予告通り、本日は映画「アバター」をビジネス的観点から分析してみたい。
一言でいえば、これはアメリカ映画の将来性を示す画期的な映画である。
アメリカ映画はまだまだ行けそうだな、と底力を実感した。
1. 映画ビジネスは単なるコンテンツ産業ではない。
このビジネスには「映画館ビジネス」も含まれる。
アメリカ人にとって、映画は1人10ドル以内の気楽な娯楽である。
家族で、恋人同士で、友人連れ立って、映画館に出かける。
ポップコーンをほうばり、コーラで喉をうるおし、観た後で、映画を論じあう。
家族間のコミュニケーションの題材を与えてくれる、という点でも映画は貴重な存在である。
父と娘が共通の話題を見つけるのは、中々に難しいものだ。
アメリカ人は誰でも二つの職業を持っていると言われる。
一つは自分の職業、もう一つは、映画評論家である。
アメリカ人は、それほど映画について論ずる事が、おしゃべりする事が好きな国民なのである。
2. コンテンツ産業としての映画産業の未来に不安はない。
しかし、インターネットやDVDの普及で、映画館産業はピンチである。
家庭の居間で見られる映画を、映画館で見るメリットは何か?
映画館まで、客の脚を運ばせるには、それだけの魅力がなければならない。
その答えの一つは、普通の「一般映画館での大画面の3D上映」だ。
「アバター」はそれを実証してみせた。
もっとも、それだけで映画館ビジネスが救済されるかどうか?は疑問だが、当面の答えの一つである事は確かだろう。
過去、何度もアメリカでは、大迫力の3D・大画面ブームというものは(早くは50年代、次は80年代と)起きた事があるが、いずれも事業としては大失敗に終わってきた。
日本でもIMAX・3Dシアターなどが少し普及したが、興行成績の為の「流通数(劇場数)」が圧倒的に足りない。
そうした配給環境、NETやレンタルDVD等の時代的要因、不況という社会的要因も考慮の上で、ジェームズ・キャメロン監督は、既存の映写設備がそのまま使える「赤青メガネ(3D用の特殊レンズ)」方式を応用し、技術経営要因も考慮した上で、見事、このプロジェクトを成功させたのだ。
この成功を受け、世界の劇場では、彼の言う「映画館が、わざわざ出かけてゆく価値のある特殊な環境であり続ける為」に、デジタル立体上映設備の設置が増えてゆくであろう。
私は最新刊「NHK捏造事件と無制限戦争の時代
」の最終章(第6章)「電波の歴史と無制限戦争」の章で、技術進化と社会の相関関係を詳しく取り上げた。
第6章では、「『電波(技術)の開発』『メディア革新の歴史』こそ、まさに無制限戦争の様相を帯びていたのである。言ってみれば、電波メディアの業界では、20世紀の初頭からすでに無制限戦争が始まっており、今日、われわれが見聞きするラジオやテレビは、その凄惨な闘いの末に残された戦果でもあるのだ。」と冒頭に述べ、「新技術と社会の相関関係」等を中心に詳しく解説した。
映画、コンテンツ産業は、そのビジネス・モデル構造を変えながら、イノベイティブなリーダー達により今後も益々変化を遂げてゆく事であろう。
3. 3D技術自体は、シナの映画産業にも盗まれてしまうかもしれない。
しかし、3Dで観て面白い映画には、それなりのストーリー構成、創造的な関係機材の開発思想等が必要である。
アクション物なら、戦争ものなら何でもよいという訳でもない。
ジェームズ・キャメロン監督は、ハリウッド映画のコア・コンピタンス(中核的競争力)を実によく考え抜き、企画・構想の段階から、3D技術を最も有効に活用するストーリーを練り上げたに違いない。
シナも次なるハリウッド化を国家政策として狙っており、コンテンツ産業としても、アメリカの映画産業の将来は手放しで明るい訳ではない。
しかし、所詮、シナ共産党統制下にある「プロパガンダ・ツール」としてのシナ映画産業では、自由な映画作りは不可能であり、世界の才能ある映画人を集める事は難しいであろう。
その意味で、ジェームズ・キャメロン監督は「アバター」でビジネスとしてのハリウッド映画の将来性を見事に明示したと言えるだろう。
====藤井厳喜より、ビデオ・レター===
藤井厳喜の「2009年を振り返って」 【年末のご挨拶】
2009年12月30日、2009年という一年を振り返ってみました。
2009年は特に政治、経済、メディア等で、「既存の秩序」が大きく崩壊した年でした 。
新しい発展パターンを模索しながらも、まだ確実なモデルが見えてこない中、2010年は景気の二番底に向かって進んでしまうでしょう。
政治経済、情報戦争など、一年を振り返りながらも、ビデオレターのように、世界的に益々、群雄割拠化する来年2010年以降の抱負も含め、メッセージをお届けしたいと思います。
2009年も本当に残り僅かとなりました。
明日はいよいよ大晦日。
大掃除で忙しいよ、という方も、NHKデモに参加くださる皆様も、本年も本当にお世話になり、誠に有難うございました。
よいお年をお過ごしください。
藤井厳喜
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(↓↓こちらも『NHK捏造事件と無制限戦争の時代
』P460 で既に取り上げた、かなり分厚い本ですが、メディア論を考える有益な参考図書としてお薦めです。)
12月のクリスマス・シーズンに向けて公開された人気映画「アバター」Avatar を観る。
ストーリーは単純。
22世紀の地球、某惑星に算出する貴重な鉱物資源“アンオブタニウム”を採掘する為に人類が進出。
ところがこの星には、「未開」の人類に似た知的生物が住んでおり、この“ナヴィ”と呼ぶ「未開土人」を追放しない限り、この資源開発は難しい。
そこで主人公のアメリカ人男性(元海兵隊員)は「未開土人=宇宙人“ナヴィ”」と地球人のDNAを遺伝子操作によって合成し、作り出されたハイブリッドの肉体「アバター」を与えられ、彼らの内情を探る為に潜入する。
しかし、主人公には自然破壊と住民殺害の下に行われる資源開発に反対するようになり、最後は先住民(宇宙人)“ナヴィ”の反乱軍のリーダーとして、開発企業の軍隊を打ち破り、人類を惑星から追放するというシナリオである。
全体はSF仕立てだが、映画の内包するメタファーを指摘する事は簡単だ。
▼ 宇宙人=未開人=低開発の原住民=前近代=エコロジーの体現者=善
▼ 開発業者=先進国の多国籍企業=近代=エコロジーの破壊者=悪
こうとらえると、この映画の構造とメッセージは極めて単純である。
つまり、「資源を開発する拝金主義者よりも、大自然と供に生きる原住民の方が素晴らしい」という事だ。
例えて言えば、アメリカン・インディアンが、西洋白人の北米大陸開発(=侵略=植民)を防いでしまう、というような話である。
単純な「勧善懲悪」と善悪二元の映画でもある。
現実には多国籍企業と、それと組んだ原住民の一部が勝利する事が多いのであろう。
こういった「開発vs土着」の対立は、様々な文明の様々な局面で繰り返されてきた。
我々が眼前にしている減少だけが全てではないのである。
私は自分を「縄文人」の生き残りのように感じているが、「弥生vs縄文」の文明間の闘いも、今述べたような文脈で考える事が出来るだろう。
弥生文明に亡ぼされた縄文人の生き残りが、今も日本列島には生息し続けているのである。
注目すべきは、この映画では、「低開発国の土着文化」が「大自然と調和して生きるエコロジーの生活」として、肯定的に捉えられている点である。
アメリカ映画の「第三世界(低開発諸国)観」は過去30年間で大きく変化し、肯定的なものになってきている。
1979年公開の「エイリアン」では、第三世界は、宇宙を地球を侵略する、残虐で奇怪な怪獣として描かれていた。
(私見では、エイリアンはホメイニ革命を象徴している。)
インディー・ジョーンズ・シリーズでも、第三世界は、暗黒の存在であり、啓蒙されるべき存在である。
ジョーンズ博士こそが輝かしき「ミスター近代」、「ミスター先進国」なのである。
「アバター」では価値観は逆転している。
一言でいえば、アメリカと第三世界の関係は過去30年間にこれだけ変化したのである。
かつて第三世界(低開発諸国)は、アメリカにとっては、嫌悪すべき、出来たら避けて通りたい、理解不能の、いざという時は力で制圧すべき存在だった。
それが、ともかくも共生しなければならない存在と認識されるようにはなっている。
経済的必然として、アメリカは第三世界の資源を、市場を必要としているのである。
(明日は、この映画のコンテンツ産業史、映画産業というビジネスの観点からもう少し述べてみたいと思う。)
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久しぶりで太平洋を隔てて日本を見てると、いかにも日本の危(あや)うさがよく見えてくる。
2008年9月以来、世界経済は構造不況に入っている。
どの国も、どの企業も、どの個人も生き延びることに必死である。
はっきり言えば、国家レベルでは、他国を犠牲にしても自国が生き延び、繁栄することが当然の国家目標である。
どの国の国家指導者も皆そう考えている。
それは何も、昨日、今日、始まったことではない。
国家というものが、地上に誕生して以来、繰り返されてきた歴史である。
「友愛外交」は即ち「亡国外交」に他ならない。
最近の嬉しいニュ―スは、コペンハーゲンでCOP15が失敗したことだ。
シナを筆類に低開発国が反対して「合意」を潰してくれたのは、有難いことだった。
日本はとんでもない自縄自縛に陥るところだった。
こういう時は、シナに悪役を演じてもらうに限る。
日本は全く他力本願の好運で、大失敗を回避できたわけである。
しかし、こういう好運は何度も期待できるものではない。
どの国も、鎧に身を個め、兜(かぶと)の緒を引き締めて苦難の時に向かっている。
日本は普段着の丸腰で、鉄砲玉の飛び交う戦場に出てゆこうとしている。
しかも国内を見れば、売国を政策の基本とする政党が政権与党である。
日本人の「生活第一」はどこへいったのだ?。
民主党の小沢一郎幹事長は、憲法の基本である「天皇に関する条文」さえ理解していない無知無学の徒で、しかも権力欲だけは旺盛である。
亡国の条件は、真に見事に揃ったという可きであろう。
日本を離れて、より見えてくる事がある。
感じられる事がある。
それらをまた発信したいと思う。
日本では本日、『反日マスコミの真実2010 ―日本を壊す、言論統制と情報封殺システム―(OAK MOOK 327 撃論ムック) (単行本)
』が届いたという、連絡がありました。
早速、見た人達から「非常に充実した特集である」という声を聞き、楽しみにしています。
私も、書いておりますので、是非、『NHK捏造事件と無制限戦争の時代』と合わせて御覧ください。
既に予告させて頂いておりましたが、チャンネル桜さんの中でも大変高視聴率の人気番組となった経済討論・第9弾が本日、放映されました。
収録は、私が日本にいる間に出演させて頂いたものとなっております。
今回もまた、大変充実した番組になったと思います。
来年の景気展望を考える上でも、是非、ご参考頂ければと願います。
今回、このUPされた映像に補足解説として付け加えたいのは、討論会の中で、特に「公共投資悪玉論」に対し、安全性の観点からも景気対策や自給率向上の為からも、道路が抱えている課題について、力を入れて発言したという事です。
日本では、一昔前から「60キロ道路」問題が、盛んに議論された時期がありました。
この事を特に一般の人にも大変分かりやすく説明してくれたのが『国土学再考 「公」と新・日本人論
』という本で、以前、チャンネル桜の水島社長もこの本とこの本の著者、大石久和さんを招きご紹介されましたが、私も再度、ご紹介させて頂きました。
◆経済討論第9弾!民主党政権と経済問題Part2
パネリスト:
有澤沙徒志(日本金融通信社国際室長)
廣宮孝信(経済評論家・作家)
藤井厳喜(国際問題アナリスト)
三橋貴明(経済評論家・作家)
宮崎正弘(作家・評論家)
司会:水島総
1/4【経済討論第9弾!】民主党政権と経済問題Part2 [桜H21/12/26]
2/4【経済討論第9弾!】民主党政権と経済問題Part2 [桜H21/12/26]
3/4【経済討論第9弾!】民主党政権と経済問題Part2 [桜H21/12/26]
4/4【経済討論第9弾!】民主党政権と経済問題Part2 [桜H21/12/26]
尚、こちらにUPリンクしたYoutube公開版は、3時間討論の番組の2時間分となっています。
続きは、インターネットTV(So-TV)でご覧ください。
この映像の続き(3時間目)は、So-TV (月額 3,150円 [税込] http://www.so-tv.jp/main/top.do )にて公開されておりますので、是非、此方でご覧下さい。
詳しくは此方のページをご覧ください。(http://www.ch-sakura.jp/580.html)
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メリークリスマス!
この重大な時期に2週間以上、日本を離れてしまう為、当日まで超多忙スケジュール、飛行機搭乗ギリギリまで仕事の応対をしての出発でした。
当初、眠るのは飛行機の中で、と思い、徹夜明けの睡眠不足状態で乗ったのですが、うつらうつらと少しは仮眠できたか、出来ないかで、あまり眠れず、かなーり疲れております。
久々にアメリカの古い映画を、飛行機の中で観ました。
また、本日、日本では、東京中日スポーツ新聞で、『NHK捏造事件と無制限戦争の時代
』のイメージ広告が掲載されたようです。
習近平来日後の広告掲載、我々のメッセージが伝わればと願っています。
私の近況報告について、詳しくは、少し落ち着いてから、改めて書かせて頂きたいと思います。
【草莽崛起】外国人地方参政権、NHK「JAPANデビュー」に抗議する街宣活動[桜H21/12/25]
12月23日に行われた『外国人地方参政権絶対阻止!街宣活動』 と『NHK「JAPANデビュー」に抗議する街宣活動』の模様がチャンネル桜の放送で放映されました。
当日のブログで既に簡単に報告させて頂きましたが、この日、参加されました他の登壇者の発言について、詳しくご紹介できませんでした。
是非、此方の映像で、当日の雰囲気や、他の方の発言もお聴き頂きたいと思います。
【日本語字幕版】The Day of Infamy:Chinese Vice President Disgraces the Japanese Emperor[Ch-SAKURA December 24, 2009]
既に先日、ご紹介させて頂きました、12月15日のシナ副主席・習近平の天皇陛下との強制拝謁を徹底的に批判した英語のメッセージの日本語字幕解説付きバージョンも公開されました。
Xi Jinping, Vice President of Communist China, visited Japan. He is a mass murderer.
Xi is responsible for the massacre of Uyhgurs, which took place on July 5th,2009, in People's Republic of China.
During his visit to Japan on December 15th, Xi Jinping was granted an audience with the Japanese Emperor. This imperial audience shouldn't have been given. It is Ichiro OZAWA who made this imperial audience possible. Mr.OZAWA is Secretary General of the Democratic Party of Japan(DPJ). Currently DPJ is a party in power, and OZAWA is the most influential politician in Japan. By letting Xi Jinping be met by the Emperor, OZAWA has disgraced His Imperial Majesty and the Imperial Household.
此方も拡散、ご紹介、宜しくお願いいたします。
明日、夜はいよいよ、日本にいる内に出演・収録しました経済討論会の放映日です。
此方もYouTubeにUPされましたら、ご紹介出来るようにしたいと思います。
ご期待下さい。
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