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新型インフルエンザ対策; 3日遅かった日本政府の対応

投稿日:2009,04,30

世界保健機構は、日本時間4月28日朝、新型豚インフルエンザに対する警戒水準を、
「フェーズ3」から1段階上の「フェーズ4」に引き上げた。

フェーズ4とは、人から人に直接感染する危険度の水準である。

これを受けて、28日午後、麻生太郎首相は自らを本部長として、対策本部の初会合を開き、水際阻止の徹底を指示した。

日本政府がメキシコ渡航延期を勧告したのは、この28日午後である。
しかし、どう見ても、日本政府の対応は3日は遅すぎた。

日本時間の4月25日には、新型インフルエンザの危険度はほぼ明らかになっていた
私がメキシコの家族に電話で直接話を聞き、ブログで取り上げたのも、4月25日であり、日本政府の危機対応の遅さを指摘しておいた。

WHO(世界保健機構)の警戒水準の引き上げを待たずして、速やかに緊急対策を取るべきであった。
WHOの警戒水準の引き上げを待って、対策本部を作るというのは、恐らく、事前に定めていた手続き等ではあろうが、あまりに官僚主義的である


この3日間にメキシコに渡航した日本人に対して、日本政府はどう責任を取るつもりなのか?
この3日間にメキシコその他から日本国内に流入した潜在的ウィルス・キャリアの危険に対して日本政府はどう責任を取るつもりなのか?


メキシコ・シティで暮らしている私の長男に直接聞いた話を以下に書く。(日本時間、4月30日午前3時45分) 

4月27日、メキシコ・シティの一部では、スーパーマーケットや食料品店に人々が買占めに殺到しパニックが起きていた。
外出が制限されるために、食料を買い置きしようとした人々が殺到したためである。

メキシコの死者は、現在149人と伝えられているが(4月28日現在、新聞報道)、一体、その内の何人の死因が本当に、この新型豚インフルエンザであるかどうかは確かではない。
その証拠にメキシコ以外では、このウィルスの感染者で死んだものはいない。

メキシコ・シティでは、学校、一部の官庁、多くのレストランが閉鎖されており、外食には不便をきたしている。
町の人通りも目に見えて少なくなった。
ただし、スーパーマーケット等は開いており、2日前のような食料パニックのようなことはもう起きていない。
メキシコとアメリカとの国境はまだ封鎖されてはいない。

今、メキシコ国内では、インフルエンザに関し、流言飛語が飛び交っており、何が起きているかが正確には分からない。

『次世代携帯 日中が協力』とのショッキングなニュース

投稿日:2009,04,29

日本経済新聞4月28日朝刊が、このショッキングなニュースを伝えている。
明日、4月29日、麻生太郎首相と中国の温家宝首相が北京で協議し、次世代携帯電話の技術協力の枠組みで合意する模様。

シナ経済の実態とシナ帝国主義の脅威を知る者にとっては、非常に衝撃的なニュースである。

私としては、この協力体制が実現せず、一日も早く、失敗に終わることを祈るばかりである。

最も、シナ贔屓の日本経済新聞の報道であるから、これが同紙の希望的観測である場合も大いに考えられる。
だとすれば、これは事実の報道というよりも、一種の情報操作であるかもしれない。
日本の国益を守るために、日本産業界のリーダーは、シナの脅威の実態に早く目覚めて欲しいものである。

しかし、財界リーダーの中には、シナの覇権主義に魂を売る確信犯もいる事は確かである。


日本は、「電波」を通じて日本の情報通信がシナ共産党に乗っ取られてしまうことを断固阻止しなければならない。

主権回復記念日・国民集会、参加

投稿日:2009,04,28

本日、4月28日(火)夜、九段会館大ホールで開かれた同名の集会に参加した。

4月28日は、昭和27年に日本が占領時代を脱し、主権を回復した日である。
それを記念して毎年、この会が開かれている。


今年の登壇者は、以下5人の方々。
それぞれ、大変刺激のある話を聞くことが出来た。

印象に残った部分だけを簡単に取り出しておきたい。


今、話題の、田母神俊雄・前航空幕僚長は、
「言論の歴史認識の闘いは教育とマスコミの戦いであり、そこで勝つには保守系のマスコミや出版社を一般国民が積極的に応援していくことが大事である。」と
講演の最後に指摘した。

田久保忠衛・国家基本問題研究所 副理事長、杏林大学客員教授は、
「シビリアンコントロールの定義は世界的に甚だあいまいであり、専門家であった故サミュエル・ハンティントン教授もこれを正確に定義づけることは出来ない、と言っている。
大体において、その言葉の意味するのは、戦争の開始と終結とは国の最高指導者が決定するということであり、田母神問題はシビリアンコントロールとは全く無縁である。」と指摘。

佐藤 守・元航空自衛隊 南西航空混成団司令 空将は、
「旧陸軍・海軍は大東亜戦争の末期に陸軍士官学校と海軍兵学校の学生数を猛烈に増やしたが、これは戦争継続のためというよりは、寧ろ敗戦後の日本再建を見据えてのことであった。
陸士海兵、その他、予科練などで軍事教育を受けた人材が、戦後長い間、日本の官僚制度を支えていた。それが,戦後昭和50年くらいまで、日本の官僚制度が比較的シッカリと国益を守ってきた理由の一つであると思う。
この人達が退官してしまった後、日本の官僚制度はガタガタになってしまった。」
と発言。

松島悠佐・元陸上自衛隊中部方面総監 陸将は、
「4月28日を近い将来、日本の新しい国軍の創軍記念日として欲しい。
自衛隊ではシッカリとした、若者を育てる愛国心と使命感を中心とした教育をしており、憲法改正さえすれば、自衛隊は十分に闘う軍隊となれる。」と発言。

最後に、井尻千男・拓殖大学日本文化研究所所長は、
「4月28日を国民の祝日とし、その日に総理大臣に、靖国神社に参拝してもらうことは、我々の悲願である。 8月15日ではなく、4月28日に参拝することにより、東京裁判等の戦争裁判で死刑にされた(法務死の)方々と戦死者を共に、追悼し顕彰するという靖国神社の意義が明らかになる。」

「戦後社会では、憲法そのものが全く正当性を欠いて、占領軍に強制されたことにより、法秩序そのものが正当性を欠き、そもそも法的正当性という意識一般が指導者から失われていったことは国家の最も重大な問題である。」
等と、発言された。

今年の集会では、毎年、司会役をされている井尻先生が、講演者の側にまわり、胸のうちに鬱積していた想いを思いきり発言されたようであった。
井尻先生は勿論、他の4人の講演者の方々も皆、小生にとっては個人的にも親しい面々である。
身贔屓して言うわけではないが、今年の集会の中味は、非常に充実していたと思う。

さすがに、3人の軍人の方々は、軍人らしく発言時間に極めて厳格であったのが印象的であった。
この手の集会はとかく、予定通りの時間に終わらずに、延長されることが多いのであるが、ほぼ時間通りに終了したのは、この方々の規律の御蔭であり、その点でも大変爽やかな印象を受けた。

参加者は、1階は満員、2階、3階もかなりの聴衆に溢れ、非常に盛会であった。

メキシコ発、豚インフルエンザの猛威!

投稿日:2009,04,25

メキシコで豚インフルエンザ(スワイン・インフルエンザSwine flu)という恐ろしい感染症が勃発し、恐ろしい勢いで拡がっている。

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4月25日の朝、メキシコの家族と連絡を取ったが、既にメキシコ全土で68人が死亡し、感染者はおそらく1000人前後に及んでいるということだった。

日本でも25日の午後から、テレビでは一部、そのことが報道され始めた。
CNN・TVをみたところ、この流行病のことを『Swine Flu』とよんでいる。
Fluとはインフルエンザの略語のことである。

日本のテレビでこれからメキシコに向かう渡航者への成田空港でのインタビューを放映していたが、
全く危機感に欠けるので驚いた。

どうやら、この病気は「人から人へ空気感染する病気」のようで、その為、急速にその感染が広がっている。
アメリカでは、テキサス州とカルフォルニア州で既に8人の感染者が出ている。

兼ねてからこのような「人から人へ空気感染する新型ウィルス病の発生」が科学者により予想されてはいたが、それがシナや東南アジアではなく、メキシコで起きたことは意外だった。


ある種のSFパニック映画は、この手の新型ウィルスによる脅威をテーマとして作られてきた。
実は、4月8日の帰りの飛行機の中でも、その手の日本映画を観ていた。
この映画の設定では、フィリピンの離島で発生した新型ウィルスが日本を襲うことになっていた。

まさにSF的な恐怖が現実のものとなってしまった。

おそらくこのウィルス感染症の脅威を日本人は過小評価しているのではないか。

例え、アメリカとメキシコの国境を今、閉鎖したとしても、アメリカ国内における感染の拡がりはかなりのものになるであろう。
発祥地であるメキシコへの人的かつ経済的被害が膨大になるのみならず、アメリカ社会にも甚大な被害を与えることになるのではないか

場合によっては、日本とメキシコの間の渡航が禁止されるのみならず、日本とアメリカの人の往来も一時的に禁止される可能性すらあるだろう。
さらに、心配すべきは、相当量のメキシコの豚肉が日本に輸入されていることである。

検疫が強化されれば豚肉による脅威は排除されるとは思うが、メキシコからの食糧輸入はかなり多く、これは日本、メキシコ両国にとって、かなり大きい経済的ダメージとなるだろう。

メキシコに家族のいる私としては、悪い予測はしたくないが、電話で聞くところによれば、
メキシコは今やパニック状態である。

豚インフルエンザといいながら、一番多くの死者が発生しているのは、農村ではなく、首都のメキシコ・シティである。
明らかに人から人への空気感染の可能性が高く、その感染力も、レベルの高いものであると思われる。

テレビや新聞で見る限り、日本政府の対応もあまりにのんびりしたもののように思えて、極めて心配である


今、観光旅行で、もしくは不要不急の用事でメキシコに出て行くというのは、あまりにも無謀で極めて危険な行為である。

日本のマスメディアのこの事件に関する報道は、あまりに矮小化されており、はるかに大きな警告を発していなければならないはずである
極めて無責任である。
メキシコに滞在しているとき、日本で報道されている北朝鮮のミサイル発射のことが殆ど現地では報道されていないことを、このブログで書いた。
日本のマスコミは、北朝鮮ミサイル発射に関しては、過剰報道で国民のパニック的心理を引き起こした。
今回のメキシコの豚インフルエンザでは過少報道で、国民に与えるべき警告を与えていない

全く逆の事例ではあるが、いずれも日本マスコミの欠点をさらけ出している。

第25回 呉竹会アジアフォーラムにて、台湾最新情勢を語る

投稿日:2009,04,25

先日もお知らせした通り、昨日、4月24日(金)夜の呉竹会は
産経新聞・元台北支局長、長谷川周人氏、をゲストに日本プレスセンター 10階ホールで開かれた。
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前半(第一部)は、長谷川さんが3年間滞在された、台湾の最新政治情勢について語り、
後半は司会の花岡信昭さんと私が加わって、(座談会形式で)話を展開した。

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長谷川さんの話で面白かったのは、
昨年の総統選挙で馬英九候補が如何に巧みに一般台湾人の心をつかんだか?という、具体的な実話エピソードであった。

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香港生まれで、純然たるシナ人である馬英九が独立志向の強い台湾人を如何に巧みに欺いたか?、そのテクニックには実に驚くべきもの、考えさせられるものがある。

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馬英九は究極的には、中華人民共和国との統一を志向しながらも、その事は一切、表に出さず、
あくまで現状維持(事実上の独立の継続)を訴えながら、巧みに台湾人の心を掴み、選挙では史上最大の圧勝を勝ち取った。

経済不況に苦しむ一般台湾人に、経済繁栄の為には、大陸との経済統合が不可欠である、と訴えた
そして、自分が総統になれば、事実上の独立を維持しながら、大陸との交流を拡大し、経済的繁栄を達成できると訴えた。

経済交流がやがて経済統合に進めば、政治的独立も失われるのは目に見えている。
しかし、多くの台湾人はこの馬英九の巧みな話術にすっかり欺かれてしまったようだった。
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 そして、大陸から来た外省人色を消すために馬英九も巧みに選挙戦術を展開した。
その最たるものが、独立色の強い台湾南部における「ロング・ステイ計画」であった。

 これは、馬候補自身が、一般台湾人の家庭に宿泊しながら、選挙民と直接対話の交流を深めるものである。
 これは功を奏し国民党に反感の強い台湾南部でも馬候補はかなりの票を獲得することが出来た。

 「経済繁栄という人参」をぶら下げられてかなりの台湾人の独立志向が、揺らいでしまったというのであれば、まことに情けない話だと思う。
 しかしこれは、何もお隣の台湾の話だけではない。
今日、ただいまの日本でも、不況からの脱出の出口を、「比較的好調である」と報道されるシナ経済に求めようという輩は数多く存在している。
また、そのような傾向を煽る論調も、マスコミに散見される。全く他人事ではないという感じである。

 ともかくも、本音を隠しての馬英九の巧みな選挙戦術の話が私には非常に興味深かった。

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 どんなに正しい政策であっても、動揺しがちな大衆の心を掴み、それを正しい方向に導くテクニックがなくては、真のリーダーシップは発揮できない。
 大衆といわれる人々とコミュニケートする技術が無くては、どんなに高い理想も実現から遠ざかるばかりである。

 馬英九の選挙戦術からは反面教師としてそんなことを学んだ。

 それは、日本の真の独立を目指す我々自身が他山の石としなければならない教訓であろう。


   第二部の座談会、『(演題;) 最新の台湾情勢と日台・台中外交』では、
私の方から、3月17日、18日の両日にわたってアメリカの国防総省で実施されたという経済戦争シュミレーションについて言及した。

 アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、シナ、それ以外のアジアの5つのチームが、軍事力、経済力を競い合う「ウォー・ゲーム」の形式のシュミレーションであったが、最終的に勝利したのは、シナ・チームであったと伝えられる。
 シナ・チームは国際金融市場で、ドルを放出する戦略で、アメリカ・チームに圧迫を加え、相対的に優位な立場を築き、ゲームに勝利した。

 ゲームとはいいながら、こういったシュミレーションは、極めて現実的な条件の下に行われる一種の思考実験であり、この結果は極めて衝撃的であると思う。

 そして、このような現実に対する見通しから、ブレジンスキーの唱える「チメリカ構想」が生まれてくるのであろう。
「チメリカ」とは、チャイナとアメリカを、一体化し、世界の覇権の中心としようという構想である。
アメリカからいえば、シナとの関係を強化し、シナをあらゆる面において、最重要のパートナーとすることによってアメリカの覇権を維持していこうという戦略である。

ブレジンスキーは、カーター大統領の国家安全保障担当補佐官で、現在もアメリカの政界、特に民主党においては大きな影響力をもつオピニオン・メーカーである。
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高齢ながら、キッシンジャー同様に今も活発に、活躍している。

元来が、民主党系の学者なので、特にオバマ政権への影響力に関しては、無視しがたいものがある
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私は、以上のような点を指摘して、米中関係がもし、「チメリカ構想」の方向に大きく転換すれば、台湾の国際的立場も極めて危うくなることを指摘した。


アメリカは外交政策を転換するときは、まことに大胆にそれを行う国である

台湾独立派の人々も我々も、その点を忘れてはいけないだろう。

長谷川さんも、この点については私と同意見のようであった。

司会の花岡さんも、世界一の親日国家台湾がいつの間にか消滅してしまうという危険性について、最後に言及された。
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最後に、呉竹会の頭山興助会長の挨拶があり、
「よく知っていたつもりの台湾ではあるが、実は思いもよらないような変化も起きていることに目をひらかれた」とのコメントがあった。
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台湾を熟知される方の感想だけに、大変、重みのある言葉であった。


また、NHKテレビ番組『JAPANデビュー』という台湾に関する偏向報道に関しては、
私の発言の冒頭で、NHKに対する批判を述べた
この番組で大きな役割を演じた柯徳三(か・とくぞう)医師とは私は3回は確実にお会いしていると思う。
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大変温厚な方で、決して反日的な人ではない

ご本人自身、日本を批判した部分だけが報道されて、甚だ不本意であると発言されている。
(国民新聞のインタビュー)

この点については、NHKの報道の酷さについては、長谷川さんも、花岡さんも同様の感想を表明されていた。

 ※ 参考 ;
 尚、この『JAPANデビュー』に関する件に関して、詳しくは此方の映像をご紹介したいと思う。
★ 日本文化チャンネル桜 1/13【討論!】「JAPANデビュー」問題と日台関係 第2弾[ H21/4/23] より  (第1回分を此方にUPさせていただきます)