台湾の友人、林建良さんから試写会の切符をいただき、銀座でやっている台湾映画『海角七号』の試写会に行ってきた。
全篇130分に及ぶ、日本と台湾を繋ぐ、恋愛映画である。
日本版公式サイト
http://www.kaikaku7.jp/
台湾映画史上、最高のヒット作であり、12月下旬、日本でも一般公開される事になっている。
非常に前評判の高い映画だが、期待を裏切らず、大きな、そして爽やかな感動を与えてくれた。
音楽や映像の美しさも一流であり、全篇にちりばめられる様々なサイドストーリーも、現代台湾社会の生き生きとした人間模様として楽しむ事が出来る。
台湾を知りたい人は勿論、そうでない人にも是非、観て欲しい映画である。
この映画を通じて、痛感したのは、日本人と台湾人の感性の類似性である。
この映画の字幕協力をしている永山秀樹さんは、台湾研究フォーラムの主催者であり、彼のキャッチフレーズは「台湾は日本の生命線!日台は運命共同体である!」が、この映画を観ると、理屈ではなく、まさに感性的に日台が、運命共同体である事が実感できる。
映画のストーリーを細々と紹介する事は無粋なので、やめたいが、日本統治時代の日本人男性と台湾人女性の恋愛と、現代に生きる台湾人男性と日本人女性の恋愛が、時の流れを超えて交錯し、様々な感情の模様を描き出す。
60数年前の実らなかった恋愛と、現代の恋愛の成就が巧みに対比されて描き出されながら、観終わったものに温かい感情と、明日への希望を残してくれるような名作である。
過去は過ぎ去り、既に死滅した事実になるのではなく、過去の過去に撒かれた種が、現在に花開き、成就しているというような淡い因果関係を感じさせる映画である。
過去の恋愛と現在の恋愛の時間を超えた交錯ぶりが、実に巧みなストーリー・テリングによって描き出されており、何かタイムマシーンにのって過去を見せられているような感覚にとらわれる。
日台間に過去において作られた絆がいったんは消えてしまったようでありながら、連綿として継続し、今日においても芽吹き、花開いているような美しい感覚である。
聴けば、監督ウェイ・ダーション氏は、1968年生まれであるという。
純然たる戦後生まれであり、国民党治下で、シナ人教育を受けた人物が、しかしこのような美しい日台間の物語を創れるというところに、私は台湾の希望と底力を見る想いがする。
シナ製の反日プロパガンダ映画が、次々と公開される中で、台湾が我々に与えてくれた反日プロパガンダへの最高の解毒剤が、この映画でもある。
過去の恋愛ストーリーにおいては、日本人男性が、終戦に伴う「台湾引き上げ」の時に、彼の愛する台湾人女性を日本に連れていかなかった事になっている。
ハッキリした原因は分からないが、男の優柔不断がそうさせたような印象を受ける。
男は、「見捨てたのではない、無理やり引き裂かれたのだ」と独白する。
また、愛する少女に対してこうも言う、
「許しておくれ、臆病な僕を。どうしようもないくらいに君に恋してしまった僕を。君を愛していても、諦めなければならなかった・・・。」
敗戦国の男として、愛する女性を、混乱する祖国に連れてゆくということは、如何にもためらわれたのであろう。
しかし、個人的な感情を言うならば、この男の優柔不断が如何にも私をイライラさせたのは事実である。
というのも、この男の躊躇と優柔不断こそ、戦後日本そのものの姿ではないかと思えるからだ。
何の勇気ある主体的決断をすることもなしに、外部からの圧力に流されてきたのが戦後日本政治だったのではないか。
内部にいくつもの試みや苦悩があったにしろ、国家総体として見るならば、一度も主体性を回復する事が無かったのが、戦後の日本国家である。
その最終結末が、鳩山民主党政権という形で表れている。
過去の不決断と優柔不断のつけが巡り巡ってまわってきたのが、この亡国政権ではないのか。
美しい映画を観終わった後に、しかし、こんなことも考えてしまった。
『海角七号』については、最新の拙著『NHK捏造事件と無制限戦争の時代』の別章・林建良さんとの対談のページでも取り上げられている。(P278からP301)
本書では、台湾についてゼロから学べるよう、「別章:アジアの無制限戦争」の中の台湾特集のページ以外でも台湾について学べるようになっている。(台湾だけで約200ページ近くあります)
既に、このブログではご報告させて頂きました、私の台湾研究会での講演であり、「NHK捏造事件と無制限戦争の時代」の先行発売会・記念講演でもあった「無制限戦争における台湾の地位―グローバル地勢学から見た台湾独立」(11月7日)につきまして、当日の講演の様子を撮影頂きました。
その台湾研究フォーラムで行なった私の講演全部が、動画でインターネットにアップされました。
台湾研究フォーラムの永山英樹さん始めとする関係者・有志の方々のご尽力のおかげで、講演の全てが録画・録音されています。
皆さんのご助力に心から感謝する次第です。
9篇に分かれていますが、音声の質は大変良好で、会場にいるような臨場感で講演を聞く事が出来ます。
当日、参加できなかったという方も、参加頂きました方も、是非、ご覧くださいませ。
1) 台湾研究フォーラム第128回 無制限戦争時代における台湾の地位
http://www.youtube.com/watch?v=lqgGmLuxthE
2) 台湾研究フォーラム第128回 藤井厳喜1「民放が腑抜けである理由」
http://www.youtube.com/watch?v=dpDyTpG4OYc
3) 台湾研究フォーラム第128回 藤井厳喜2 「無制限戦争とは何か」
http://www.youtube.com/watch?v=S6xDGWsSpA4
4) 台湾研究フォーラム第128回 藤井厳喜3 「NHK問題は間接侵略」
http://www.youtube.com/watch?v=jiUJa1ndIWc
5) 台湾研究フォーラム第128回 藤井厳喜4 「出版妨害事件の真相 A」
http://www.youtube.com/watch?v=QKYhPaWFziU
6) 台湾研究フォーラム第128回 藤井厳喜5 「出版妨害事件の真相 B」
http://www.youtube.com/watch?v=WEgaNrTesWQ
7) 台湾研究フォーラム第128回 藤井厳喜6 「 岡田外相は最悪の人事」
http://www.youtube.com/watch?v=nyMdzAeJ8xc
8) 台湾研究フォーラム第128回 藤井厳喜7 「ランドパワー中国のマージナルシー戦略」
http://www.youtube.com/watch?v=Piiq7lw8xio
9) 台湾研究フォーラム第128回 仲間覚氏 「与那国島は無防備地帯」
http://www.youtube.com/watch?v=kabgdXefiNY
「与那国島は無防備地帯」「自衛隊配備促進運動は民主党政権の誕生で元の木阿弥になっ てしまうかも知れない」と訴える仲間覚氏。
↓
JSN 沖縄と共に『自立国家日本』を再建する草の根ネットワーク
http://jiritsukokka.com/
(シンポジウム開催のお知らせが掲載されています。)
<テーマ> 民主党新政権への「沖縄政策提言」
もう騙されない!沖縄で始まる自立国家再建運動!?
<日 時> 平成21年11月21日(土)12 時00 分開場
<会 場> 星陵会館
11月10日付産経新聞に、ポール・ウォルフォウィッツ元米国防副長官が、日米関係に関する論文を寄稿している。(3面と8面に掲載)
※【ポール・ウォルフォウィッツ氏: 米国の国際政治学者。国務次官補(東アジア・太平洋問題担当)、駐インドネシア大使、国防次官を歴任。ブッシュ前政権で国防副長官。2005年に世界銀行総裁に転じ07年に辞任した。】
日本の民主党政権に対するアドバイスが中心である。
その内容は、常識的で首肯する部分が多い。
同氏が主張するのは、日本は米国と緊密な関係を維持する事によって、日本の国益ばかりでなく東アジア全体の安定と繁栄を確保する事ができる、というものである。
日本は米国と協力して、(軍拡を続け、危険な存在である)シナを牽制しながら、シナを責任ある国家として、行動するように仕向けるべきである。
以上のような、ウォルフォウィッツ氏のアドバイスに対して、民主党首脳部が真摯に耳を傾けてくれる事を望むばかりである。
ウォルフォウィッツ氏のアドバイスは適切なものであるが、この論文を読むと、同氏は日本の民主党政権に対して1つの大きな誤解をしているようである。
同氏は明言はしていないが、文章の行間を読むと、民主党政権を、日本のナショナリズムを代表する政党であり、それ故に民主党の外交政策が対米自立を指向していると考えているようである。
同氏は繰り返しこの論文の中で、日本人が誇り高い民族であり、独自の自尊心を持つ事は当然である、旨の発言をしている。
外国人から見た民主党の外交政策に対する典型的な誤解であろう。
日本の民主党は、特に、鳩山政権は、全く日本のナショナリズムを代表するものではない。
「左派ナショナリズム」というものが論理的にはあり得るとしても、鳩山政権の外交政策は、左派ナショナリズムに基盤を置くものでもない。
鳩山民主党政権の思想的トレンドは、グローバリズムと個人主義の組み合わせであり、決してナショナリズムの要素は含んでいない。
その思想的傾向は、左派的=進歩的であるが、その左派性、進歩性は、ナショナリズムに基盤を置くものではなく、グローバリズムと個人主義に基礎を置くものである。
ウォルフォウィッツ氏はこの事を誤解しているように思われる。
今後も、日本の実情について、英語圏への発信を様々な形で発信していきたいと思う。
(以下、私が日本文明について英語で紹介した映像です。引き続き拡散協力ください)
1/2 Gemki Fujii's Guide to JAPAN,Yesterday,Today,and Tomorrow
Gemki Fujii is a professional analyst of international affairs. He is one of the most well-known future forecaster in Japan. He has authored nearly fifty books since1984. His company,CFG of Japan, publishes bi-weekly newsletter of future forecasting. He is a lecturer at Japan's National Police Academy and visiting professor at Takushoku University.
In this TV Column, FUJII introduces you to unique civilization of his country, Japan.
How come you had better know recent happenings in Japan? Ask him what is happening in Japan's Wall Street and power center!
2/2 Again About Myself A Little More
毎週月曜は、午後3時から4時半まで拓殖大学の八王子キャンパスで国際関係論の講義をしている。
先週は、竹島問題について語ったが、今週は尖閣諸島問題について、学生に講義した。
資料として、石垣市議会議員である、仲間均さんが提供してくれた、尖閣諸島の写真(大きく引き伸ばしたもの)を利用させてもらった。
私自身、平成16年、17年と尖閣諸島に、上陸しようとしたが、海上保安庁の妨害にあって、これを実現できなかったという経緯がある。
この折に『月刊日本(2005年6月号)』に寄稿した私自身の論文「尖閣諸島を『第二の竹島』にするな―政府は早急に尖閣諸島を実効支配すべきだ!」も学生諸君に配って、領土問題に対する覚醒を訴えた。
国際関係論の授業といっても、日本と無縁の話をするのではなく、また、高邁な理論について云々するのでもなく、最も具体的な問題である領土問題について知ってもらう事が重要であると考えている。
現代日本の大学における、国際関係の講義などでは、国家にとって、最も重大な問題の1つである、領土問題などが著しく軽視されている、というのが現状である。
そもそも1968年の国連関係団体(ECAFE)の調査によって、尖閣諸島付近に海底油田が発見される以前は、シナは一度たりといえども、この諸島の領有権を主張した事はなかった。
石油欲しさにこの調査以降、同諸島の領有を主張するようになったのである。
これは、1968年以前に発行されたシナ(中共)の地図や文章を見れば、一目了然である。
昨日(11月8日)日曜日、文京区民センターで開かれた台湾研究フォーラムで講演させて頂きました。
開場前から、数十人の開場待ちの行列が階段のところまで出来、始まる前から熱気が溢れていました。
参加者数も約160名強を数え、1時間半に及ぶ講演と質疑応答も大変、熱気のあるものでした。
1年間に職業柄、何回も講演をさせて頂きますが、昨日の講演は、私の体験の中でも最も活気のある、そして話の内容が聴衆の心に直接、響き渡るようなものであったと思います。
私の言葉の一つ一つ、そしてメッセージが、聴いている方の心にダイレクトに届いている、という実感を強く持ちました。
講演前も、開場と同時に先行発売会コーナーに参加者が列に群がり、新著を購入して下さった方々が、著者のサインを求めて長い列を作ってくださいました。
講演前の時間だけではサインに応じきれず、講演後も会場に残り、皆さんにサインをしてさせて頂きました。
(私の講演開始前のギリギリまでサインを書いていました)
遠隔地からはるばる来て下さった方も多数あり、これから帰るのに3時間半もかかるというという方もいらっしゃいました。
読者の一人一人と、直接、お逢いし、交流できましたのは著者として何よりの喜びでした。
また、チャンネル桜をご覧の方も多数あり、「チャンネル桜でいつも拝見しています」という言葉をたくさんの方から頂戴しました。
会は、8時に終了しましたが、その後も、本を購入して下さる方が続き、サイン会が終わったのは、8時半を遥かに超えていました。
新著のみならず、私の旧著も多数、お買い上げくださった方がおり、大変、嬉しい予想以上の盛況の会となりました。
講演の内容は、新著「NHK捏造事件と無制限戦争の時代
」に沿った事で、主に4つのテーマについてお話しました。
1.『NHK捏造事件と無制限戦争の時代
』出版妨害事件の真相
2.無制限戦争時代における日本と台湾
3.日本と台湾の共時性(シンクロニシティ)
・ 群雄割拠化する世界
・ 米中共同統治
・ 経済至上主義の結末
4.地政学的観点から
今回の本は、本当に多くの方々の協力で、出版にまでこぎつけました。
読者の皆さんへの感謝の意を込めて、この先行発売会に駆けつけてくださいました皆さんには、特別に収録・制作しました出版記念講義のCDを無料にてプレゼントさせて頂きました。
全編約40分くらいの、情報戦争に関しての私からの講義でありメッセージです。
講演終了後、本日、早速にも、「昨日の残りがあれば、本を今、直ぐ買えませんか?」や「行きたかったけれど、風邪で参加できませんでしたが、内容について教えてください」、「記念CDはどうしたら入手できますか?」等々というようなメッセージやお手紙を頂きました。
今後、発売日から約4日間に渡って行ないますAMAZONキャンペーンにてお買い上げの方には、CDというケースでの著者からの直接郵送でのプレゼントは出来ませんが、データのダウンロード形式にて、昨日に渡させて頂きましたCDと同じ内容の音声データ・ファイルのプレゼントをさせて頂くという事で、お応えさせて頂きたいと思います。
昨日、参加されにくかった、特に関東エリア以外の、遠方にお住まいの読者の方々には、今回はこのような形で応じさせて頂きたいと思いますので、ご理解宜しくお願い致します。
また、講演会終了後、早速、昨日の講演会の感想や激励文、お手紙をFAXやメール等々で多数、頂きました。
まだ様々な行事や準備に追われ、お1人様ごとへの返信が返させて頂けてはおりませんが、全て拝読させて頂いております。
大変、大きく勇気づけられました。
有難うございます。
今回は、本当に限られた時間でした。
帰り際に事務局担当にも、「質疑応答時間が足りず聴ききれなかった」というご意見や「質問をしだすと長くなってしまうので次回にまわさせて頂こうと判断しました」というお気遣いをいただきました常連参加者の方々もいらっしゃいました。
こうした声にお応えできるよう、CFG主催のシンポジウムでは、十分に長い時間をとって、参加者全ての質問にお応え出来るように致します。
是非、そういう方は、12月6日のシンポジウムにご参加、宜しくお願い致します。
詳細は決定次第、このブログ等でアナウンスさせて頂きます。
≪お知らせ≫
==『NHK捏造事件と無制限戦争の時代
』が一部、NETで立ち読み出来るようになりました==
発売元の総和社さんのHP( http://www.sowa.ne.jp/ )を通して、発売前からこの本の雰囲気、内容について、一部、立ち読みをしていただけるようになりました。
★立ち読みページ http://www.sowa.ne.jp/nhk-tachiyomi/index.html
こちらのページでは、特に多岐にわたる内容を載せた全ての章の全「目次ページ」そしてプロローグの一部等を中心にUPされています。
AMAZONの中身検索が反映されるまで、発売日まででも、中身を御覧になりたい方は、是非、此方のページをご覧ください。