<医薬品ネット通販>規制反対で楽天・三木谷社長ら署名提出について

投稿日:2009,04,16

楽天の三木谷浩史社長らが、4月14日、
一般用医薬品(市販薬)のインターネットを含む通信販売が、改正薬事法が施行される6月から一部を除き禁止される問題』で、
内閣府を訪れ甘利明規制改革担当相に、ネットなどを通じて集まった約100万人分の規制に反対する署名を提出されたという報道があった。

20090414rakutenmikintani.jpg

この行動は時宜にかなったものであり、国民一般の利益のためにも大変立派な行動である。

確かに勿論、三木谷浩史氏の業界もしくは彼の企業の利益にもなることではあるが、それと同時にこれは、『一般庶民の声なき声を代弁するもの』でもある。

庶民一人ひとりの小さな声は、中々政治の場に反映されることは少ないので、三木谷さんのような著名な経済人がその幹事役もしくは音頭とりとして、国政に意見を反映させてくれるのは、国益にかなった行為だと思う。

国民全体の利益を増進させながら、その方向で、自らの企業の利潤も伸ばしてゆく、というのが本来の経済人のあり方だと思う。
その点、 三木谷社長の行動は、実に賞賛されるべきものだと思う。

この人の行動については、今まで賛否両論があったが、私としては今回の行動で彼のことを大いに見直すことになった。

参考記事; 「【日本の議論】厚労省に乗り込んだ楽天・三木谷氏 薬のネット販売は是か非か」

私は、昨年からずっと、医薬品販売規制強化の問題については、自分の言論活動のさまざまな場において(特に「日本文化チャンネル桜」などで)反対を度々表明してきた。
しかし中々、この問題に対する世論の喚起は遅かった
(メディアがこの問題をキチンと大きく取り上げなかったことにも問題があると思う。)

チャンネル桜のオピニオン・コーナー『厳喜の元気』でこの問題を指摘したところ、
収録後、番組の担当者から、大いに賛同の意を表されて、やや驚いた。
彼女の母親も、通信販売で薬を買っているそうで、いわばこの規制強化は死活問題であるとのことであった。

言論活動として、話し出すと、
また私の周りにも、実に似たような境遇の人がいて、様々な驚きの声、この件についての実に多くのご意見をいただく様になった。

都会で住んでいる方でも、最近はご自身の仕事と親の介護で自由に動けない人も多い。
まして、離島、僻地の人にとっては、通信販売の薬品入手というのは殆ど死活問題であることが多く、決して小さな問題ではない。

また難病、ずっと薬を飲み続けなければいけないような持病を抱えながら頑張っている人達にとっての、『漢方薬』療法の話を聞けば聞くほど、この問題の深さを考えさせられる。

彼らの多くは、NET等で自分の健康管理、長期的な体質改善のために漢方薬を買い続けている人が多いのだが、持病を抱えていると当然、医療費負担も常に高額であり、今後もずっと買い続けなければならない負担の大きさを考えると、
「NETで少しでも安い、専門の漢方薬取り扱いの薬局を調べて値段比較をして『着払い』で送ってもらう」事による便利さは大きく、
この6月から出来なくなる事での負担増、不便さは、まさに、死活問題なのである。


医薬品規制の問題とは別問題だが、
特に昨年、いわれた「宅急便の代引き規制問題」も同時に、こういった人達にとっては死活問題になる。
(※ この問題については私の新著『ドンと来い!大恐慌』の中でも少し取り上げ、紹介した。)

インターネットや、電話で薬を注文して、宅急便の代引きでこれを購入する。
というのは、多くの人々にとって、極めて重要な命の綱である。

これを取り上げようというのは、まさに暴政としか言いようが無い

真の庶民の視点を忘れた政治である。

自民党も、民主党も、その他主要政党も、この問題に反対していないのは全くおかしい

その中で、三木谷さん達の行動は実に立派なものであると思う。


この代引き問題や医薬品ネット通販の規制など、
これら規制強化に対する反対は、一種の草の根の国民運動としてやるのが一番望ましいと思う。

その為には、宅急便業界、運送業界、インターネット関連も含む流通業界に加えて、
地方の個々の薬局店、薬を製造する側の製薬業(特に漢方薬品業界)も含めて、個々人や団体が、柔軟で画期的な連携を図り、ネットワークを作って、反対運動をするのが望ましいと思うし、
私もこの運動には是非、協力していきたいと思う。

【楽天の医薬品通信販売継続NET署名HP】
http://event.rakuten.co.jp/medicine/net_signature/

いよいよ明後日、『環境バブルで日本が変わる!(別冊宝島)』発売!!!

投稿日:2009,04,16


先日も私の4月6日号のブログでご報告させて頂きましたが、
いよいよ明後日、宝島社から、別冊宝島特集号といたしまして、
kankyobable.JPG
環境バブルで日本が変わる!』 (880円) が発売されます。

私も、そこに『特別ロング座談会』といたしまして、登場いたします。

【内容紹介】
オバマ大統領が、就任直後に打ち出した「グリーン・ニューディ-ル政策」。
雇用対策のように思われていますが、実は次の経済システム構築のための布石です。今後アメリカは、EUと手を組み、排出権(CO2)を軸にした新しい金融経済構築へ向かいます。
地球温暖化の犯人がCO2かどうかはこの際関係ありません
CO2が金融商品になるのです。
このムックでは、オバマ大統領周辺の環境人脈、ゴアの『不都合な真実』の背景をはじめ、目からうろこの話が満載です。

Amazonではもう、予約も出来るそうです。

ご期待ください。

第25回 呉竹会アジアフォーラム開催(平成21年4月24日(金))のご案内

投稿日:2009,04,15

第25回 呉竹会アジアフォーラム開催
 『 これが台湾の現実だ! 私が見た日台・日中関係 』 についてのご紹介です。

こちらに私もパネリストとして参加いたします。

是非、ご参加ください。


演 題: 「最新の台湾情勢と日台・台中外交」

日 時: 平成21年4月24日(金)

17:30 -        受付
18:30 - 19:15  第一部 講演
19:15 - 20:00  第二部 対談

講 師: 長谷川周人氏
1962年生まれ、北京語言学院留学、日大卒、産経新聞入社後、外信部、経済部記者。
2006年2月台北支局長。

会 場: 日本プレスセンター 10階ホール
(東京都千代田区内幸町2-2-1 )
日本プレスセンタービル 電話:03-3503-2721)

会 費: 大人 3,000円 / 学生 1,000円


【 案内 及び 詳細の地図、パンフレットは此方をダウンロードください

この件のお問い合わせについては、以下まで宜しくお願いいたします。


主催 ; 呉竹会アジアフォーラム事務局  
〒102-0093 東京都千代田区平河町1-7-5 ヴィラロイヤル平河904  
Tel 03-3556-3880  
Fax:03-3239-4488  
 mail@kuretakekai.jp