今晩、西村幸祐さんのトークライブに参加して来た。
大変活気があり、新しい国民の運動を実感するイベントだった。
26日の山村明義さんとのシンポジウムに参加してくれた方も、駆け付けてくれて、会場は約100名弱の人々が集まり、立ち見まで出る盛況ぶりだった。
参加者は、私の他に、日本ウイグル協会のイリハム・マハムティさん、作家の三橋貴明さん、衆議院議員の城内実さん、東京都議会議員(民主党)吉田康一郎さん、であった。
始め30分くらい西村さんの一人語りで、特に台湾の親日映画『海角七号』の予告編を、台湾版、日本語版と続けて上映し紹介してくれた。
予告編を見ているだけで、感動が伝わってくるような映画である。
是非、観たいと思う。
次に、イリハムさんのウイグルの実態に関するレポートがあり、恐ろしい現実が我々の前に報告された。
金で雇われた漢民族の女性が、注射針でウイグル人の少女を刺している現場がウイグル人達によって差し押さえられ、所謂、『注射針テロ事件』の実態が明らかになった感がした。
要は、あらゆる状況を利用して、シナ共産党は、ウイグル人を手に負えないテロリストと決めつけ、これを民族絶滅に追い込もうとしているのだ。
恐るべきことは、ヨーロッパ、アメリカの民主国家も、この現実に目をつむり、ウイグル人を助けようという声が湧きあがってこない事だ。
同じトルコ系民族としてウイグル人虐殺に最も声を上げていたトルコ政府までもが、シナからトルコへの巨額の投資案件により、口を閉ざしつつある、という事実をイリハムさんが指摘してくれた。
事の大小は異なるが、私の本が、当初約束した出版社から出版拒否にあっている現実と重なり合った現象であると思った。
シナ共産党は、時には鞭を、時にはアメを巧みに使い分け、情報操作をし、日本人のみならず外国人の頭脳を洗脳しようとしている。
これこそが情報戦であり、現代の最も重要な闘いなのである。
シナ共産党は、国内では露骨な弾圧をするが、国外ではそのような露骨な暴力は用いることが出来ないので、おのずと金銭を使った買収工作を幅広く展開している。
トルコまでもがシナに買収されてしまえば、ウイグル人のジェノサイドに抗議する外国政府は一つも存在しなくなる。
しかし、このトークライブは、直接集まったのは、100人弱に過ぎないが、ニコニコ動画で中継され、多くの人々がこれについてブログを書き、e-mailを発信するなど、広範にこの情報は伝わってゆく。
そこに現代に生きる我々の希望がある。
完全なネット世代の三橋さんは、マスコミの情報操作と堕落を糾弾しながらも、寧ろ先行きに関しては楽観的であった。
常に、行動し、自らの言論の手ごたえを感じているので、悲観主義に陥らずに済んでいるものと思う。
実際、インターネットを中心に多くの人々がメディアの情報操作に汚染されずに、有りの儘の現実に目覚めつつある。
これは実に、大きな変化であり、新しいそして逞しい動きが日本国民の中に胎動している事を感じさせられる。
城内実さんも選挙に大勝した事もあり、意外に楽観的であった事には驚いた。
彼は、今は自民党員ではないので、無所属の議員として、自由に活動をしながら、新しい国民的政党を模索しているようである。
彼の基本路線は、私がブログで書いた『新中道路線』と極めて近いものである。
というよりも、殆ど同じものであると言って良い。
従米市場原理主義の小泉自民党を右とするならば、従中ばら撒き福祉の鳩山民主党は左である。
共通項は、両者とも拝金主義であり、現世利益主義である。
これに対して、私が提唱し、また城内さんが賛同してくれているところの政治路線は、故郷日本を大事にする事を基盤に、右も左も抱擁し、経営者も労働者も共に救済していくような新しい国民政党の路線であり、これを「中道主義」という事は言葉の正しい用法であると思う。
民主党候補にも圧勝した城内さんの言葉には、前向きの明るさがあって、希望に溢れていた。
私は、色々なテーマについて述べたが、特に、「東アジア共同体」なるものが、如何に成立不可能なものであるかについて、聴衆の皆さまに語りかけた。
ヨーロッパ共同体は、数々の困難を克服して成立したが、これを成立させたような要素は東アジアでは全く欠けている。
この事は、昨日のブログでも書いたとおりである。
鳩山首相は、自動販売機から缶コーヒーを買うように、「東アジア共同体」が容易に成立可能であると考えているようである。
誠に愚の極みという他は無い。
鳩山首相という人を見ていると、ある種の試験秀才の行きつく先であるという気がする。
予め与えられた答えを覚えて、その通りに答えを出す、偏差値秀才の典型であろうか。
自ら、現実と格闘し、主体的にものを考えるという力が殆ど欠如している、意志薄弱な人間のように見える。
別の言い方をすれば、洗脳し、情報操作し、利用するには最も使いやすいタイプの人間なのであろう。
誰が、彼の頭脳を操作しているか?
については、今さら言う必要もないであろう。
阿佐ヶ谷ロフトAは、討論酒場といったタイプの場所であり、右左を問わず、多くのトークライブが活発に開かれている。
私は以前、新宿のロフト・プラスワンには何回か発言者として出席したが、それは随分前の事である。
阿佐ヶ谷のロフトAの雰囲気は、新宿のそれよりも、はるかに前向きで、新しい時代の躍動を感じさせる雰囲気であった。
私も場所が酒場なので、いも焼酎の水割りを数杯、おかわりしつつ、お話をさせていただいた。
観ている人から言うと、ほっぺたがサンタクロースのように赤かったとの事であった。(笑)
26日のシンポジウム、28日のトークライブで、今までにはない新しい伸びてゆくベクトルを感じる事が出来た。
日本は、民主党政権の誕生により、短期的には確かに悪くなっていくだろうが、マスコミの呪縛から解放され、自ら明るい未来を開こうとしている自立した日本国民の存在を実感した。
またその自立した人々が新しい形で相互に連帯し、情報を共有し、発信し、運動を展開してゆくというエネルギーも確かに拡大しつつある。
今日は、谷垣自民党総裁が誕生し、謂わば、自民党の崩壊が決定的となった日であったが、この同じ日に私は、全く新しい日本誕生への希望を確信する事が出来た。
最後に三橋貴明さんの新しい本、『新世紀のビッグブラザーへ
』を紹介したい。
この本は、日本に訪れる可能性のある恐ろしい近未来社会の様相がここにはビビッドに描かれている。
一見、バラバラにおきている様々な現象が、1つの方向を実は指し示しており、その先に存在するのは、日本文化が抹殺されたファシズム社会である。
それこそが、「東アジア共同体」の現実なのであろう。
一見、荒唐無稽に見えながら、このフィクションが題材としているファクターは、現実であり、未来が我々の望まぬ方向に動くならば、このフィクションの描き出した世界は近未来の日本のリアリティーとなるであろう。
誠に気味の悪い現実感を感じさせる啓蒙的なシュミレーション・ノベルだと思う。
つまり、このような未来を現実にしない為には、我々の現在の行動が必要なのである。
ネット世代として、このような啓蒙的なフィクションを書いてくれた事に心から敬意と感謝の意を表したい。
なお、「中国政府が日本のIT製品に関するソースコードを日本政府に開示要求している事実」、「中国政府が日本のインターネットに対する情報統制を日本政府に要求している事実」、「人権擁護法案の内容とその危険性」等などの記述は全くの事実そのものである。
このトークライブでも紹介させて頂いた。
昨日のシンポジウムで特に力を入れて私が論じたテーマは、「東アジア共同体」が如何に成立不可能であるか?という事であった。
鳩山首相はあたかもバナナの皮を剥くように簡単に「東アジア共同体」の成立が容易であるかの如く語っているが、これは完全なる幻想である。
また、広くテレビ、雑誌等を見渡しても、東アジア共同体が、そもそも成立し得るものであるか?
また、成立させる事が善であるかどうか?についての議論が一切、成されていない。
これは、誠に異常という他はないだろう。
東アジア共同体を構築するとすれば、それは日本外交の、というよりも、日本自身の運命を大きく転換する事を意味する。
民主党は、この事をマニフェストの前面に立てて選挙戦を戦わなかった。
にも関わらず、この政策を実行しようとするのは、全くのマニフェスト違反である。
結論から言うならば、東アジア共同体に日本が入るとは、日本が独裁国家・シナの属国になる事を意味する。
それは、日本におけるデモクラシーの終焉と、日本文化の絶滅を意味する。
つまり、日本人が今日のチベット人やウイグル人の立場になる事を意味するのである。
東アジア共同体の成立が、如何に不可能であるかを昨日のシンポジウムでは論じたが、以下、それをごく簡単に復習してみたい。
第一に、ヨーロッパ共同体に参加した諸国は、全て民主国家である。
民主国家間でさえも、国家統合は極めて難しいことであった。
東アジアにおいては、最も危険な帝国主義国家であるシナは勿論、独裁国家である。
独裁国家と民主国家が国家統合し、1つの政治的実態を作る事は有り得ない。
もしあり得るとすれば、民主国家が滅ぼされ、独裁国家が民主国家を侵略するという状況しか考えられない。
第二に、ヨーロッパと東アジアでは、文面論的状況が全く異なる。
ヨーロッパ共同体を成立させた条件は、東アジアでは全く欠如している。
ヨーロッパ諸国は宗教的には皆、基本的にキリスト教圏に属し、人種的にも、ヨーロッパ人はほぼ皆、白人である。
つまり、国家は異なっても、白人キリスト教徒としてのアイデンティティーをヨーロッパ人は共有している訳である。
この共通基盤の上に、EUが初めて成立しえたのである。
歴史的に見ても、ヨーロッパは、過去の歴史を共有している。
かつてローマ帝国というヨーロッパのほぼ全域を覆う帝国が存在した。
この帝国が崩壊し、近代の諸国家、つまりイギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどが成立した。
今日もヨーロッパ人は、ローマ帝国を自分たちの共通の歴史の一部として認識している。
このような歴史観は、東アジアには全く存在しない。
東アジアでは、宗教は、儒教・道教から、キリスト教、ヒンズー教、イスラム教、その他数多くの土着的宗教が存在し、全く共通基盤は無い。
人種的にも全く均質性を欠いている。
更に、既述したような歴史の共有感覚も全く欠如している。
第三に、経済合理性から言っても、東アジア共同体は、全く不可能である。
EUに統合されている、国家間の賃金格差は、約10倍である。
バルト三国あたりの賃金が最も低く、この賃金の10倍を、デンマークの勤労者は享受している。
10倍の賃金格差のある国家間で、経済統合を行なう事は、至難の業であるが、既に述べたような様々な条件に支えられて、ヨーロッパ人は統合のコストを負担する事を決意した。
とは言いながら、いまだにヨーロッパでは、EU共同体の成立に反対する声は特に経済的に恵まれた先進国の間で根強いものとなっている。
例えば食品の衛生基準や、自動車の安全基準にしても、ヨーロッパの中ですら、大きな混乱がいまだに存在している。
まして、東アジアにおいては、日本と最も低賃金の国家の平均的労働者の収入は、50対1程にもなる。
更に、食品や工業製品の安全基準等を考えるならば、経済統合は全く不可能と断言しても良い。
万が一にも統合をすれば、全ての安全基準は最も低い基準に合わせざるを得ないであろう。
東アジア共同体構想を少し距離を置いて眺めてみると、日本人は全く矛盾した事を行なおうとしているように見える。
食品の安全基準に関しては、赤福や、北海道土産で有名な白い恋人達、こんにゃく畑の件であれほど、神経質に製造者に責任を追及して来た日本人が、今や、毒入り餃子を平気で製造する、シナとの経済統合を考えるというのは、全く信じられない事である。
また、中央集権を悪とし、地方分権を善とする道州制論者達は、国家主権の分割・分断こそ正義であると信じているはずであるが、その同じ人々が、国家を更に大きな政治的単位に統合し、超国家的な組織体を創る事を善と考えるのは、なんとも理解しがたい事である。
鳩山首相の主張する東アジア共同体構想は、実は1998年以来、独裁国家シナが主張し続けて来た構想であり、事実上民主国家日本が独裁国家シナに呑み込まれるという以外の何物でもない。
日本人は、何よりもまず、この単純な事実に気がつかなければならない。
同日、三民族デモには出られませんでしたが、激励のメッセージを送らせて頂きました。
そして三民族連帯デモに参加された、台湾研究フォーラム代表、永山英樹さんに代読していただきました。(永山様、本当に有難うございました)
このシンポジウム会場でも、三民族連帯デモのこと、チベット・ウイグル・南モンゴルで起きている事についての話や同日の抗議集会の意義について取り上げさせて頂きましたが、今後も引き続き、こうした問題について、あらゆる角度から検証し、伝えるという事について参加させて頂きたく思っています
山村明義さんを招いての本日のシンポジウムは大成功であったと思う。
そこに低迷する現状を打ち破る新しい時代の息吹を確かに感じた。
民主党政権が長続きすればするほど、日本は不幸になるという事を様々な方面から山村さんも私も実証したようなシンポジウムだった。
先の総選挙で自民党公認で福岡第一区で惜敗した遠藤宣彦さんは山村さんの友人で、多忙にも関わらずこのシンポジウムに参加してくれた。
「第三部:対談」の時間の冒頭に民主党相手の選挙の苦労についても又、保守再生への確信についても語ってもらった。
遠藤さんの言葉としては、国民が個人主義的かつ唯物論的になり、自分が得られる経済価値のみを基準に民主党に投票した、という指摘が痛烈であり、また印象的であった。
自民党の中に、シナや朝鮮から金をもらっている政治家が現実にいる、という遠藤さんの発言は、現場を知っている政界人の発言なだけに非常に重みがあった。
私は、民主党統治下の日本の経済・政治・外交について、現実的な予測をした。
特に、読者に訴えたいのは、選挙前の私の経済予測では、民主党がばら撒き型の経済政策を行なうので、少なくとも2010年はGDPも順調に成長し、日本国民は一息つくのではないか。
しかしそれ以降、また景気が悪化し、2011年以降、経済成長は著しく失速するであろう、と予測していた。
だが、9月26日現在の経済的現実を見ると、ばら蒔き経済政策による、一次的な景気上昇すら非現実的な希望的観測で、円高不況により、日本経済は著しく追い込まれてゆくであろう、と考えている。
山村さんもこの件に関してはほぼ同意見であった。
日本において、自民党が保守再生の基盤となり得るかは、自民党の新総裁が靖国神社に堂々と胸を張って参拝できるかにかかっている。
もし、谷垣元財務大臣が総裁となれば、この様な事は全く不可能になる。
実際、政策上のごく細かな差異を除けば、谷垣氏と民主党主流派は同じ穴のむじなである。
とても保守再生を期待できる相手ではない。
会場に集まられた方々とは、第三部対談後の最後の質疑応答が盛り上がり、当初30分の予定が45分に延長された程であった。
参加者自身が、傍観者的態度には違和感を覚え、如何に主体的に日本の保守政治を再生させたいか、と強く願っている事がヒシヒシと感じられた。
電話で、e-mailで、あるいはまた、日常の会話の中で、これらの人々は、正しいメッセージを周辺の人々に伝え、日本再生に主体的に参加しているに違いない。
次回は、11月下旬ないし、12月上旬に日本と台湾の関係について、今回同様のスリリングなシンポジウムを開催したいと思っている。
予定が定まり次第、読者の皆様には、イの一番にお知らせしたいと思っている。
この会場の最後でも紹介させて頂いたが、友人の西村幸祐さん(激論ムック編集長)のトークライブが、9月28日、以下のような要領で行なわれる。
私も参加する予定なので、楽しみにしている。
9.28(月) 西村幸祐トークライブ「ああ言えば、こうゆう」
「撃論ムック」シリーズ(『反日マスコミの真実』や『チベット大虐殺の真実』、『NHKの正体』など多数)の責任編集などで知られる論客、西村幸祐のトークライブが阿佐ヶ谷ロフトAにて開催! 特別ゲストを迎え、以下のテーマを徹底的に語り尽くす!!
★特別ゲストは、国際問題アナリストの藤井厳喜氏、作家で経済評論家の三橋貴明氏、先の衆院選で見事復活当選した衆議院議員の城内実氏も駆けつけてくれる予定。
さらに驚きのゲストも登場予定!!
●東アジア情勢と日本の行方
――台湾、チベット、ウイグルは日本の問題だ!
●マスメディアと情報統制
――衆院選挙でメディアはどう国民を洗脳したのか?
●日本の行方
――日本人の抵抗の拠点を構築せよ!
OPEN 18:30 / START 19:00(予定)
前売¥1,200 / 当日¥1,500(共に飲食代別)
前売は阿佐ヶ谷ロフトAウェブ予約か電話予約にて9/4受付開始。
・ウェブ予約
http://www.loft-prj.co.jp/lofta/reservation/reservation.php?show_number=214
・電話予約
03-5929-3445(17:00 - 24:00)
アクセス
http://www.loft-prj.co.jp/lofta/map.html
ぜひぜひ、こちらの会場でも又、多くの方々にお逢いしたいと思っていますので、多数、御参加下さい。
鳩山民主党は、海上自衛隊のインド洋上における同盟国艦船への燃料補給を止める方針である。
これ程、愚かな外交・国防政策はない。
日本は、断固、このインド洋上における燃料補給を継続すべきである。
日本のマスコミや評論家は、この燃料供給中止を、アメリカがどう評価するかという観点からばかり論じている。
民主党政権を支持するものは、アメリカは政策変更を受け入れ、これが日米関係に大きな影響を及ぼす事は無いと主張する。
燃料供給継続を主張するものは、中止が日米関係に大きなマイナス要因となる事を警告している。
結果として、燃料補給中止が日米関係を弱体化させる事は確かであろう。
しかし、より重要な視点は、日本の地政学上の国益の増進にこの問題がどのように関わっているのかという事である。
アメリカが望もうが、望むまいが、いやアメリカが例え、望まなくとも、日本は海上自衛隊によるインド洋上の燃料供給を続けるべきであるし、寧ろ、これを強化すべきなのである。
海上自衛隊の大きな使命は、日本のシーレーンを防衛する事である。
海洋国家であり、貿易立国の日本が、シーレーン防衛を至上の価値とする事は当然である。
日本の最も重要な原油供給ルートは、言うまでもなく、中東から東南アジアを経て日本に到るシーレーンであり、この点、インド洋は日本から遠い地域にはあるが、日本経済の死活を左右する生命線が通る海であると言って良い。
理由はともかく、ここに海上自衛隊の艦船を派遣できるようになった事は、海洋地政学上の観点からいって、非常に大きな日本の国力の飛躍であった。
自衛隊の艦船は、元来、インド洋のような遠隔地に航行する事や、インド洋の如き高熱地帯で運用される事を前提として作られてはいない。
それ故に、派遣された自衛隊員の苦労は並大抵のものではないと聞いている。
しかしこの派遣によって、日本のシーレーン防衛の能力は飛躍的に高まったのである。
何よりも重要なのは、対テロ戦争という天下の大義名分を利用して、この派遣が国際的にも国内的にも承認された事である。
海自のインド洋派遣を最も忌み嫌い、恐怖したのは他ならぬシナである。
日本が独自の海軍力の防衛範囲を飛躍的に拡大させ、謂わばシナの背後にあるインド洋にまでその力を延ばしたという事は、シナにとっては大きな脅威であった。
また、海自のインド洋派遣が、日米の防衛協力をより一段、高いレベルに引き上げた事もシナ政府の最も忌み嫌うところであった。
鳩山民主党政権のインド洋上の給油中止は、これらの実績を全て否定し、シナ政府を大いに喜ばせるものである。
日本が給油を止めれば、シナ政府がこの役割を取って代わるかもしれない。
そうする事によって、シナ政府が対米関係を強化し、東アジアにおける米中共同統治を実現する大きな手段とするであろう。
当然のことながら、日本の国益は大きく損なわれる事になる。
いうまでもなく、今日、日本の安全と平和に最も大きな脅威となっているのはシナ帝国主義である。
シナの軍事膨張主義が日本のみならず、周辺のアジア諸国にとっての最大の脅威であるのもまた、言をまたない。
推論するならば、鳩山民主党のこの愚かな決断の背後に、シナ政府の民主党に対する働きかけがあったのではないだろうか?
岡田外相などの見識が大いに問われるところである。
鳩山民主党は、インド洋補給にかわる対米貢献として、アフガニスタンにおける警察力の要請をあげている。
アメリカ側としては、これは必ずしも悪い取引ではないかもしれない。
しかし日本にとっては、この政策は大きなマイナスである。
アフガニスタンの政治的安定が、全体として間接的にではあるが、日本の国益にプラスである事は確かである。
しかし、海洋国家である日本にとって、アフガニスタンにおける若干の日本の政治的影響力の上昇は、何ら国益にプラスしない。
プラスするとしても、目に見えないほど小さなものである。
これに対して、インド洋における自衛隊のプレゼンスは、遥かに大きな国益の増大を保証している。
つまり、この取引は、アメリカにとってはプラスマイナスゼロかもしれないが、日本にとっては大きなマイナスなのである。
日本の外交軍事を評論するものの多くは、主権国家日本の国益の増大から個々の政策の善悪を判断すべきである。
アメリカがこれを受け入れるとか受け入れないとか、シナがこれを好むとか好まないとかいう事は、二の次、三の次である。
また強いて言うならば、日本の安全と平和に対する最大の脅威となっているシナの嫌う政策こそが、日本にとって望ましい政策なのである。
※ お薦め参照動画:For the Peaceful Ocean
インド洋における海上自衛隊の補給支援活動の意義、必要性につい て説明しています。
【関連のお薦め参考文献】
↑↑↑ 地政学の入門的教科書。『「世界地図」の切り取り方 (光文社ペーパーバックス)
』
Sea Power(海洋国家)やLand Power(大陸国家)等の地政学の基本的概念について、分かりやすく第一部で説明してある。
この本で地政学と言う奥深い学問に目覚めてくれた読者も多数いるようである。
現在、読んでも時代遅れになっていない本であると思う。
↑↑↑ 『塗り変わる世界地図の読み方―21世紀の大再編が始まる!』
この本は、2006年5月に上梓した本である。(初版奥付5月27日)
地政学的発想を取り入れて、国際政治経済を分かりやすく分析した著作である。
この本に対しては過分なおほめの言葉を、南米チリの首都、サンチアゴに住む日系人の井上三良(さんりょう)さんから頂いた。
井上さんは、以前からの私の本の愛読者であり、時折お便りを頂いてはいるが、未だに直接御逢いした事はない。
井上さんは、以下のような書評をFAXでチリから送って頂いた。
「甚だ僭越な読後評を許されるならば、この本は、今まで読ませて頂いた本よりも、スケールが非常に大きく、特に日本の生徒学生達に是非読ませたい作品だ、という事です。
僅か200ページ超の本で、世界中のほとんどあらゆる問題を取り上げ、その解決策を探る前向きな姿勢に大きな共感を覚えました。」
(2006年7月3日)
民主党は、国の内外への約束を破りつつある。
外においては、アメリカとの沖縄の基地交渉の約束を破りつつあり、国内においては、八ツ場(やんば)ダムの約束を破りつつある。
民主党政権により、日本政府への信頼は、急速に失われつつある。
民主党がカン違いしているのは、国家として約束した事と、政党として約束した事の差異を見極められない事である。
アメリカに対しては、沖縄の米軍基地の移転を国家として約束したのである。
国内においては、八ツ場ダムの建設を、国家として約束したのである。
これらの約束は、政府を支える与党が変わっても、守り抜かなければいけない約束である。
民主党政権が出来るのは、今後、政府が行なう約束について、責任を持つ事である。
国家が過去において行なった約束、コミットメントを変更する事は、許されない。
江戸末期に徳川幕府が欧米列強と不平等条約を締結した。
これらの条約は明らかに不平等なものであったが、明治維新によって成立した新政府はこれらの約束を守り続けた。
何故なら、これらの国際条約は、不平等な条件下で締結された不平等条約ではあるが、日本国が国家として締結した条約だったからである。
つまり、日本国内における政治体制の変革にも関わらず、明治政府は徳川幕府の締結した条約を破棄する事なく、遵守したのである。
しばしば革命によって、成立した政権は、前政権の約束を反故にして顧みる事がない。
しかし、こういった条約破棄の行為は、一見、もっともなものでありながら、条約を締結した外国から見れば、裏切り行為以外の何物でもない。
例えどんな約束をしても、政治体制政権が代われば反故にされるというのであれば、あらゆる国際的条約の信用性は著しく失われる。
明治政府は、徳川幕府が締結したところの不平等条約を、それが極めて不平等なものであると知りつつ、遵守し続ける事を決意した。
その誠実な姿勢自体が、後の「不平等条約改定」の基礎を成したものと考える事が出来る。
つまり、如何に不利な国際環境化においても、その約束を守り続けると明言した政府が、そのドラスティックな政体の変化にもかかわらず、外国からの条約順守の信頼を勝ち得たのである。
まして今日の日本は、政治体制の変化を経験した訳ではない。
単に、政権が、より詳しく言うならば「政権の与党」が変わっただけである。
前の国家政府が成した内外の約束が、これで全て反故になるというのであれば、日本の国家の信頼は、著しく傷つかざるを得ないであろう。
政府が約束を守らなくてよいならば、国民もまた、政府との約束を守らなくても良い、と感じてしまう。
日本との約束やぶられた外国は、今度は日本との約束を容易に破っても良いだろう、と考えるだろう。
つまり、自らの信用を失う行為は、必ずブーメランのように自らが裏切られるという効果をもたらすのである。
民主党に投票をした国民の大多数は、そのマニフェストの項目の全てを絶対的に支持した訳では全くない。
民主党に投票をした国民の大多数は、単に日本の経済の現状の改善を求めていたに過ぎない。
八ツ場ダムや、沖縄の嘉手納基地の公約をそのまま文字どおりに実行する、という権限を民主党は国民から与えられた訳ではない。
民主党幹部は、この事を全く勘違いしている。
CO2の1990年比での25%削減なども、国民がその約束を絶対的に支持している訳では、全くない。
「東アジア共同体の創設」に関しても、全く同様である。
民主党は、国家が過去に成した約束を破りつつある。
また、マニフェストを絶対視するより、彼らが定しているはずの官僚主義を誰よりも強力に推し進めつつある。
「お上がが決めた事に民は従え」という点においては、民主党のやっている事は、自民党のやっていた事と寸分、違ってはいない。
民主党は終に国民のその民のいう事に耳を傾けない庶民無視の政権である。
八ツ場ダム建設中止の判断ほど、国民無視の官僚主義的な判断はこれを見た事がない。
民主党の「民」とは如何なる「民」なのであろうか?
今、民主党という政権与党とマスメディアの基本的方向性は、完全に一致している。
言い換えれば、民主党政権を批判する声は、マスメディアからは一切聞こえてこない。
この危険なファシズム的状況に、如何に抵抗し、明日への展望を如何に開いたらよいのか?
そのような疑問に答えるべく、26日土曜日のシンポジウムを開催しようとしている。
以下、弊社主催、公開シンポジウムの緊急開催についてご紹介いたします。
【CFG主催・シンポジウム緊急開催のお知らせ】
2010年、民主党政権で劣化する日本―それにどう対処するか?
9月26日(土)東京都・錦糸町駅傍の会場にて、緊急シンポジウムの開催を致します。
当初は、『NHK報道体質と無制限戦争の時代』の出版記念セミナーを予定しておりましたが、諸事情により出版が遅れておりますので、テーマを入れ替え、近未来予測を提言し続けて来たシンクタンクとして、同日に以下のテーマでシンポジウムを開催する事に致しました。
日時: 2009年9月26日(土)13時半開場 14時講演開始
場所: 東京都・JR錦糸町駅(総武線)下車直ぐ 「ハロー貸会議室・錦糸町」
東京都墨田区錦糸2丁目4-6 ALビル1F
交通: JR錦糸町北口徒歩30秒
地下鉄半蔵門線錦糸町駅3番、4番出口徒歩1分
問合せ:当日の緊急連絡先: (事務局担当)石蔵携帯:090-8659-7516
参加費: お1人様 3500円
【プログラム・開催内容】
第一部:14時-15時 藤井厳喜基調講演
『民主党政権で日本はこうなる:民主党政権下の経済・政治・外交とポスト民主党の日本』
第二部:15時-15時半 特別ゲスト講演: 山村明義氏講演
『日本に新たな経済的保守思想は出現するのか?―民主党左翼リベラル政権の未来予測』
(途中休憩:約10-15分)
第三部:15時45分- 17時 特別ディスカッション(対談形式)
『民主党ブームは何故起きたか? ポスト民主党ブームは何か?』
質疑応答:17時- 17時半 17時半・終了予定。
当日は、その他行事やイベントとも重なるという方が大勢いらっしゃる為、特別に「遅れての途中参加」も受付可能といたします。
是非、第二部から、第三部からだけでも・・・という方もご検討ください。
今回の特別ゲストは、山村明義さんです。
今回のシンポジウムの目玉に、「無所属候補・城内実はどうやって民主党にうち勝ったのか ― ポスト民主党政治に残されるもの」というタイムリーな成功体験を特別にお聞かせ頂けます。
そこに我々は明日を築く可能性として、何を学ぶことが出来るか?
ジックリ検証し、学びたいと考えております。
山村氏は、8月の総選挙で全国の選挙区を幅広く取材された他、静岡7区の無所属候補・城内実さんのブレーンとしても知られています。
城内さんは民主党候補と自民党候補に大差をつけて勝たれました。
民主党ブームが全国を席巻した今回の総選挙で何故、第三の候補の城内氏だけが圧勝する事が出来たのか?選挙参謀としてその秘密を語ります。
尚、当日、現地会場での受付も、空きがあれば受付いたしますが、念の為、お早めにお申し込みくださいませ。
【申し込み先】 FAX: 03-3650-7873
【お問い合わせ先】 株式会社 ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ・オブ・ジャパン
〒133-0057 東京都江戸川区西小岩1-30-5
Tel:03‐3650‐1475 Fax:03-3650-7873
私の長年の友人で、政党を問わず、政界に幅広い人脈を持っているジャーナリストで、いつも彼の鋭い分析と見通しには私も驚かされています。
今回は、特に第三部での山村さんとの対談で、今までにない面白い話が出てくるのではないかと期待しています。
民主党政権とマニフェストの経済効果とは?
民主党政権の左翼リベラル体質は日本に何をもたらすのか?
民主党政権と霞が関・マスコミのトライアングル関係はどうなる?
等々、この機会ならではの、裏話、経済予測等、様々な発表をさせていただく予定です。
是非、ご期待下さい。
休憩時間も含め、質疑応答時間ももうけておりますので、この機会に皆様と直接お話、御逢いさせていただけます事を楽しみにしております。
ふるってご参加ください。
【特別ゲスト:山村明義氏・プロフィール】
昭和35年生まれ。早稲田大学卒業。金融業界誌、週刊誌記者を経て、フリージャーナリストに。政治・経済・外交をテーマに幅広く記事を執筆。
著書に『外務省 対中国、北朝鮮外交の歪められた真相
』など。神道に関する著作を現在、構想中。
一人でも多くの方々のご参加を期待したい。