毎週火曜夜22-23時にラヂオつくば「KGプロジェクト」On Air
放送翌日に相方ケニーさんのMixcloudにUP♪ノンカット公開しています。
https://www.mixcloud.com/kennysuzuki18/
【藤井厳喜AJER出演】経済解説番組・全出演再生リスト : https://www.youtube.com/playlist?list=PLE09AEB972E22D31B
2016年1月18日発売の最新刊『 日米戦争を起こしたのは誰か ルーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず
』、発売すぐ増刷決定!
2015年11月2日、祥伝社より藤井厳喜の新刊『紛争輸出国アメリカの大罪 (祥伝社新書)』も、好評発売中です。
2015年6月20日(土)、自由社より藤井厳喜とヘンリー・ストークス先生の対談本『戦後70年の病根を検証する 連合国戦勝史観の徹底批判!』が発売されました。
【藤井厳喜・最新刊、4月22日発売決定の御知らせ】
藤井厳喜が政治学者として責任をもって書きました。
若い人のみならず、全国民に読んで欲しい本です。
【目次】
第1章 権利と義務とは何だろう?
第2章 デモクラシーとは何だろう?
第3章 国際政治と国内政治は何が違うんだろう?
第4章 立憲君主制とは何だろう?
第5章 選挙のしくみを知っていますか?
第6章 マスメディアを信じていいの?
第7章 政党の役割とは何だろう?
第8章 自由や人権とは何だろう?
第9章 憲法とは何だろう?
第10章 宗教と政治の関係は何だろう?
終章 愛国心について
藤井厳喜YouTube講座「国民の為の政治学講座」が入門書の形で分かりやすい本に!
藤井厳喜アカデミー「国民のための政治学」全再生リスト
https://www.youtube.com/playlist?list=PL72D9C8776CE15846
(「まえがき」より)
この本は、日本国民として政治に参加しようとする若い人達のために書かれたものです。
国民一般にも読んで欲しい内容ですが、特に若い有権者のために書かれたものです。
選挙に行く前に、是非、読んでもらいたいという想いを込めて書きました。
この本では、高校の「公民科」の「政治経済」で学習するような基本的な内容は省いてあります。
つまり、国会と内閣と裁判所の関係とか、衆議院と参議院の関係とか、そういった知識は読者にある事を前提として、書かれています。
ですから、学校ではこの本を副読本のような形で活用して頂ければ、最もこの本の出版の目的にかなうと思います。
内容は、なるべく分かりやすく述べたつもりですが、どうしても難しい言葉が出てきます。
高校生には難しいと思われる言葉には、かなり詳しい註をつけて、本文中で読めるように配慮してあります。
この本に飽き足らず、もっと詳しい知識が欲しいと思う方は、是非、私の「国民の為の政治学」を見て頂きたいと思います。
藤井厳喜アカデミー「国民のための政治学」全再生リスト(全12回+補講)
https://www.youtube.com/playlist?list=PL72D9C8776CE15846
これは大学の一般教養課程の政治学で教えていた内容を、YouTubeの講義シリーズとしたものです。
大体、大学の1学期分の内容に相当します。
進んで勉強したい方は、是非、チャレンジしてみてください。
【合わせてご覧ください!『世界恐慌2.0が中国とユーロから始まった』】
出版社: 徳間書店
1,404円(税込)四六判・240ページ
ISBN:978-4-19-864118-4
AMAZON、全国書店で予約開始! http://www.amazon.co.jp/dp/4198641188
本書のポイント
・ドル建てで見れば縮小している世界経済
・COCO債はユーロ崩壊の時限爆弾である
・英国が離脱すればEUは崩壊へと向かう
・元高政策なのに利下げというジレンマに陥ったチャイナ
・チャイナは債務大国である: 世界一の外貨準備のトリック
・AIIBはIMF体制への挑戦
・チャイナ企業によるM&Aはキャピタル・フライトとマネーロンダリングだ
・今、起きている原油安は「逆オイル・ショック」だ
・EUの自壊と死に瀕するヨーロッパ文明
・「市場vs 国家」の戦いでは、国家が優位になりつつある
《お知らせ》2014年 3月から、FMラジオつくば(84.2mhz)の保守系音楽番組「KG Project 」(TUE/22-23) にレギュラーの形で、藤井厳喜が出演する事になりました。サイマル放送を通じて茨城以外の全国(海外もOK)の方にも聴いて頂けます。
2015年に入ってからの放送内容は、相方のケニーさんのアイクラウドにUPして頂いております。
https://www.mixcloud.com/kennysuzuki18/
ラヂオつくば番組表⇒ http://radio-tsukuba.net/modules/tinyd2/
サイマル放送(ラヂオつくばを選択)⇒ http://www.simulradio.jp/#kantou
これまでの「Kenny's Project」の全放送内容はニコニコ動画で御覧頂けます。以下のURLで一覧を御覧頂けます。
http://www.nicovideo.jp/mylist/44409864
サイマル放送/APP:TuneIn Radio を通せば、茨城以外の世界中でインターネットを通じて聴取可能となります。(※ 22時からの同時間帯にインターネット上で同内容のものを配信するシステム)
詳しくは、ラヂオつくばのHPからアクセスください。
★ 【 Cambridge Forcust Group of Japan.Co 藤井厳喜チャンネル】
←ご登録を♪連続講義シリーズ等、配信中!
最近の一般誌への寄稿記事や、取材インタビューについては、「藤井厳喜パブリシティ」ページ
( http://www.gemki-fujii.com/publicity/ )をご参照ください。
《藤井厳喜のお勧め本》
《藤井厳喜のお勧め食品類》
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既に、予告の通り、2010年の秋から、「現代国語講座」を開講します。
藤井厳喜アカデミーの「国民の為の政治学」に次ぐ、第2弾です。
何故、「政治学」の次に「現代国語」について取り上げようとしたのか、等々を、藤井厳喜アカデミーの第2弾のガイダンスとして、話させて頂きました。
【藤井厳喜アカデミー・第2弾】 国民の為の現代国語講座
ガイダンス: 「なぜ、現代国語講座なのか?―国語力は学習能力の土台」
(講師:藤井厳喜・国際政治学者)
社会生活の最も基礎的な能力である現代国語の能力を増進させようというのが、この講座の目的です。
学生は勿論、ビジネスマンにも、リタイアした人々にも、男女の性別も問わず、役立つ講座となるはずです。
学校では、まともな現代国語教育が行なわれているようには思えません。
国語の授業と言えば、漢字の学習や、主観的な感想文を書かされる事などに費やされていて、最も大事なポイントが欠けているように思います。
それは、「言葉は論理である」という事です。
文章はどのように構成されているのか、その文章がどのように組み合わさって、1つのメッセージを伝えているのか、という点について詳しく誰にでも分かるように解説してゆきたいと思います。
文章の構造を学べば、分かりやすい文章を書くことが可能になります。
先ず、正確に読む事。
それは、論理的にものを考える事にもなります。
それをシッカリ勉強してゆきたいと思います。
【ご連絡; しばらくの間、日本を離れます】
8月28日から、9月中旬まで、アメリカからメキシコをまわってきます。
しばらくの間、移動が多い為、連絡が取りにくい事があるかと思いますが、宜しくご理解願います。
仕事を抱えながらの移動となる為、今回はブログ等の更新も、頻度が著しく落ちてしまうと思いますが、御容赦ください。
今回、ハード・スケジュールの為、どれだけ旅先からの発信ができるか分かりませんが、可能ならばしてみたいとも思っております。
この帰国後、藤井厳喜アカデミー等の新規講座の開設、新たな情報発信などを発表してゆきたいと考えております。
※ 藤井厳喜へのメッセージ、講演や仕事等の依頼も、以下アドレスまでお願いいたします。
ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ事務局e-mail : info.cfg.future@gmail.com
★ 【 Cambridge Forcust Group of Japan.Co 藤井厳喜チャンネル】
http://www.youtube.com/user/zingrace1213 (登録自由)
この「永久国債の研究」は松田学さんとの共著です。
【緊急講演会&OFF会御知らせ】5月25日5時から名古屋OFF会、5月27日は札幌にて口蹄疫に関する緊急講演会開催となります!(詳細は本ブログ、後半部分・イベント告知コーナーをご覧ください)
★ MPJ - 『藤井厳喜の連載コラム』掲載中!
★ 『鳩撃ち猟』は不備確認の作業が再送の為、5月24日着まで、追加を受け付ける事に致しました。
※ 5月27日に第一回目の札幌地検行きが決定しました。
時間・手続きの詳細等については現在、地検窓口と調整中です。
尚、先に提出の為の面談調整や、手続きのプロセスが必要になるとの事で、27日に地検に行き、もう一度、全部の書類を提出しに札幌地検に行く事になりそうです。
24日着までの「受付条件を満たした書類(判子忘れや記入漏れで返却し、再提出の着が間に合わなかった分につきましては第一回提出分から外させて頂いております。)」についての受付名簿を作成させて頂き、その書類を先に申請しに伺う事になりそうです。(引き続き、決定事項があり次第、報告させて頂きます。)
(追加分の不備につきましては、第一弾提出に間に合わなくなる恐れがある為、くれぐれも《判子&「割り印」の押し忘れ》、《両面印刷不可》、切手の料金不足エラーには、お気をつけて、参加下さい。
※ 鳩撃ち猟まとめ @ Wiki http://www26.atwiki.jp/hatouchi/
(↑ 此方への問合せや情報共有の方が、有志の御協力者様が多い為、早い状況です。)
【作戦名『鳩撃ち猟』続報2 猟師募集と実行手順について・応募署名PDF付】
【★お願い! DLした用紙は、両面印刷では法律文書として不可扱いとなってしまいます。 必ず、一枚一枚の印刷を宜しくお願い致します。】
※ 鳩撃ち告発状 DLページ
http://sites.google.com/site/kokuhatsuhatouti/
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私が今日・どこで何に参加しているか?今、何を考えているか?、ご興味の方は是非、御気軽にご参加「フォロー」ください。)
しばらくの間、休講をしてしまいましたが、藤井厳喜アカデミー「国民の為の政治学」第11講の再開となります。
【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
※ 随時、12回の正規講義に加え、適宜、必要に応じ、より詳しい補足講義でフォローアップする事もあります。
※ 「今回、はじめて藤井厳喜アカデミーを知りました! 最初(ガイダンスも含む)から勉強したいです」という方は、このブログの『カテゴリー: 「藤井厳喜アカデミー」』をソートして頂ければ、最初から整理された一覧状態で学んで頂く事が容易だと思います。
全く、この講座を御存じない方に、ご紹介して頂く場合は、このアドレスを【藤井厳喜アカデミー・ブログ http://www.gemki-fujii.com/blog/cat67/ 】ご紹介頂けますと、分かりやすいかと思います。
「国民の為の政治学」全体のカリキュラムは以下に示す通りです。
【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
今回のテーマは、「中央集権と地方分権」と言う、ある意味ではタイムリーなテーマです。
2010年の春、平成22年の春、日本ではいくつかの新党が生まれましたが、与野党問わず、「地域主権的道州制論」なる怪しげな主張が幅を利かせています。
この議論が如何にナンセンスなものであるかは、今回の講義を受講してもらえれば、平均的な中学生も十分に納得する事でしょう。
国家をバラバラに解体する思想と政策をもてはやすという事自体が、極めて異常であり、病理的ですらあります。
分断された国家は、容易に外敵によって侵略され、あるいは併呑されてしまう。
地域主権論を唱える政治家達の内実が、実は、売国奴であったとしたら、どうでしょう?
一部の人々は、単に情報操作され、善意からこの地域主権論を主張しているのかもしれません。
しかし、他の一群の人々は、明らかに意図的に確信的に、日本国を解体する為に地域主権論を主張し、これを現実に実行しようとしています。
多くの国民はまだこの事に気がついていません。
一人でも多くの国民に早く、この事実に目覚めて欲しいと思います。
その為には、一人でも多くの人々にこの第11講を見て頂きたいと強く強く、望んでいます。
1/7 【国民の為の政治学】第11講 地方分権と中央集権の関係[H22/522]
現在、日本で流行している「地域主権的道州制論」は、主権国家を解体する誤まった主張である。
誤まったという事には2つの意味がある。
第一は、それが国益を損なうという事である。
第二は、そもそも主権というものは、分割できない国家の権力を指しているのであり、「地域主権」という言葉自体が論理的矛盾である。
「地域主権的道州制論」は、要は、日本国を解体する思想であり、一見、新しいファッションは身にまとってはいるが、本質的には反日左翼的な日本解体論の1バリエーションに過ぎない。
少なくともこの制度の導入によって、日本国の一体性が損なわれ、国益が大きく傷つく事は、確かである。
この第1セクションでは、「主権」という言葉の英語の定義に逆のぼって解説を始めている。
また、近代において、主権と言う概念を生みだしたフランスのボダン(Jean Bodin)の理論についても言及している。
(Jean Bodin、1530年 - 1596年)
何故、国家の権力を不可分なものと定義付け、これを主権と呼んだのか?
ボダンが置かれた歴史状況と政治状況から、主権概念の誕生の真実を明らかにした。
2/7 【国民の為の政治学】第11講 地方分権と中央集権の関係[H22/522]
「主権」という概念は、近代国家の誕生と共に生まれた。
この初めに生まれた近代国家はヨーロッパにおいては、絶対主義王制という形をとった。
何故、絶対主義と言うかと言えば、それ以前の国家の形態が、「封建領主による連合」に過ぎなかったからである。
国家内に複数の権力が存在していた封建制を廃止し、権力を一元化する事によって、絶対主義王制は生まれ、これが即ち、近代国家の誕生となったのである。
封建主義との決別を宣言する為に、近代国家の権威と権力の単一性が強調されたが、それを象徴する概念が「主権」だったのである。
ヨーロッパにおける主権概念誕生のプロセスをこの第2セクションでも、解説している。
それでは、アメリカのような連邦制・フェデレーションはどのように成立しているのであろうか?
アメリカでは、州をステイトと呼んでいる。このステイトには、元来、国家の意味もある。
アメリカが誕生した時、それは13の独立した州の連合体に過ぎなかった。
もともと独立していた国家が連合して、新しい中央政府の主権を設立するところに、連邦政府が生まれ、アメリカ合衆国が成立したのである。
合衆国はこの意味からすれば、「合州国」と書くべきであろう。
ところが、アメリカにおいては、地域主権論や、州主権論などという、馬鹿な考えを言いだす人は一人もいない。
何故なら、独立していた州が、主体的に中央政府を構成する事によって、新しい国家主権を生みだした、というプロセスをアメリカ人誰もが知っているからである。
それ故に、アメリカ合衆国においては、強い州、強い州自治体と、強い連邦政府が併存して矛盾なく存在している。
3/7 【国民の為の政治学】第11講 地方分権と中央集権の関係[H22/522]
「地域主権的道州制」論は、形をかえた反天皇制革命論であり、共和制革命論でもある。
この議論によって想定されているそれぞれの道や州は、疑似共和制国家であり、それらの連合としてしか存在し得ない日本国においては、天皇と国民の間は、これらの疑似的共和制国家によって、分断される事になる。
つまり、天皇の下に日本国民が一つの国家を形成しているという日本国の形(国体)は決定的に失われる事になるのである。
ある人々は、地域主権的道州制という言葉を、主権という言葉の定義を忘れて用いている。
これは主権と言う概念の誤用である。
これに対して、他のより狡猾な一群の人々は、地域主権的道州制というアイデアを、確信犯的に用いて、日本の国の形を解体しようとしている。
いずれにせよ、私は地域主権的道州制論を唱える政治家を全く信用する事は出来ない。
4/7 【国民の為の政治学】第11講 地方分権と中央集権の関係[H22/522]
アメリカ独立革命ののちに、アメリカ人がどのように合衆国の連邦体制を生みだして行ったかを、探求する事によって、地方分権と中央集権の意義を新たな角度からとらえ直してみたい。
独立直後のアメリカでは、中央政府は必要ない、という考え方も極めて強力であった。
強い中央政府(連邦政府)が存在すれば、いつそれが国民を弾圧する強圧的な政府にならないとも限らない。
それ故に、中央政府を創らずに、13の州が緩やかに連携してゆくだけでよい、という意見にもかなりの説得力があった。
この時、強い連邦政府、即ち中央政府を作るべきである、と主張したのが通称・フェデラリストと呼ばれる人々である。
彼らはニューヨーク市の新聞に、強い連邦政府を作る必要を説いた論文を連載し、世論を大きく喚起した。
彼らの執筆した政治論文は、全体として「The Federalist Papers」と呼ばれ、アメリカ政治学の古典となっている。
5/7 【国民の為の政治学】第11講 地方分権と中央集権の関係[H22/522]
「フェデレーション(連邦制)」とはどのようなシステムであろうか?
再び、ODEの定義からこの事を、根本的に考えてみたい。
「フェデレーション」とは、元来、独立した政治的実体が、合意の下に新しい中央政府を生みだす事である。
フェデレーションより、緩い概念に「コンフェデレーション」がある。
アメリカの歴史では、このコンフェデレーションという言葉が2回登場する。
初めは、独立後、アメリカ連邦政府が形成されるまでの間、アメリカの国の形はコンフェデレーションと呼ばれた。
2回目は南北戦争の時、11の南部諸州をこの名で呼んだのである。
6/7 【国民の為の政治学】第11講 地方分権と中央集権の関係[H22/522]
地域主権なるおぞましい概念が、成立し得ない事は既に十分に立証した。
しかし、地方分権という考え方は、正統な概念である。
では、中央集権制と地方分権性のどちらがより優れた政治体制なのであろうか?
これには、一定の答えは無い。全ては状況次第である。
江戸時代の日本は、封建制度という極めて地方分権的な制度であった。
これを改革して、明治時代には、中央集権的な近代国家を形作った。
大東亜戦争の敗北後も、この中央集権優位の体制は長く継続して来た。
それゆえ、20年ほど前から、日本をもっと地方分権的に改革しようという声が湧きあがってきた。
その為、現在では地方分権が中央集権より優れた制度であると考えられがちである。
しかし、現在の日本人は、中央集権制の長所を見過ごして、その短所ばかりを強調しているきらいがある。
中央集権にも良いところは山ほどある。
全国一律の行政サービスを国民に供給する事が出来るのは、中央集権制の最大の長所である。
これに対して、地方分権制では、自治体の財政的独立を認めてしまうと、自治体間に極度な貧富の差が生じてしまう。
貧しい自治体はいつまでも貧しく、豊かな自治体は益々豊かになる、というような状況になってしまう。
日本人はそれで良いのだろうか?
さて、近代国家における、主権という言葉の意味を、中世ヨーロッパで起きた事件を実例として、より深く考察してみよう。
1077年、神聖ローマ帝国(ドイツ)の皇帝が、ローマ法王に屈辱を受け、全面的に謝罪するという事件が起きている。
これを通称「カノッサの屈辱」という。
つまり、一国の王様よりも、上位の宗教的権威が存在したのが、封建時代という時代であった。
日本でも政治的権威とは、全く独立した宗教的権威が、一種、独立国のように存在していたのが、封建時代であった。
日本においては、このような封建制、つまり分権制を廃止し、強い中央集権国家をつくろうとしたのが、織田信長であった。
信長は単に他の封建諸侯と戦ったばかりではなく、本願寺や一向一揆といった、宗教勢力とも闘い、宗教団体が1国家内において治外法権的な権力をもつ事を禁止しようとしたのである。
信長こそは、明治維新の先駆者であった。
7/7 【国民の為の政治学】第11講 地方分権と中央集権の関係[H22/522]
このセクションが、第11講のまとめである。
「主権」と言うのは、国家を支配する至高の権威と定義づけられている。
という事は、主権の上位に存在する権威は存在しないという事になる。
これは、国家相互の間にも当てはまる関係である。
つまり、主権国家同士はお互いに平等の存在なのであって、主権国家を上位から統治する権威は存在しえないのである。
国家同士は、原理的に平等の存在として戦争をし、和平を講ずる資格がある。
つまり、戦争もまた国家に与えられた機能の1つなのである。
国家同士は平等であるがゆえに、戦争の善悪を論ずる事は原則的に出来ないのである。
各国家にとっては、国益の伸長こそが善である。
A国にとっては善である事が、敵対国のB国にとっては即ち、悪である。
それ故に、国際政治においては、絶対的な善悪は存在しないと考えるのが常識になっている。
以上のように主権概念からは、論理的に、国際政治の価値相対主義が導き出されてくる。
このような国際政治の現実においては、国家間には絶対的平和という事はあり得ず、総体的な秩序の安定こそがかろうじて望ましい目標となる。
この総体的な安定秩序をもたらす唯一の方法は、勢力均衡(バランス・オブ・パワー)である。
力という現実の総体的な均衡によってのみ、安定的な国際秩序は維持される事が出来るのである。
これもまた、「主権は至高の権威である」というテーゼから論理的にかつ必然的に導き出されてくる結論である。
日本においては、現在の国家体制が、国民主権なのか、天皇主権なのか、という議論が存在する。
結論から言えば、日本は伝統的に、天皇主権であり、かつ国民主権なのである。
今日の民主国家体制においては、この事は一層、明白である。
つまり、天皇主権なのか、国民主権なのかという2者択一の問いは全く意味をなさないのである。
天皇主権といっても、その天皇とは、歴史的に形成されて来た日本民族全体の象徴である。
天皇の主権は、歴史的有機体としての国民全体に帰属する主権でもある。
国民主権と言っても、その国民の歴史的統合の象徴が天皇である。
国民の主権を、国民の象徴として、またその代表者として保持する存在が天皇である。
天皇とは、歴史的に形成されて来た有機体としての日本国民全体の統合の象徴であるのだから、日本においては、「天皇主権」とは即ち「国民主権」の事なのである。
【イベントの御知らせ〈1〉名古屋での藤井厳喜OFF会】
〈1〉 5月25日名古屋での藤井厳喜OFF会
(※両方とも飛び込みOKです)
【1部】 25日、名古屋での仕事終了後17時頃から19時前まで、名古屋駅JRセントラルタワー13Fのスターバックス等あるテラス席に私、藤井が御茶しております。
オープンスペースなので一見さん歓迎!お気軽にお立ち寄り、お声掛けください!
【2部】
19時から21時は駅近くのカラオケ店で飲み放題軽食付プラン。
ビッグエコー名古屋太閤通口店の個室を借りてのOFF会です。
(※お子様連れの方も参加しやすい為、個室に致しました。カラオケ大会ではございません。)
料金は3千円(お子様は別途対応)。
申込みお問い合わせ等の連絡先は info.cfg.future@gmail.com か、なるべく、twitterで御知らせ下さい。(人数把握をしたい為です)
1部の御茶会、テラス席はフードコートのようなフリースペースなので、近くに立ち寄れそうな方は、ドンドン飛び込みOKで御気軽に声をかけてください。(ただしいつも混み合っている場所なので、その点だけご承知置きください。)
テラス席のところにはスタバ、スープストックトーキョー、ヴィドフランスがありますhttp://www.towersdining.com/#13F
あくまで気軽に交流をするのが目的です。
2部のカラオケ店は通常の小皿料理を2人で1品注文となりますので、事前に小腹に入れておくことをオススメします。
途中参加、一部どちらかの参加、両方ともOKです。
既に、ご家族での参加やお子様連れでの参加希望も頂いております。
愛知エリアの方々に、この機会に是非、御逢いさせて頂きたいと思います。
御気軽に、ご友人を誘い、参加して頂けます事、願っております。
【イベント第二弾・北海道篇 ― 札幌市内中心部で口蹄疫についての緊急講演!】
5月27日、午後4時から急遽、口蹄疫に関する件で、講演をさせて頂く事になりました。
緊急開催の為、会場等、詳細は、後ほど発表させて頂く事となります。
この問題は、特に畜産業・食品系産業の方には、1人でも多くの方に知って頂きたいと思っております。
1人でも多くの方に情報を伝える事が目的ですので、今回は、無料で緊急開催をさせて頂く事になりました。
北海道エリアで参加可能な方がいらっしゃいましたら、日時と企画趣旨について、是非、お知らせください。
急遽、突然ではありますが、札幌市内中心部での開催を検討し、会場予約にあたっています。
【皆様へお願い】
我々、日本国民が出来る宮崎県民への最大の励ましの手段の1つは、宮崎県産の農産物・畜産物をとにかく少しでも多く食べる事です。
牛肉・トリ肉・豚肉は勿論、果物や野菜も、今は出来るだけ、宮崎産のものを買おうではありませんか。
私も出来るだけ、心がけて、宮崎県産の食料を食べるようにしています。
これが、一般消費者が出来る、ささやかな、しかし確実な応援だと思います。
Twitterやブログをやっている人は、宮崎県産の食料を食べる時に、是非、その様子を大きな声で好評して宣伝して下さい!
その事が宮崎県の農家を大きく励ます事になります。
彼らの絶望感を救う事が出来ます。
民主党政権は頼りなくても、日本国中にこれだけ多くの関心を持ち、宮崎を助けたいと思っている事が具体的に伝わります。
その気持ちの動き、宮崎を救いたいという気持ちの伝達が、何よりも宮崎県の農民に大きな勇気を与える事が出来ます。
私は焼酎党ですが、今はもっぱら呑む機会があれば宮崎県産の芋焼酎を愛飲するよう心がけています。
※ 私への御連絡については、以下のアドレスにご連絡を頂ければ、チェックが遅れる事もございますが、必ず情報は全て拝読しておりますので、宜しくお願い申し上げます。
(いつも色々なご意見や応援を有難うございます。メールの量が連日、倍々増状態となり、更に外での活動が増え続けている為、全てのメールに個別返信が厳しい場合があります。しかし、色々なご感想を受け止め、大変参考にさせて頂いております。状況、ご理解頂ければと願います。← それでも全て拝読は必ずさせて頂いております。)
藤井厳喜へのメッセージ、講演や仕事等の依頼も、以下アドレスまでお願いいたします。
ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ事務局e-mail : info.cfg.future@gmail.com
★ 【 Cambridge Forcust Group of Japan.Co 藤井厳喜チャンネル】
http://www.youtube.com/user/zingrace1213 (登録自由)
荒らし防止の為にも、映像をご覧になった後の、「★印での評価のご協力」を願えますと助かります。
★ 【ニコニコ動画「藤井げんきチャンネル」誕生!】
5月27日北海道での口蹄疫に関する緊急講演の会場からの放送を第一弾の中継にしたい考えです。是非、御覧ください!
アイコンは、 ← 此方が目印!
此方のチャンネルでは、私が気が向いた時に、皆さんに直接、話させて頂くような生放送チャンネルになる予定です。
鳩猟、解禁!! 猟師さん&「鳩撃ち」広報部隊さんも募集中!
※ 現在、既に本日の午前中の時点で、DL数・4700件を超えました。 拡散ご協力、有難うございます。
【作戦名『鳩撃ち猟』続報2 猟師募集と実行手順について・応募署名PDF付】
※ 鳩撃ち告発状 DLページ(より、サーバ・ダウンがしにくい対策を行いました)
http://sites.google.com/site/kokuhatsuhatouti/
【鳩撃ち用猟告発状PDFファイルのミラー(DL用)+プリントアウト出来ない方対策】
※ 早速、大反響の為、1つのサーバにアクセス集中によるダウンの問合せが殺到いたしました。
以下、別サーバ保管のミラー版(※内容は全く一緒です)を貼らして頂きますので、メイン・サーバの回線エラー発生の折には、以下もお試し下さいませ。
ミラー保管庫 http://www1.axfc.net/uploader/Li/so/63871.pdf
【プリントアウトが自宅で出来ない方や、サーバ・アクセス集中でDL出来ない場合用】
※ コンビニのセブンイレブン(7-11)のネットプリント・サービスというものがあるようです。
7-11で、この予約番号を入力すると、有料ですが、告発状が、外出先からも印刷し入手できます。
予約番号 → 「 D25FAA8M 」
(※なお、プリントアウト時に、カラーか白黒を選択できます。)
( ↑ ※ ↑ 早朝からのサーバ・アクセス集中エラーがあまりに多い為、有志の方が、早速作ってくださいました。有難うございます。)
【藤井厳喜Twitterサイト】 連日、《575で》呟き中!! 時事川柳・狂歌等。
https://twitter.com/GemkiFujii
(↑↑ 日夜、Twitterならではの活動のリアルタイム実況中継や裏話w等もしています。
私が今日・どこで何に参加しているか?今、何を考えているか?、ご興味の方は是非、御気軽にご参加「フォロー」ください。)
本日、公開の政治学講座は第10回目で、テーマは「政治家論」となっています。
※ 今回の講義では、危機管理論の教科書として執筆しました拙著『危機の指導者―検証・同時テロと大統領のリーダーシップ
』をもとに話しております。
但し、今回の講義では、普通、考えられるような政治的指導者に関する評伝的な論評(西郷さんは偉かった等々…)は、敢えて避けています。
第一に、政治家に、つまりリーダーに必要な資質とはどのようなものか、を論じています。
つまり、リーダーシップ論です。
第二に、リーダーシップの本質が、最も明らかになる「危機」における決断を取り上げます。
別の言い方をすれば、危機管理論でもあります。
第三に、新しい政治家をどのように育成していったらよいのか、について考えます。
これを英語では、「エリート・リクルートメント」と呼んでいます。
デモクラシー(民主国家)においては、世襲的な指導層が存在しません。
それ故に、なおさら、リーダーをどのように選抜し、育成するかは極めて重要な民主国家の課題です。
日本では、デモクラシーという言葉がリーダーシップを否定するように使われていますが、これは全くの誤りです。
民主国家もまた、国家である以上、指導する者(Leader)と指導される者(Follower)に分かれます。
世襲的な指導層がいない以上、如何に指導者を育て、これを教育するかは、国家の命運のかかった課題となります。
アメリカは民主社会で、誰もが平等なスタートラインに立つ事を建前としています。
それ故に、激しい競争が行われ、リーダー教育・エリート教育にも極めて熱心なのです。
「民主社会であるにも関わらず、エリート教育をする」のではなく、「民主社会であるが故に、エリート教育に力を入れる」のです。
日本においては、全く看過されている重要点であると思います。
最後に、「言論の自由」についても、私の俗論とは全く異なる見解を論じています。
では、以下の講義をご覧ください。
1/7 【国民の為の政治学】第10講政治家論:リーダーシップ論 [H22/4/16]
第10講目のテーマは、「政治家論」ですが、内容としては、リーダーシップ論と危機管理論の2つのテーマからこれを講義します。
個々の政治家に対する評価や、伝記的評論は、今回の講義からは敢えて、外しました。
最初のチャプターでは、政治家に必要な資質を検証しています。
政治家に最も必要な3つの条件は、1先見力、2決断力、3説得力の3つです。
「先見力」とは先ず、未来を予測する能力の事です。
「決断力」とは、国家が重要な岐点に差し掛かった時に、正しい方向を選びとる能力です。
「説得力」とは、その決断の内容を、国民の多くに知らせ、1つの方向にまとめる能力です。
先見力だけならば、それは学者の領域と言えます。
欧米においては、政治家の先見力を補う為に、公共政策の為の多くのシンクタンクが存在します。
日本においては、民間のシンクタンクが非常に脆弱な事が憂慮されます。
政治家に必要な資質を日本風に言い換えれば、政治家には2種類の人間が必要であり、それは「器量人」と「知恵者」であると言える事も出来ます。
「知恵者」とは、先見性があり、正しい判断を準備出来る者の事です。
それはまた、死んだ知識を大量に持っている知識人ではなく、常に事態を打開する生きた智恵を出せる人間の事でもあります。
器量人とは、大きな度量を持ち、知恵者を使って仕事をする指導者の事です。
正しい判断をし、それを多くの人々に説得する力を持った人間と言っても良いでしょう。
2/7 【国民の為の政治学】第10講 政治家論:危機管理論[H22/4/16]
政治と政治家の本質は、危機における対応によって、最も明らかとなる。
それ故に、政治家論において、敢えて「危機管理論」を取り上げる事にした。
危機の本質を明らかにするには、先ず、危機(Crisis)と危険(Risk)が異なったものである事を認識する必要がある。
危機とは、前例のない事態であり、危険とは、前例のある事態である。
危険(Risk)は前例がある出来事であるから、これに工学的・機械的に対応し、危険を管理する事が出来る。
これに必要な知識をイギリスの政治哲学者マイケル・オークショットに従って、「技術知」と名付けておこう。
これに対して、真の危機とは、前例のない非常事態であり、それ故に危機に対する対応は、マニュアル化する事が不可能である。
優れたリーダーの深い叡智によってのみ危機への対応は可能となる。
この叡智を、マイケル・オークショットは、「実践智」と呼んでいる。
リスク管理は、行政の行う事であり、本質的に言うならば、危機への対応こそ、政治の専有する分野である。
危機における決断こそ、一国の存亡を賭けた、政治の本質である。
しかし、危機に対処する為に必要な事は、実は事前の調査・準備を行う事により、潜在的な危機を管理できるリスクへと転換させる事なのである。
3/7 【国民の為の政治学】第10講 政治家論:危機管理論[H22/4/16]
【危機の三要素】とは何か?
それは、1. 死活的利益を犯す事件である事。
2.いつ起きるか分からない事件である事。
3.対処法が分からない事件である事。
以上の3つである。
つまり原理的に、危機を管理する事は出来ない事になる。
危機とはまさに、予知不可能な事態の事なのである。
3つの内の、どれか1つでも欠いていれば、それは真の危機ではない。
例えば、心臓病の持病を持つ人がいつ心不全に陥るか分からない不安を持っていたとしよう。
起きれば本人の生死にかかわるし、いつ起きるか分からない訳であるから、危機のはじめの2つの要素は満たしている状態である。
しかし、心不全に有効な薬を常時、携帯しているならば、その対処法が明らかなのだから、第3の条件は欠いている事になる。
であるからこの状態は真の危機とは、呼べない訳である。
また、首都圏を大地震が襲う危険があっても、もし地震予測の技術が進み、いつ地震が起きるかを数時間前に予測する事が出来るならば、それは危機とはならない。
国家の死活的利益に関わり、大地震に完璧に対処する術は存在しないが、いつ起きるかが分かっていれば、極めて有効に対応する事が出来る訳である。
数時間前に大地震の発生が予測できるならば、交通機関は全て停止させ、危険な地域から人を批難させ、火の用心を徹底させれば、地震に伴う火災の発生も防ぐ事が出来る。
いつ起きるかの予測が可能ならば、どんなに大きな災害も真の危機とはならなくて済む訳である。
4/7 【国民の為の政治学】第10講 政治家論:危機管理論[H22/4/16]
民主社会が順調に機能する為には、中間レベルにおけるリーダーシップ、つまりミドル・リーダーシップが重要である。
民主国家は、1人の優れた大統領や首相が存在しても、それだけでは巧く機能する訳ではない。
様々な制度や組織に支えられた政治社会の中間レベルにおけるリーダーシップが機能して初めて、国民一般の意見が吸い上げられ、TOPリーダーの意志が国民各層によく理解され、指導者と被指導者が中間リーダーシップを媒介として、それぞれの役割を果たす事が出来る。
中間リーダーシップにおいては、マスコミ・政党・自治体、更に企業・経済団体・労働組合等の組織が有効な役割を果たす事が期待されている。
つまり、一般国民の政治参加への欲求や利害の要求を巧く吸収し、これを国のTOPリーダーシップに媒介する働きを、これらの制度・機関が果たす事によって、民主政治は順調に機能するのである。
伝統的な社会においては、国の為政者の意志は、上意下達によって国民大衆に伝えられる。
中間リーダーシップは必要がない。
また、伝統社会が崩れ、民主的な中間リーダーシップが成立していない変革期の社会(大衆社会:多くの発展途上国で見られる)においては、中間リーダシップを支える制度・組織が発達していない。
それ故に、指導者と一般大衆が直接ぶつかり合う事態になってしまう。
一般大衆は、指導層に暴力的な反抗をし、指導層は一般大衆を扇動したり、鎮圧したりするという、行動パターンを取る。
この場合、国民大衆の政治への参加意欲を媒介する制度・組織が脆弱な為に、政治の運営が極めて不安定になってしまう。
5/7 【国民の為の政治学】第10講 政治家論:危機管理論 [H22/4/16]
リーダーシップ論の延長として、「制度化と参加」というパラダイムから、過渡期の政治秩序の在り様を考えてみたい。
これは、多くの発展途上国において生じる政治的不安定の原因を考えることにもなる。
従来の政治学では、参加(Participation)というのは、常に肯定的な要素とみなされてきた。
これに反論したのが、アメリカの政治学者サミュエル・ハンチントンであった。
彼は、制度化(Institutionalization)と制度を対概念で用いる事により、制度化のレベルを超えた過度な参加は、政治社会を不安定に陥れると主張した。
発展途上国においては、伝統的な社会の制度が崩れる一方、流動化した大衆が無秩序に参加を求め、参加の量が制度化の水準を大きく上回ってしまう場合が多い。
この場合、政治秩序は著しく不安定となり、その不安定さのゆえに、経済発展も妨げられる場合が多い。
ハンチントンの理論は、ある意味で、開発独裁を合理化する理論であった。
ハンチントンの理論で欠落しているのは、国家の二元性という視点である。
国家は単に、制度であるばかりでなく、その制度を支える徳(価値観)の共同体でもなければならない。
ハンチントンはこの「徳の共同体」即ち、精神共同体としての国家を完全に無視している。
参加そのものの量が問題なのではない。
「徳の共同体」がある限り、その基礎の上における参加は必ず、秩序と制度化を指向するものである。
「徳の共同体」を失った、やみくもな参加への衝動が、政治秩序を破壊するのである。
それ故に、単に上意下達的な制度化のレベルを上げる事によっては、参加の問題を解決する事は出来ない。
常に「徳の共同体」としての国家を建設する努力を伴った制度化が行われてこそ、参加を排除しない安定した秩序が構築されるのである。
6/7 【国民の為の政治学】第10講 政治家論:危機管理論[H22/4/16]
日本においては、優れた政治家を育成する社会のシステムが全く完備していない。
ここに日本政治の大きな問題点がある。
能力のある人材がいない訳ではない。
しかし、これらの人材を政治家として選抜し、育成する仕組みが存在しないのである。
明治以来、そして戦後社会においても、国会議員となる人材の供給源は、大きく分けて2つあった。
それは官僚と地方政治家である。
中央官庁のエリート達が政治家に転ずるパターンは明治時代から存在した。
第二次大戦後においては、大量の政治家が占領軍により追放された為、吉田茂首相は、多くの若手官僚を政治家に転向させ、これを時代のリーダーとして育成した。
官僚と並んで国会議員の1つの大きな供給源となってきたのが地方政治家である。
これは所謂、自民党内における「党人派」の人脈を形成してきた。
これと並んで、近年注目されるのが、これ以外の第三の人材の供給源である。
テレビ・タレントやスポーツ選手等、マスコミでの知名度のある人間が政治家に転身する場合が今日しばしば見受けられる。
また、日本においては、世襲的な名望家支配の伝統も未だに保たれている。
鳩山家や吉田家(麻生太郎)、細川家、安倍家、等の名門出身の政治家は、国会議員になるハードルも低く、また出世の階段も一般の政治家よりは速く駆け上がる事が出来る。
総じて言える事は、政治家としてのリーダーシップのある人間をリクルートし、これを教育、育成するルートが日本においては極めて貧弱であるという点である。
単に権力欲の旺盛なあまり優秀でない、そして使命感もない多くの政治家が存在するのはこの為である。
7/7 【国民の為の政治学】第10講 政治家論:暗殺とデモクラシー?[H22/4/16]
民主国家においては、言論の自由は極めて重要なものである。
しかし、その言論の自由とは、実は政敵を暗殺しかねないほどの情熱と使命感によって支えられているものなのである。
そこに言論の自由のアイロニーが存在する。
国家の重大政策において意見が異なれば、政敵を暗殺することこそが正しいという判断も愛国心の表現の1つである。
しかし、真に国を憂うるものが、その信念を貫くあまり、お互いに殺し合いをしていたのでは、逆に国益の為にはならない。
自らの命をも賭して、国益の為に尽力しようとする者同士が、命を無駄にしない為に、一発の銃弾を一票に変えることによって近代のデモクラシーは成立してきたのである。
英語では、これを「Bullet(弾丸)からBollot(投票)へ」と表現している。
言論の自由の根底には、お互いの命をやり取りしてまでも自らの主張を貫こうという政治的意思が存在するのである。
ここである1人の人間が「私はBallotを放棄するのでBulletを取り戻す」と宣言し、社会契約から外れるとすれば、彼の行動にはそれなりの正統性があると言わざるを得ないであろう。
アメリカのような契約精神に基づく民主国家においては、原理的に政治家の暗殺を否定する事が難しいのである。
ここにアメリカの悲劇も存在する。
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国民の為の政治学講座、第9講・補講を、本日のブログとしてUPさせて頂きます。
第9講のテーマは「政治と文化と宗教の関係とは?」でした。
国家という共同体において、共通の宗教意識というものが、如何に重要な基盤となっているかを、この講義では強調しています。
宗教と国家が全く分離されている場合の方が、世界的には寧ろ例外的と言えます。
補講では、この事を示す、好例として、この講座のはじめの方で取り上げた、リンカーンのゲティスバーグの演説と、古代アテネのペリクレスの演説に言及しています。
【国民の為の政治学】第9講補講・政治と文化と宗教の関係とは?[H22/4/15]
民主国家においても、共通の宗教意識が国家を支える基盤である事が多い。
この事を最もよく物語っているのは、民主政治を称賛した事で有名な二つの歴史的演説、即ちリンカーンによるゲティスバーグ演説と古代アテネのペリクレスによる演説が、共に国家の為に命を捧げた人々に対する、追悼と顕彰の場で語られた言葉であったという事実である。
民主国家の為に命を捧げた英霊の追悼と顕彰は、当然、国家に共通の宗教意識に基いて行われる。
この宗教意識こそが国家共同体の基礎となり、その基礎の上に、自らの死をも辞さぬ国民の、国家防衛への行動が存在する。
これら二つの歴史的名演説において、民主国家の場合においても、国民共通の宗教意識が、国家の防衛と永続の為に如何に重要な役割を果たしているかが如実に示されている。
フランスのように、国家と宗教意識が比較的明快に分離されている場合においても、国家への自己犠牲は、一種、宗教的な色合いを帯びてくる事になる。
個人の生命を越え、永続する国家への忠誠は、自己を超えた歴史的運命共同体への信仰に近いものであり、超越的な存在への服従という点において、これを宗教的と呼ぶ事は誤りではないであろう。
靖国神社に関する議論は、非常に大きなテーマなので、また回を改めて、講義したいと思います。
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【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
※ 随時、12回の正規講義に加え、適宜、必要に応じ、より詳しい補足講義でフォローアップする事もあります。
※ 「今回、はじめて藤井厳喜アカデミーを知りました! 最初(ガイダンスも含む)から勉強したいです」という方は、このブログの『カテゴリー: 「藤井厳喜アカデミー」』をソートして頂ければ、最初から整理された一覧状態で学んで頂く事が容易だと思います。
全く、この講座を御存じない方に、ご紹介して頂く場合は、このアドレスを【藤井厳喜アカデミー・ブログ http://www.gemki-fujii.com/blog/cat67/ 】ご紹介頂けますと、分かりやすいかと思います。
「国民の為の政治学」全体のカリキュラムは以下に示す通りです。
【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
国家が、国家として成立する為には、先ず何よりもその構成員である国民を結び付ける精神的な紐帯(じゅうたい)が必要である。
言い換えれば、精神共同体としての国家が成立していなければ、現実における法律制度としての国家は機能する事が出来ない。
しかし、精神共同体としての国家と、官僚制度としての国家は、永遠に一致する事がない矛盾した存在である。
精神共同体としての国家を「聖なる次元における国家」と呼ぶ事が出来る。
これに対して、官僚制度としての国家を「俗なる次元における国家」と呼ぶ事が出来る。
聖なる次元と俗なる次元の二つの次元の間における相互依存と相互対立の2つの側面から、我々の国家像を点検してみようと思う。
今回のテーマをよく理解すれば、国家と宗教の関係について、世界的な視野で考える事が出来るようになる。
国家と宗教が、完全に分離している場合は、世界においては寧ろ、例外的である。
聖なる次元、即ち、宗教を含む、精神的な次元の共同体なくして、現実における制度としての国家は成立しえないからである。
靖国神社問題や、政教分離問題の本質について、自分で考えられるようになる講義でもある。
世界の多くの民主国家においては、国家と宗教は分かちがたく結びついている。
デモクラシーを成立させる基盤である精神共同体。その精神共同体を支える重要な柱の1つが、国民に共通する宗教意識である。
イスラム教徒の多い国家の大部分は、イスラム教を国教(国家の宗教)と規定している。
近代的デモクラシーの体制を取るスウェーデン・デンマーク・ノルウェー、そしてイギリスもキリスト教を国教としている。
ドイツでは、国家が教会税の徴収を代行して行っている。
徴収された教会税は、国家の手を通してキリスト教会に分配される。
日本では信じられないような国家と宗教の結びつきである。
アメリカでは、キリスト教と国家の関係は「友好的分離(Friendly Separation)」と呼ばれている。
アメリカがキリスト教精神に基づいて建国された事は、自明の理であるが、キリスト教のある特定の宗派が国の政治を支配しない為に、「国家と教会の分離」が定められている。
しかしこれは敵対的な分離ではなく、「友好的な分離」と規定されているのである。
フランスやイタリアでは、国家(政治)と宗教の分離が最も厳しく定められている。
しかし、これは世界的には寧ろ、例外である。そして、フランスやイタリアにおいても、国民の大部分を占めるカトリック教徒の宗教意識が、国家共同体を形成する基盤となっている事実は否定する事が出来ない。
民主国家においては、多数決により政治が決定される。
それでは、多数決により敗北した少数者の側が、何故、自らの意思を屈してまで、多数者の決定に従うのであろうか。
それは、国家が運命共同体であり、多数決は、この運命共同体の意志を決定する方法に過ぎないからである。
運命共同体であるとは、国家が何よりもまず精神の共同体として、成立している事を意味する。
この精神共同体の成立においては、当然、国民の共通の文化が大きな役割を果たしている。
この文化の中において、有形・無形の宗教的意識が大きな役割を果たしている。
多くの民主国家においては、国民共通の宗教意識が、国家と言う精神共同体を支える大きな要素になっている。
国家には、2つの次元がある。
第一は、精神の次元における精神共同体としての国家である。
第二は、現実の次元における官僚機構としての国家である。
この二つは相互に依存して存在しているが、究極的には決して、完全に一致する事がない。
それはまた、二つの次元の異なった国家像という事も出来るであろう。
日本においては、精神共同体としての国家は、天皇を中心とする民族の共同体としての国家である。
これに対して、現実においては、官僚機構としての国家は、古代から封建時代、そして現代へと様々な形態を取って変化してきた。
しかし、この官僚機構としての国家も、その正統性の根源を天皇と言う精神共同体の権威から引き出している点においては、全く一貫している。
日本では、官僚機構としての国家を天皇の名のもとに変革する行為を維新と呼んでいる。
2つの次元における国家についての解説を続ける。
これを言い換えれば、「聖なる次元における国家」と「俗なる次元における国家」とも表現する事が出来る。
聖なる国家とは、徳の共同体としての国家であり、西洋の哲学者の名前を借りて言うならば、プラトン的国家と表現する事が出来るだろう。
俗なる次元における国家とは、制度化された暴力としての国家であり、西洋の哲学者の名前を借りていうならば、ホッブズ的国家と言う事が出来るだろう。
(後半の解説文は、後ほど、追加UP予定です。
追加させて頂きますので宜しくお願い致します。)
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本日も、朝からミーティングや会合等があり、その後、神奈川県のセンター北駅での広報活動でした。
朝から暴風の影響で、NETの調子に影響が出たり、近くの電車のダイヤルが相当、乱れたようでしたが、皆さんは大丈夫だったでしょうか?
さて、本日のテーマは、「革命は何故、どのように起きるのだろうか?」です。
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※ 随時、12回の正規講義に加え、適宜、必要に応じ、より詳しい補足講義でフォローアップする事もあります。
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全く、この講座を御存じない方に、ご紹介して頂く場合は、このアドレスを【藤井厳喜アカデミー・ブログ http://www.gemki-fujii.com/blog/cat67/ 】ご紹介頂けますと、分かりやすいかと思います。
「国民の為の政治学」全体のカリキュラムは以下に示す通りです。
【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
今回は、革命という政治学の最もダイナミックなテーマを取り扱います。
通常、政治学の対象は、安定した国家内における政治現象ですが、革命というテーマを政治学が避けて通る事は出来ません。
革命に共通した現象は、既存の政治権力がその正統性を完全に失う事です。
正統性の喪失が先にあり、それが暴力行為を誘発すると考えられます。
しかし、革命が収束する時期においては、一度、失われた正統性は、必ずまた別の形で樹立されなければなりません。
そうでなければ国家は無政府状態のままに放置される事になるからです。
今回は、特に、マルクス主義的革命理論の不毛と日本的革命の論理という事について力をついてお話していますので、そこをよく学習して頂けると面白いと思います。
今回の授業をよく咀嚼してもらえれば、現在の民主党や社民党などが推し進めようとしている「家族解体法案」や子供手当の背後の思想が、ハッキリと見えてきます。
これらをシッカリと吸収し、いつでも地に足のついた、的確な理論武装や戦略立案が、自分の頭で自在に構築できるようになる事を願っています。
1/8 【国民の為の政治学】第8講革命は何故、起きるのだろうか??[H22/4/2]
革命とは、暴力的争乱を伴って、国家の体制が全く変わってしまう事を意味する。
しかし、しばしば革命という言葉はこれよりも広い意味に用いられる事がある。
例えば、アメリカでは、独立戦争の事をアメリカン・レボリューションと呼んでいる。
つまり、アメリカ革命である。また、1917年にロシアで起きた出来事は、首都とその周辺で起きた出来事だけに注目すれば、それは革命というよりは、クーデター(暴力による国家の転覆)と呼んだ方が正確であろう。
しかし、その後、ソ連共産党が国家全体を革命的に変化させた事は歴史の事実である。
イギリスのピューリタン革命や、1789年のフランス革命や、明治維新は最も徹底的な革命の実例である。
また、近年、我々はソ連邦の崩壊に伴って、ソ連のみならず、東ヨーロッパ諸国も共産主義独裁を否定して、自由な民主国家を打ち立てるという革命を目撃している。
ロシアや東ヨーロッパにおけるこれらの革命は、マルクス主義では全く説明できない出来事であり、共産主義独裁がいつかは必ず自由を求める民衆によって、打ち倒されるという良き実例となっている。
2/8 【国民の為の政治学】第8講革命は何故、起きるのだろうか??[H22/4/2]
マルクス主義を含む、直線的な「進歩史観」では、フランス革命を非常に高く評価している。
これが日本の義務教育における歴史教育の基本線の1つになっている。
ところが、フランス革命を詳しく検討してみると、それはフランス国民にとってのとんでもない悲劇であり、大災厄であり、とても称賛するような歴史的出来事ではなかった事が分かる。
フランス革命の直前には、啓蒙主義が全盛を極めた。
啓蒙主義は、人間の理性に対する多大な信頼と、楽観主義をその神髄としている。
理性に基く合理的な思考で、人間は社会のあらゆる問題を解決する事が出来る―という人間理性への傲慢なまでの信頼が、啓蒙主義時代を支配した。
それでは、啓蒙主義の思想的影響力のもとに起きたフランス革命が、理性的・合理的なものかと言えば、実情は全くその逆であった。
人間の最も非合理的な、非理性的な側面が、社会を支配し、フランスは連続する流血の惨事に見舞われ、社会秩序は徹底的に混乱し、失われた。
理性への過大な信仰が、結果として最も非理性的な現実を産出したのである。
フランス革命においては、超越的なキリスト教的神が否定される一方、抽象的な理性信仰が頂点を極め、これが一種のカルトとして一時的にしろフランス社会を支配した。
理性の信仰者が、理性信仰を拒絶するものを、徹底的に非理性的に虐殺し、弾圧するという、とんでもない逆説的な状況が現実となったのである。
絶対的に正しい信仰を手に入れた、と信ずる者は、これを受け入れない者を、徹底的に排除する。これが、ドグマ主義やファナティシズム(狂信熱狂)の繰り返されるパターンである。
フランス革命は、こういった人間の愚行と残虐の最もよき実例の宝庫である。
3/8 【国民の為の政治学】第8講革命は何故、起きるのだろうか??[H22/4/2]
フランス革命は、1789年から約10年間、フランスを徹底的な無秩序と混乱に陥れた後、1799年のナポレオンの独裁的権力の樹立をもって終結する。
ルイ王朝の絶対王政を破壊した革命は、より民主的な柔軟な政治体制を生む事は無く、新たな独裁政権の成立を持って終結したのである。
マルクス主義革命理論のキリスト教との類似性を指摘したのはイギリスの哲学者バートランド・ラッセルであった。
彼は、ユダヤ教・キリスト教的な歴史観・終末観と、マルクス主義者が主張する革命理論の間には、極めて類似した論理構成がある事を見抜いていた。
マルクス主義の革命は、いくつかの国家において、現実となった。
ここにおいても、マルクス主義革命が生み出したものは、独裁的硬直的な権力を打倒して後の、より民主的で柔軟な政治体制ではなく、新たな独裁体制であった。
マルクス主義革命は、理論においても現実においても、新たな独裁権力(プロレタリアート独裁・共産党独裁)を生みだす為の革命である。
1991年のソ連邦崩壊に相前後して起きたロシアと東ヨーロッパの革命は、マルクス主義によって成立した独裁権力を打ち倒す、真の民主化革命であった。
4/8 【国民の為の政治学】第8講革命は何故、起きるのだろうか??[H22/4/2]
【マルクス主義革命理論の破綻】
マルクス主義革命理論は、完全に誤まったものである事が、今日、完全に証明されている。
そもそもマルクス主義革命は、先進国においては起こらなかった。
この点において、マルクスの予言は完全に外れたのである。
先進国においては、穏健な非マルクス主義的社会主義の考え方が広まり、労働者の人権を重んじる方向に社会は改革されていった。
経済学的に見ても、資本主義の構造的な欠陥である、供給過剰を正す為に、勤労者階級一般の需要を拡大しようという動きが、現実の政策を動かした。
これは、ケインズ主義の名のもとで呼ばれる事もあり、また修正資本主義という呼び方もされている。
資本主義先進国においては、一般勤労者の需要が拡大し、中産階級が増え、これによって「供給過剰と需要過少から恐慌に陥る」という資本主義の構造的欠陥を、解決する事が出来たのである。
一部のマルクス主義者は、寧ろ、南北関係(先進資本主義国と低開発国との関係)において、マルクス主義理論の応用を試みた。
つまり、先進資本主義国(北)が低開発国(南)を構造的に搾取し、低開発国の国民が半永久的に貧困であり続けるという批難を行ったのである。
ところが、南北間マルクス主義モデルも、1970年代以来、現実性を失い、特に1991年のソ連邦崩壊以後は、このような主張も信頼性を喪失して来た。
低開発諸国の中から、既存の資本主義経済の枠内で、工業化を行い、輸出を伸ばし、国民の所得を増大させる事に成功した国々が生まれてきたからである。
皮肉な事に、今や、シナやロシアというかつての共産主義大国も又、世界の資本主義的枠組みの中での経済発展を実現しつつある。
5/8 【国民の為の政治学】第8講革命は何故、起きるのだろうか??[H22/4/2]
古典的なマルクス革命理論は、今日完全に破綻している。
これに対して、文化マルクス主義とでも言うべき革命理論が、先進国では猛威をふるっている。
これは、直接の政治闘争や経済闘争によって、革命を実現するのではなく、長期的に家族や社会の伝統的道徳を破壊する事によって、マルクス主義的唯物論的革命を達成しようという方法論である。
このイデオロギーによれば、家族こそは、階級社会を支える根源的な単位であり、家族を破壊する事こそが、伝統的道徳観を破壊し、ついに階級社会や国家そのものを解体する事に繋がる、という。
このような虚妄のイデオロギーに基づいて、現在の日本における「家族解体法案(選択的夫婦別姓など)」が提出されているのである。
また、子供手当法案も、その基本になる考えは「家族が子供を育てる」のではなく「社会が子供を育てる」という考え方であり、そこに文化マルクス主義のイデオロギーが、確実に埋め込まれているのである。
6/8 【国民の為の政治学】第8講革命は何故、起きるのだろうか??[H22/4/2]
【ルサンチマンについて】
それではそもそも、文化マルクス主義などのイデオロギーに後押しされて、日本社会を解体しようという人々は、何故そのような動機を持つのだろうか?
一言でいえば、ルサンチマン(怨念、恨み、特に弱者が強者に対して抱く憎悪感)という事であろう。
それはまた、劣等感の裏返しとしての復讐心とも言いかえる事が出来るであろう。
社会の少数者が、多数者に対して抱く劣等感や、被疎外感などが、不健全な形で内向し、憎悪心に転じたものがこのルサンチマン感情である。
現在の家族解体論者や、国家解体論者の最も基本的な行動の動機(モチベーション)は、このルサンチマン以外の何ものでもない。
しかし、日本社会は伝統的に本来、同性愛者などの少数者に対しても、常に寛容であり続けて来た。
これが、同性愛者を完全に宗教的異端とみなしてきたキリスト教社会等とは根本的に異なるところである。
このような伝統的な日本社会の柔軟な文化の下では、少数者は必ずしも声高に人権を主張しなくても、その存在を許されている。
彼らのルサンチマンを扇動しているところに、今日の反日主義者の最も狡猾な戦略がある。
7/8 【国民の為の政治学】第8講革命は何故、起きるのだろうか??[H22/4/2]
日本における革命を考える時、最も重要なのは、日本の政治文化の二重構造に気がつく事である。
天皇は、聖なる次元に属し、民族の司祭としての権威を持ち、日本史を貫いて常に権力の正統性を担保する存在であり続けて来た。
俗の次元に属する権力者は、(それが摂政・関白であれ、将軍であれ、内閣総理大臣であれ)現実の政治権力を操るが、常にその地位を天皇から賜り、その権力の正統性を天皇に依存して来た。
これが日本における政治文化の二重構造である。
天皇は、日本民族全体の代表者として君臨し、現実の行政権力を時の最高権力者にゆだね、権力者はその委任に応え、国民の民政の充実を図る。というのが本来あるべき日本政治の姿である。
権力の正統性の根源が、常に天皇にあるという点については、皇国史観は捏造物ではなく、日本の歴史の現実そのものであり続けて来た。
8/8 【国民の為の政治学】第8講革命は何故、起きるのだろうか??[H22/4/2]
このような聖俗の二重構造をもつ日本の政治文化においては、革命(徹底した国家の改造)はどのように成し遂げられるのであろうか。
天皇の正統性という権威を頂いた革命のみが、日本における唯一の革命の形である。
これを「錦旗革命」と言い換えてもよいだろう。
時の政権が、あまりに天皇の本意から外れて、暴政を行ない、あるいは無能に陥った場合、本来の国の形に戻す為に、天皇の権威のもとに時の権力者は征伐され、体制は確信されるのである。
西洋のキリスト教国の革命を支えた考え方に、「神の自然法」という思想がある。
自然法とは、紙に書かれた法律ではないが、世界中の時とところとを超越して、有効であるような普遍的な法の事である。
謂わば、神が設定したとしか言いようのない普遍的な法という意味である。
西洋においては、時の権力者が、この自然法に背いた場合、人民は革命を起こして、神の定めたもうた自然法を復活させる事が出来る。
これこそが、あるべき革命である、とキリスト教徒は考える。
日本においては、この用語を用いるならば、天皇こそは、目に見える自然法なのである。
国民全体の安寧を祈る天皇の本意に反する権力者は、国民によって更迭されなければならない。
これが日本的革命の論理である。
(※詳しくは、『「国家」なき国ニッポン』を参照)
【お知らせ】
また、4月2,3,4日(金から日)は、神奈川県の横浜センター北や南エリアで、街頭宣伝活動を行う予定です。
平成22年4月2日(金) 18時から20時 「センター北」駅
平成22年4月3日(土) 13時から15時 「センター南」駅
平成22年4月4日(日) 13時から15時 「センター北」駅
平成22年4月7日(水) 18時から20時 「センター南」駅
場所: 横浜市営地下鉄 「センター北」駅、「センター南」駅 遊歩道にて。
ご連絡先: 頑張れ日本!全国行動委員会 TEL 03-6419-3900
※ 案内チラシはこちら → http://www.ch-sakura.jp/sakura/protestactivities0402-07yokohama_flyer.pdf
【お願い!!!! 全力拡散にご協力を!】
既にブログでも取り上げました、「絶叫!おQ層」の方々にも早速、絶賛!大好評!という「子ども手当の裏に隠された驚きの事実」チラシです。
他にも、数枚の回覧をさせて頂いたようですが、これが圧倒的に反応率、絶大!! 超HIT!
※ダウンロードはコチラから→ http://loda.jp/chirasihokanko/?id=253
既に、FAXやメールや印刷チラシのコピー等々を通じて、まわっているそうです。(驚くほど、凄い!)
もう、これは快挙としか言いようの無い大HIT!
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これは、全力!!で、いや、本気で至急、少しでも速く全力で大拡散をお願いします!!
【ご報告&発表! (^・x・^) じゃじゃーん! (^・x・^) 】
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↑↑ 私の友人のカリスマ・フードコンサルタントの松本和彦先生がデザインし、創ってくださったものです。
(※ 松本さんの事は、「ドンと来い!大恐慌 (ジョルダンブックス)
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※ 現在、まだ他のサイズ等も、作成頂いているらしいです。(感謝)
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本日は夕方から、西村幸祐さんと、メディア論等について、対談を行ってきました。
この映像は、明日以降に、改めてご報告と共に、公開UPさせて頂く予定です。
是非、お楽しみください。
さて、本日のテーマは、「デモクラシーはどのように発展して来たのだろうか?」です。
【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
※ 随時、12回の正規講義に加え、適宜、必要に応じ、より詳しい補足講義でフォローアップする事もあります。
※ 「今回、はじめて藤井厳喜アカデミーを知りました! 最初(ガイダンスも含む)から勉強したいです」という方は、このブログの『カテゴリー: 「藤井厳喜アカデミー」』をソートして頂ければ、最初から整理された一覧状態で学んで頂く事が容易だと思います。
全く、この講座を御存じない方に、ご紹介して頂く場合は、このアドレスを【藤井厳喜アカデミー・ブログ http://www.gemki-fujii.com/blog/cat67/ 】ご紹介頂けますと、分かりやすいかと思います。
「国民の為の政治学」全体のカリキュラムは以下に示す通りです。
【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
今回の講義では、デモクラシーを支える論理と倫理を2つの方向から、詳細に検討したいと思います。
第一は、政治哲学的に、デモクラシーを支える構造を考える事です。
第二は、歴史的観点から、特にイギリスにおけるデモクラシーの発展を実例として、その進化的発展を考える事です。
歴史を深く分析すれば、民主政治が如何なるダイナミズムによって、発展してきたかが分かり、そこからデモクラシーの精神を抽出する事が出来ます。
また逆に、デモクラシーを支える論理と倫理を探求すれば、その視点からデモクラシーの発展史をより明快に理解する事が出来ます。
このように政治哲学的思考と、歴史的検証は、相互補完的であり、また、表裏一体のものです。
革命とデモクラシーの関係については、次回の講義で取上げます。
今回は、革命的ではなく、「段階的=進化的」にデモクラシーを実現して来た立憲君主制のイギリスを実例として深く研究しています。
今回で、政治学講座も、後半に入りました。
政治が激変してゆく時代に、政治学言論を勉強している暇はない、と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、現在のような、激動の時代であり、活発な実践活動が必要な状況であるからこそ、政治学言論が必要なのだと私は思っています。
物事を原理的に根底から考え直す思考力こそが、情報戦を勝利に導き、より効率的な闘い方を可能にします。
激動の時代を戦い抜く、知性の眼力を鍛える事が、この講座の目的です。
原理・原則的であると同時に、現実的・実戦的であるように常に心がけて講義をしています。
この講座をシッカリ学んでもらえば、敵陣営の日々仕掛けられてくるディスインフォメーションを本質を見抜く事が出来るし、即座に効果的な反論が出来、また実践的な戦略や戦術が自分の頭脳で考える事が出来るようになると思います。
実戦を闘い抜くハンドブックを読むようなつもりで、この講座の内容を十分に消化吸収してください。
一見、抽象的な思考が、実は、とても現実的である事がお分かり頂けると思います。
では、8本の映像をご覧ください。
1/8 【国民の為の政治学】第7講「デモクラシーはどのように発展してきたのだろうか」[H22/3/26]
この講義シリーズの冒頭で述べたのは、デモクラシーは、国家統治の一形態であるという事であった。
この事を再確認しながら議論を進めたいと思う。
デモクラシーを支える概念である個人の自由や人権という事も、国家無くしては成立しえないのである。
自由や人権を保障するものは、国家以外にはありえない。
近代的な契約概念からしても、国民が国宝を守るが故に、国家は国民の自由や人権を保障するのである。
自由や人権が国家が存在し、その国家が民主政治によって営まれる時にはじめて実現する。
個人は国家という共同体の構成員になる事によって、義務を負うと同時に、自らの権利を確保するのである。
この権利の一部が、国家内で保障されるところの様々な自由である。
国家を破壊する事によっては自由や人権を確保する事が出来ない。
2/8 【国民の為の政治学】第7講デモクラシーの論理と発展[H22/3/26]
民主国家が成立する為の最も重要な必要条件は、公共の概念が成立する事である。
「公共という概念が成立する」とは即ち、国家が私的集団の所有物ではない、という事である。
公共という概念の成立は、必ずしも民主国家でなくとも成立しうる。
王政であっても貴族制であっても、支配集団が、被支配集団の民政の事を慮り、自らの利益にのみにとらわれず、国家全体の事を考えるならば、そこにおいて既に公共の概念は成立している。
日本の封建時代には、既に封建領主の領国において、このような概念が実現していた。
例えば、武田信玄の支配する甲斐の国においては、領主も領民も運命共同体であり、不可分の政治共同体の一部である、との認識が既に存在していた。上杉謙信の支配する越後においても、同様であったろう。
江戸時代の名君として有名な上杉鷹山を生んだ上杉家には「伝国の辞」といわれるものが受け継がれていた。
その考えの基本は、「民あっての君」であり、「君あっての民ではない」という考え方である。
これは一種の「殿様機関論」である。
ここには近代的概念ではないが、既に君主の私益を越えた公共の概念が成立していたと言える。
これに反して、シナの歴代王朝は、皆悉く、私であり、ついにシナにおいては、公の概念が王朝のもとで実現される事は無かった。
全ての王朝は、支配階級たる自らの一族の私益のみを優先させたのである。
3/8 【国民の為の政治学】第7講「デモクラシーはどのように発展してきたのだろうか」[H22/3/26]
デモクラシーが成立するには、第1の条件として、公共の概念を内包した国家が成立していなければならない。
これが必要条件である。
しかし、それだけではデモクラシーは成立しない。
第2に必要なのは、統治に参加する国民が基本的に平等である、という考え方が確立していなければならない。
これがデモクラシー成立の十分条件である。
第1と、第2の2つの条件が整備されてはじめて、民主国家の統治が成立するのである。
1つの運命共同体たる国家の中で、国民の基本的平等を成立させるものは何だろうか。
平等性の根源を支える正統性はどこから来るのだろうか。
これは、著しく政治哲学的な課題である。
平等を支える根底は、歴史から導き出された共同体の精神的な合意である。
その合意の成立は、国家の地理的・歴史的・宗教的条件によって様々に異なっている。
ヨーロッパにおいては近代デモクラシーの平等主義を推し進めた根底は、「神の下の平等」というキリスト教の理念であった。
この理念を国民の多くが受け入れた時に、近代デモクラシーの根底は確立したのである。
その確立の為には、長い年月をかけて必要とした。
日本においては、天皇のもとにおける平等という考え方が、これに匹敵するであろう。
明治維新における四民平等の考え方を支えたのは、天皇のもとにおける平等の理念であった。
即ち日本風に言うならば、天皇の赤子としての市民は平等に扱われるべきである、との理念が様々な経緯を経て、成立し、これが明治以降の立憲政治と民主化の動きを支えたのである。
4/8 【国民の為の政治学】第7講「デモクラシーはどのように発展してきたのだろうか」[H22/3/26]
民主政治は、2つの矛盾した事柄を同時に成立させなければならない。
それは、多数決と少数意見の尊重である。
権力を握った多数派が、では何故、少数意見を尊重しなければならないのか?、それは少数派と言えども、国家という運命共同体=精神共同体の平等な構成員だからである。
争点によって、立場は異なっても、共に民主国家という共同体の一員としての自覚があるからこそ、敵対する党派の自由と人権を保障するのである。
この共同体意識が崩壊すれば、民主政治はたちまち多数派の横暴となってしまう。
また、一度、選ばれた権力者がその権力を乱用し、民主国家自体を破壊してしまう事になる。
同じ「精神共同体=運命共同体の一員」としての自覚があるからこそ、少数意見や少数者の自由が尊重されるのである。
共に同じ国家の為に尽くす存在であるという共通の自覚が根底に存在している。
その意識の上で、個々の争点に関する立場は変わっても、共に愛国心をもつ者同士として、お互いに、寛容の精神を発揮する事が出来る。
民主政治を機能させるこの寛容の精神もまた、共同体意識から生まれてくるものである。
つまり、共同体意識あるが故に、平等の実現があり、また寛容の精神の実践がありうるのである。
5/8 【国民の為の政治学】第7講「デモクラシーはどのように発展してきたのだろうか」[H22/3/26]
近代デモクラシーの源流の1つである、イギリスのピューリタン革命におけるパトネー・ディベートに注目したい。
1647年に行われたこの論争では、ピューリタン革命を推進するいくつかのグループがそれぞれ代表を立てて国造りの行く末について盛んに論争を交わした。
この論争が、まがりなりにも平和裏に行われ、革命所派の相互の武力衝突に至らなかった理由は、何であろうか。
それは、ここにパトネーの地に集った、いくつもの異なる考えをもった集団が、共にキリスト教のプロテスタントとして、神の摂理を信じていたからである。
神が我々に望んでいる事は何か?という疑問を持ち、この共通意識が、反対派の意見に耳を傾けさせる寛容性を保証していた。プロテスタントとしての、そして、イギリス人としての共同体意識がこのディベートそのものを成立させたのである。
そうでなければ、ディベートはディベートに終わらずに、相互の殺戮にまで及んだに違いない。
6/8 【国民の為の政治学】第7講「デモクラシーはどのように発展してきたのだろうか」[H22/3/26]
パトネー・ディベート(会議)において、会議参加者達は、どのような考えに基づいて議論を交わしていたのであろうか。
先ず、神は絶対者であるから、如何なる人間と言えどもその全体像を完全に把握する事は出来ない。
誰もが神からのメッセージを受ける事は出来るが、そのメッセージは常に不完全である。
言い換えれば、誰もが「神の似姿」を心に描いているが、誰の神の似姿も、完璧なものではない。
誰もが部分的には正しいかもしれないが、誰もが部分的には誤まっているかもしれない。
このような真理観に基いて、お互いに神の似姿と思えるもの、言い換えれば、神の摂理であるはずのオピニオンを提出し、相互に論争を通じて検証しあい、より高い真理に到達しようとしたのであった。
ここにおいては、最終的な合意(Agreement)そのものよりも、会議の精神(Sense of Meeting)が大事であり、合意に至るプロセスである討論や討議(Discussion、Debate)が重んじられる。
このような真理観に基づく討論の精神自体が、デモクラシーを根幹で支える精神であると言える。
あくまでも、歴史的に成立し、進化してきた共同体において、基盤となる共同体精神の上に乗っ取って、このような討論が可能となるのである。
歴史的な共同体の中でこそ、自由や権利といった言葉は具体的な意味をもつ。
歴史的共同体そのものを完全に破壊つくしてしまう革命においては、このような寛容の精神に基づくデモクラシーは成立しえない。
抽象的な自由や平等という理念によって、指導され、従来の歴史的共同体を完全に破壊してしまったフランス革命や、ロシア革命では、権力者による反対派への徹底的な血の粛正が行われ、巨大な惨禍を残す事となった。
これは全ての共産主義革命に共通した悲劇でもある。
7/8 【国民の為の政治学】第7講「デモクラシーはどのように発展してきたのだろうか」[H22/3/26]
世界の諸国家を比較検討すると、立憲君主制に基く民主国家が最も国民にとって幸福な政治体制ではないかと思われる。
立憲君主制という事は、歴史を否定する革命を経験せず、革命(Revolution)よりは寧ろ、漸進的な進化(Evolution)によって、民主政治の体制が確立して来た事を意味する。
日本やイギリスや北欧の民主国家は、皆、このパターンである。社会も安定し、経済生活の水準も高く、政治的自由も十分に保障されている。
立憲君主制的民主国家としての日本の歴史を振り返ってみれば、ヨーロッパに比べて、決して大きな後れを取っていた訳ではない。
日本とヨーロッパは、並行的に近代において進歩してきたというのが私の世界史の見方である。
今、ここに1つだけ事例を挙げるとすれば、1215年のイギリスにおけるマグナ・カルタの成立と、1223年の日本における貞永式目の制定とは、政治的に極めて類似した歴史的出来事であった。
両者に共通しているのは、封建領主デモクラシーの確立という事である。
法治主義による封建領主の間の議会政治の原点がここに確立されているのである。
この時点では、イギリスでも日本でも、庶民階級は政治には全く参加できなかったが、封建領主たちが、主体となり、会議(日本風に言えば「評定」)によって政治の重要な決定を行うという体制が確立している。
8/8 【国民の為の政治学】第7講「デモクラシーはどのように発展してきたのだろうか」[H22/3/26]
近代的な民主政治を成立させる為には、他にもいくつもの条件が必要である。
先ず第一に、国家が宗教的・思想的には勿論、政治的にも政治的にも経済的にも独立していなければならない。
またある程度、経済的に豊かで、教育水準の高い中産階級の数が多くなければ、民主政治は巧く機能しえない。
イギリスの例を見てみよう。
1535年にイギリスは、英国国教会を作り、ローマ・カトリック教会の宗教的権威から独立する。
これは思想的・宗教的レベルでの独立である。
1588年には、イギリスは、ヨーロッパのカトリック教会を守る最大の勢力であったスペインの無敵艦隊を撃滅する。
これによって、イギリスは政治的にもカトリック圏の影響力から脱出する事が出来た。
この後、ピューリタン革命という共和制革命、チャールズ1世の処刑、王政復古を経て、1688年の名誉革命によって、ようやく社会が安定を取り戻す。
国内の政治改革が、一段落し、商工階級、中産階級が政治に参加する道も開かれる。
ここからイギリスの大発展がはじまるのである。
1774年のワットの蒸気機関の発明から産業革命も開始され、イギリスは世界の工場となり、7つの海を支配する大英帝国は隆盛を極める事になる。
宗教的・思想的に独立し、かつ政治的にも如何なる国家の従属国でもなく、経済的にも繫栄してゆかなければ、国内の民主制は決して順調に機能してゆかない。
また、国内の民主政治の進展により、国民各階層のもつ能力を十分に引き出してゆかなければ、国家の独立と繁栄もあり得ない。
近代におけるイギリスの発展史はこの事を最もよく物語っている。
この政治講座の後半では、日本の政治が如何に段階的に発展してきたかを、ヨーロッパ諸国との比較において検討してみたいと思っている。
【藤井厳喜より、お知らせ】今週末の日曜日も又、溝の口駅に、藤井厳喜がうかがいます!
【神奈川県川崎市】 3.28 頑張れ日本!外国人地方参政権絶対阻止!選択的夫婦別姓絶対阻止!街頭宣伝活動 in 溝の口 (※ 雨天決行!)
次回は!!!! 平成22年3月28日(日) 13時00分から15時00分
「溝の口」駅 南武線・田園都市線 連絡通路
登壇予定:藤井厳喜、神奈川県の地方議員数名 ほか
(本日も、ボランティアでご支援くださいました方々、そして準備のお手伝いや撮影等くださいました方々、本当に有難うございます。心より感謝しております。)
御問合せは、 頑張れ日本!全国行動委員会 TEL 03-6419-3900
※ 案内チラシはこちら→ http://www.chsakura.jp/sakura/protestactivities0324&28mizonokuchi_flyer.pdf
1人でも多くの方にお会いしたいと思います! 是非、ご参加願います!
※ 私への御連絡については、以下のアドレスにご連絡を頂ければ、チェックが遅れる事もございますが、必ず情報は全て拝読しておりますので、宜しくお願い申し上げます。
(ここのところ、メールの量が連日、倍々増状態となり、更に外での活動が増え続けている為、全てのメールに個別返信が厳しい場合があります。状況、ご理解頂ければと願います。← それでも全て拝読は必ずさせて頂いております。)
藤井厳喜へのメッセージ、講演や仕事等の依頼も、以下アドレスまでお願いいたします。
ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ事務局e-mail : info.cfg.future@gmail.com
★ 【 Cambridge Forcust Group of Japan.Co 藤井厳喜チャンネル】
http://www.youtube.com/user/zingrace1213 (登録自由)
荒らし防止の為にも、映像をご覧になった後の、「★印での評価のご協力」を願えますと助かります。
【藤井厳喜Twitterサイト】 連日、《575で》呟き中!! 時事川柳・狂歌等。
https://twitter.com/GemkiFujii
いつも沢山のフォロー、有難うございます。
(日夜、Twitterならではの活動のリアルタイム実況中継や裏話w等もしています。
私が今日・どこで何に参加しているか?今、何を考えているか?、ご興味の方は是非、御気軽にご参加「フォロー」ください。)
本日、22日は、午前中は都内で早朝ミーティング後、この補講の収録や打合せ等、仕事。
正午頃から鎌倉市に向かい、伊藤玲子先生を自宅に訪ねる。
ご存知の方も多いとは思いますが、伊藤先生は、長年にわたる教育正常化と反日教組運動の最もアクティブな闘士です。
今後の政治活動へのご指導をお願いしました。
多くの非常に有益な情報もご教示頂きました。
83歳にして益々、活動的で、元気溢れる伊藤先生に、大いに励まされました。
その後、鎌倉在住の、友人・知人を訪問し、会合に参加させて頂き、帰路につきました。
さて、今日は、「政党論」と「情報論」をテーマにした補講を収録させて頂きました。
政党については、また次回以降の講義でも、触れる事になると思います。
1/3 【国民の為の政治学】第6講・特別補足篇 政党の役割とは??[H22/3/22]
本講では、政党のもつポジティブな肯定的な役割について主に論じましたが、政党には、 ネガティブな否定的な側面も存在します。
特に日本のように政党が国家の法律によって優遇されている国では、新しい政党を作ることや、政党に属さない人間が政治に参加する事は非常に難しくなっています。
政党助成金などは、既存の政党を優遇し、既存の政党以外から政治に参加しようとする国民の、政治的自由を大きく阻害するものでもあります。
これが、国民に等しく与えられて いる政治的自由を阻害するものではないか、という疑いがあります。
2/3 【国民の為の政治学】第6講・特別補足篇 政党の役割とは??[H22/3/22]
「情報学」の基本を3つの原則にまとめてみました。
全くのオリジナルなので、これを仮に「藤井の情報三原則」と名付けています。
第1は、全ての情報は歪曲されている、という法則。
第2は、我々の知覚は常に誤まっている、という原則。
第3は、我々はその誤まった知覚を常に修正しようとしている、という原則。
以上の3つです。
第1の原則はドラスティックでアイロニカルに響きますが、よく考えてみれば、それが真実である事が分かると思います。
第1の原則が正しければ、必然的に第2の原則も正しい事になります。
やや皮肉な表現ですが、情報学の根幹だと思いますので、是非、十分に咀嚼してください 。
3/3 【国民の為の政治学】第6講・特別補足篇 政党の役割とは??[H22/3/22]
前篇で取り上げた「藤井の情報三原則」が最もあてはまるのが、市場の動向です。
その事を最もよく見抜いていたのが、あの有名な投機家のジョージ・ソロスでした。
彼の投機哲学は、情報論に基き、認識論に基礎を置いたものでした。市場という最も現実的な場において、情報三原則がどのように生きているかを、説明しました。
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本日は、チャンネル桜・キャスターの日。
朝からチャンネル桜に行き、収録をしてまいりました。(本日、夜、放映)
収録後、ミーティングがあり、その後、神奈川県県民センターで、5時半から講演会。
その為、本日の政治学講座は、少し早目の時間に映像を公開し、UPさせて頂きました。
藤井厳喜アカデミーの政治学講座もいよいよ第6講配信まで進んでまいりました。
さて、今回のテーマは、「政党の役割とは何だろう?」です。
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今回のテーマは、政党の果たすべき役割です。
19世紀から、先進国で誕生してきたマス・デモクラシー(大衆の参加による民主政治)においては、政党の果たす役割は決定的に重要です。
政党が国民の要求や利益を吸い上げ(集約し)、整合的な政策をとることなしには、マス・デモクラシーにおける国家統治は巧く機能しません。
政党は、国家制度の一部ではなく、あくまでも私的な存在ですが、同時にマス・デモクラシーに不可欠な、公的な役割を果たしています。
政党は、当然の事ながら複数、存在する事により、デモクラシーを機能させます。
政党には、国家統治という観点から見た場合、肯定的な役割と否定的な役割の二つがあります。
肯定的な役割とは、前述したように、政党を通じて、国民がより機能的に国家統治に参加できる事です。
否定的な役割とは、複数の価値観の異なる政党が存在する事により、国家を分裂させる危険性が常に存在します。
政党は、英語では「Political Party」です。
この「Party」の意味を考えると、肯定否定の二つの意味が含まれている事が分かります。
Partyという言葉の意味には、人が集まる「人の集合体」という意味があります。
つまり宴会なども「Party」ですし、山登りのグループも、Partyと呼ばれます。
同時にPartyはPART(部分)という言葉と関係しており、全体の一部分に過ぎません。
人の集まりであるPartyは、国家から見ればその一部分にすぎない訳です。
しかし、このPartyに参加する事により、人は国家統治のプロセスに、Participate し、自分のPart(役割)を果たし、Take Part in する事が出来るのです。
1/7 【国民の為の政治学】第6講 政党の役割とは何だろう??[H22/3/19]
日本人が理想形としているような二大政党制の存在は、歴史的にも地域的にも寧ろ、例外 的な存在といえるかもしれない。
一般に、イギリスやアメリカは、典型的な二大政党制といわれているが、現在イギリスに は3つの主要政党が存在する。
アメリカでも、民主党一党支配の時代が1932年から6 8年まで続いていた。
アメリカ南部は、南北戦争の後から100年の間、ほぼ民主党の一 党支配であった。
2/7 【国民の為の政治学】第6講 政党の役割とは何だろう??[H22/3/19]
今日のマス・デモクラシー(大衆民主政治)において、政党が果たす役割は極めて重大である。
政党の中心的役割は、社会の様々な集団の利益を集約して、それを整合性のある政策体系に仕立てあげることである。
この機能を「政党の利益集約機能」と呼んでいる。
これに対して、圧力団体(利益団体) は、それぞれの利益をまとめて政府や政党に直接、これを要求していけばよい。
これを「 利益表出機能」と呼んでいる。
圧力団体が、利益表出機能を果たし、その明確化された利益を、政党が集約する事によっ て、政党は国家統治の重要な中間機構として作用する事が出来る。
3/7 【国民の為の政治学】第6講 政党の役割とは何だろう??[H22/3/19]
大衆デモクラシーの時代において、利益団体や政党は、国民が政治に参加する為の、媒介機構として重要な役割を果たしている。
国民は、選挙において一票を投じる事が出来るが、それだけでは十分な政治参加をしてい るとは言い難い。
利益団体に関わる事によって、自らの主に経済的利益を明確化し、この 利益団体を通じて政党に様々な圧力をかける事が出来る。
そして、政党の政策に影響力を 与える事によって、間接的に国家の政策に影響力を行使する事が出来る。
国家の統治機構と国民の間を繋ぐ、中間機構として、政党は重要な役割を果たしている。
それは国民の政治参加の為に欠かすことのできない手段(媒体)を提供している。
4/7 【国民の為の政治学】第6講 政党の役割とは何だろう??[H22/3/19]
政党には、その思想傾向から言って、大きく分けて2つのタイプが存在する。
1つは保守主義政党である。もう1つは進歩主義政党である。
政策分野を3つに分けて考えると、こ の2つの政党の政策の違いをハッキリと把握する事が出来る。
国防外交政策においては、 保守主義政党はタカ派的であり、進歩主義政党はハト派的である。
経済政策においては、保守主義政党は、自由経済重視派であり、経済行動での自己責任を 重視する。
逆に進歩主義政党は、福祉政策重視であり、企業行動の自由を制約しても、福 祉政策の充実を重視する。
文化教育政策においては、保守主義政党は当然、伝統文化を重視する立場である。
進歩主 義政党は、伝統を抑圧的なものと捉え、それからの個人の自由の開放を重視する。
5/7 【国民の為の政治学】第6講 政党の役割とは何だろう??[H22/3/19]
アメリカの政治学者JAMES・Q・WILSONは、政策形成を、そのコスト(費用) とベネフィット(利益)の広さと狭さから、4つのパターンに類型化している。
1. 多数派政治:知覚されるコストが国民の間に広く分布し、かつ知覚されるベネフィットも 広く分布している場合、これを多数派政治と呼んでいる。
例えば、外交国防政策や、社会保障政策などは概ねこのパターンである。
2. クライアント政治: これは、国民全体のコストによって、国民の一部(利益団体)がベネフィットを被るような政策形成である。
例えば、一部の特定の農産物を保護する為に、国が高い税金を競争相 手の輸入品にかけるような場合がこれである。
3. 起業家的政治: このネーミングが適当であるとは思われないが、国民全体に利益をもたらすような政策を、一部の国民が負担してこれを実現しようとする場合がこのパターンである。
例えば今、2010年3月現在、外国人参政権法案阻止の為に、ボランティアの国民が立ち上って運動をしている。
これらの人々は、自分達に対する直接の利益の為ではなく、国民全体の幅広い利益の為に、自分達がコストを負担して運動をしているのである。
こういった形の政治、もしくくは政策形成を、起業家的政治とよぶ。
4. 利益団体政治: これは、コストもベネフィットも、国民全体は関係がなく、一部の利益団体同士のゼロサムゲームになるような場合である。
例えば、ある業界において、企業団体と労働組合が対決しているような場合が典型的である。
労働組合に有利な最低賃金等の法律を作れば、そのベネフィットは当然、労働組合が手にするが、そのコストは企業団体が負担する事になる。
大体の政策形成は以上、4つのパターンに分類して考える事が出来る。
6/7 【国民の為の政治学】第6講 政党の役割とは何だろう??[H22/3/19]
例えば、4つの政策パターンについて、更に解説する。
外交政策は、一般に多数派政治のカテゴリーに入る。しかし例外もある。
例えばアメリカ外交においては、様々な移民グループが、自らの出身国に有利なようにアメリカ外交を動 かそうとする。
例えば、ユダヤ系アメリカ人はアメリカの中東外交をイスラエル寄りにしようと努力するし、アラブ系アメリカ人は、アメリカ外交をアラブ寄りにしようと働きかける。
このような観点から見れば、この政策決定は、利益団体政治のカテゴリーに入る。
現在の日本における外国人参政権問題は、これを推進する民主党の側から見れば、典型的 なクライアント政治であろう。在日韓国人を中心とする新有権者という「クライアント」を獲得する為に、国民全体にコストの負担を求めている訳である。
これに反対する運動は、前項でも取り上げたように、起業家的政治のカテゴリーに入る。
国民全体の利益を守る為に、草の根の運動家がコストを負担して運動を展開しているのである。このように、同じ政策課題であっても、立場とモノの見方によって、分類の仕方が異なってくる。
7/7 【国民の為の政治学】第6講 政党の役割とは何だろう??[H22/3/19]
政党の役割そのものとは直接関係ないが、政策決定のパターンと関連して、一般的な「決定作成(ディシジョン・メーキング)」の分析もここで提示しておきたい。
決定作成は、典型的には以下の2つのパターンに分類されている。
第1は、単一主体モデルである。
これは国家や1つの組織の為に、ごく少数の人間が、最終的にはTOPリーダー1人が行なう決定作成である。
決定内容は、国家もしくは組織の死活的利益に関わる場合で、決定に使える時間は極めて短い。時間の少なさが決定作成に参加するものの数を少数に確定する。
第2の決定作成のパターンは政治過程モデルである。
ここにおいては、一人のリーダーが 全体の利益の為に、決定を行なうのではなく、様々な集団が、それぞれの集団の利益を代 表して、政治交渉に参加し、決定は妥協の産物として行なわれる。
決定に使える時間は極 めて長く、国家もしくは組織の死活的利益には関わらない課題が、その対象となるのが普通である。
平時における国家予算の決定などは、この政治過程モデルの典型的なものである。
詳しくは、『危機の指導者―検証・同時テロと大統領のリーダーシップ
』P165参照
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UP全公開の作業が遅れた言い訳ではありませんが、本日、衆院厚生労働委員会で、「子供手当支給法案」が、強行採決といっても良い形で、可決されてしまいました。
また、高校授業料無償化の法案も、委員会で同様の形で慎重審議の声を無視して可決されてしまいました。
ここに、民主党の反日左翼ファシズム的な体質が明瞭に現れています。
問題はこれにつきません。
この二つの「強行採決」の暴挙をメディアが、全く正確に伝えていません。
私が見た限りでは、地上波ではフジテレビが午後6時からのニュースで伝えましたが、NHKの午後6時の定時ニュースでは、冒頭から、三番目くらいのニュースとして、子供手当法案可決をごく軽く報道し、高校無償化法案の方は、完全に黙殺しました。
TV朝日は、両方とも無視・黙殺したように見受けられました。
日本の現在の、マスメディアは、かくも酷い状況にあります。
法案に対する賛成・反対はともかく、重大な法案の可決に関しては、客観的に高い優先順位を与えて報道するのがマスメディアの最低限の社会的責任でしょう。
メディアの大部分がその責任を自ら放棄するのみならず、他のどうでもよいような社会ネタ(芸能人の麻薬汚染や、朝青竜の不満など)に優先的に時間を配分し、明らかに問題をすり替え、国民大衆に目くらましを行っています。
今回の政治学講座のテーマは、政治とマスメディアの関係ですが、それを学習する最悪の事例が今日、日本で起きてしまった事になります。
今や日本では、マスメディアの主流と政権与党がほぼ一体となり、【権力=体制】を形成しています。
これを、ファシズム体制と呼ぶ事は決して、大げさな表現でも言葉の誤用でもありません。
1/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]
マスコミとマスメディアという言葉の本来の言葉の意味を考えてみよう。
マスメディアという時のMediaは、英語のMediumの複数形である。Mediumは媒介や媒体という意味である。
マスコミの「マス(mass)」は大衆という意味であり「コミ」はCommunicationの略である。
つまり、マスコミは「大衆的伝達」という意味である。
メディアは、言葉本来の意味からいえば、単に情報を伝える中間の媒体であるはずである。
ところが現実には、メディア(報道機関)は、自らのパーセプションやバイアスによって事実をゆがめて伝える事になる。
原則的に、全てのメディア経由の情報は、必ずバイアスによって歪められているものである。
つまり、操作されていない情報などは有り得ないのである。受取り手である我々自身にもバイアスはある。
2/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]
メディアは、必ず偏向しているものであり、厳密に中立的なメディアは存在しない。
メディアのバイアスの最大のものは、報道する事実と報道しない事実を選別する機能であ る。
偏向していても、報道されればまだよいが、極端な場合、メディアは都合の悪い情報 を隠ぺいする。
更に事実を歪曲し、捏造さえ行う事がある。
メディアに偏向が存在するのは原則としてやむを得ないことである。
なまじ、中立をうたうよりも寧ろ報道機関が自らの価値観や思想を明確にする方が、一般国民には望ましい。
ある新聞やテレビがリベラルであるという事が分かっていれば、それを承知でそれらのメディアの報道内容に接する事が出来るからである。
そして、様々な立場の複数の報道機関が競争する事により、全体としてメディアのバランスは保たれるであろう。
また、メディアの最低限のモラルの1つとして、事実の報道と意見の共鳴は、ハッキリと 識別して行うべきである。
事実は、客観的に報道し、一方、自らの思想や価値観は、オピ ニオンとして、これを表明すべきである。
3/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]
現在のマス・デモクラシー(大衆民主政治)の体制では、マスコミは、不可欠の存在であ る。
マスコミの情報提供なしに、マス・デモクラシーが機能する事は有り得ない。マス・デモ クラシーが正しく機能する為には、マスコミが正しく機能する事が、必要条件である。
ところが、現代においては、マスコミは最早、単なる媒体ではなく、マスコミ自身が立法 行政司法に次ぐ第四権力となってしまっている。
マスコミが主体となり、為政者や国民を操る事が度々、現実になっている。
マスコミ自身が、特定の意図をもって、事実を歪曲している実例の1つが、外国人参政権 問題に関するマスコミの報道姿勢である。
本来、現行憲法第15条違反である事が明白な外国人参政権法案について、その法案の問 題点を指摘しないのみならず、民主党がその法案を通過させようと準備している事すら報 道しないマスメディアが大部分である。
ここに今日の日本のマスコミの機能不全の恐るべき実態を見る事が出来る。
マスコミ自体が右であれ左であれ、様々な立場から権力と時の政権与党を攻撃している間 は、まだ民主政治は健全である。
今や、民主党政権下においては、マスメディアと政権与 党が一体となり、権力を形成している。
政権与党とメディアの大部分が、一体であり、メディアからの政権批判が無い状態が今日 の日本の政治状況である。
この状況(メディアと権力の一体化)を、ファシズムと呼ぶ事は、決して大げさな表現で はない。
4/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]
言論の自由と報道の自由が正しく機能しなければ、民主政治、特に大衆民主政治は巧く機能する事が出来ません。
選挙が存在しても、その前提となる言論や報道の自由が存在しな ければ、民主政治は機能しえないのである。
旧ソ連邦にも、現在の北朝鮮にも選挙は存在しているが、言論と報道の自由は存在していない。
本来、マスメディアが民主政治において果たすべき役割は、3つ存在する。
第1は、社会の問題を発見する事である。
第2は、その問題をより深く分析し、争点を明確に国民に知らしめる事である。
第3に、その争点に関する議論の場を提供する事である。
マスコミには、問題を定義する能力はあるが、その本質からして問題を解決する能力はな い。
問題解決は、立法・行政・司法の広義の政治プロセスに任せられるべきものである。
5/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]
近代のマスメディアの発達は、1445年のドイツ人・グーテンベルグによる近代的印刷 術に始まっている。
1455年には、彼は新約聖書・旧約聖書を印刷し、世に出している。
この印刷術による 聖書の普及がもとになり、16世紀全般のキリスト教世界における宗教改革の動きが起きてきた。
宗教改革は、グーテンベルグの印刷術なしには不可能であっただろう。
1776年のアメリカ独立革命や1789年のフランス革命においても、近代的印刷法による政治パンフレットが大量印刷され、これが大きな役割を果たした。
アメリカにおいては、独立の時点から、デモクラシーの発達を支えてきたのは、新聞の発 展であった。
新聞史上における論争の展開が、アメリカン・デモクラシーを形作る大きな 推進力となってきた。
電波メディアは1922年のアメリカにおける商業ラジオ放送の開始とともに始まる。
この電波メディアを最も巧みに利用したアメリカではじめての政治家は、フランクリン・ル ーズベルト大統領であった。
6/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]
1941年にアメリカでTV放送が開始される。TVは世界中で圧倒的に重要な政治メデ ィアとなってゆく。
テレビがラジオや新聞などの活字メディアより抜きんでて、大きな影響力を持ち始めたの は、1960年のアメリカ大統領選挙からであろう。
この年のケネディのニクソンに対する勝利を決定づけたのは、ケネディのTV上でのイメージであったと言われている。
1980年にアメリカ大統領に当選したレーガンは、共和党(アメリカの保守政党)の大統領として、初めてTVを自家薬籠中のものとして活用した。
レーガン政権の成功は、その多くをTVの有効な活用に依っている。
2008年の米大統領選挙においては、民主党のオバマ候補が、初めてインターネットを 有効活用する事により、大統領の座を射止める事に成功した。
オバマこそは、初代インターネット大統領と呼びうるであろう。
電波メディアの歴史をさかのぼると、そのラジオの発明から現代にいたるまで、巨大メデ ィア帝国を築こうとする権力志向と、情報の自由化により、より自由な社会を実現しよう とする個人の理想、との間の確執であった事が理解できる。
アメリカにおける、ラジオとTVの草創期には、NBC帝国を築いた実業家サーノフと、稀代の発明家であったアームストロングとの間に、熾烈な闘争が存在した。
この戦いは、サーノフの勝利に終わったが、アームストロングが抱いたような理想主義は常に繰り返し 、歴史の中にあらわれてくる。
現代日本における虚妄のメディア帝国NHKと、真実を求める草の根の国民との闘いも、この歴史的な文脈からよりよく理解する事が出来るだろう。
7/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]
インターネットの時代になり、情報の流れ方が従来のマスメディア主流の世の中とは全く変わってきた。
マスコミは、情報を1か所に集め、その中心から周辺(国民)に情報を一方的に流すシス テムである。
これに対し、インターネットは、全ての人が発信者にも受信者にも成りうる情報の双方向 のNETWORKを形成している。
インターネットの登場により、営業的にもマスコミが大きくその影響を減少させている事は間違いない。
ただし、インターネットもまた、新しいメディアであり、その登場が必ずしも我々の望むような真に自由で民主的な社会を実現するという保証は全くない。
新しい技術がユートピアを実現する、というのは、歴史上、人間が何度も抱いてきた幻想である。
「新しい技術自体」が、社会をよりよい状況にする事は、あり得ない。
1つの新しい技術 は如何に革命的であっても、常に社会に対する肯定的な影響力と、否定的な影響力の両方 をもつものである。
産業革命は、経済的に人類を大きく発展させたが、同時にまたその発展に伴う新しい問題をも生み出したのである。
同様な事は現代のIT革命についても言える。
IT革命を民主政治の進歩に役立てうるかどうかは、我々がそれをどのように利用するかにかかっている。
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特に一昨日に、サイバーテロについての発言後、世界から、膨大なメールが受信され続け、あっという間に、一般の連絡メールとの仕分け作業が必要な状態となっております。
巧く対応していきたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。
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【御知らせ: 今週末の日曜日、靖国神社内、 靖國会館 「偕行の間」にて藤井厳喜の講演会です!】
二宮報徳会 講演会 「シナが日本に仕掛ける無制限戦争」
平成22年3月14日(日) 13時30分から16時30分 (13時00分受付)
場所 靖國会館 「偕行の間」 (靖国神社内)
参加費 1,000円 (学生 500円)
主催・お申込: TEL 03-3637-7861 (二宮報徳会)
※ 定員になり次第、締め切らせていただきますので、お早目にお申し込みください。
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皆さんの学習進行状況は如何でしょうか?
どうぞ、お気楽にゆっくりご覧ください。分からないところは、繰り返し、見られますので。
さて、今回のテーマは、「大統領制と議員内閣制の違い」についてです。
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単純に言えば、民主国家は、2つの種類に分けられます。
国の一番の権力者が、大統領であるような体制と、首相であるような体制の二種類です。
その違いをキッチリと把握しておく事は、政治を理解する上で、とても大事なことです。
少々、複雑に見えるかもしれませんが、議論の要点は、極めて単純明快な事ですので、瑣末な点は差し置いても、肝心なところだけをシッカリと理解して下さい。
特に今回の第4回目までは、政治学の一般的な最も根幹的な部分だと思いますので、シッカリと消化してもらいたいと思います。
現在、日本国は、共和制革命の前夜にあるような危険な状態です。
この事を理解する為にも、今回の講義は、必須の内容となります。
是非、今回の講義で理論武装をシッカリし、偽装された共和制革命の本質を見抜いてください。
1/6 【国民の為の政治学】第4講 大統領制と議員内閣制の違い?[H22/3/5]
民主国家の政治体制は、大統領制をとるか、議院内閣制をとるかで大きく二つに分かれる。
国家の行政権力の実質的なTOPが大統領であるか、あるいは、首相(議院内閣制によって選ばれた)であるかによって、国家の統治機構は全く異なる体制となる。
尚、本日の参考文献として推薦した、シリーズ「共和制革命を狙う人々」(全7回)は、藤井厳喜公式ブログの以下のカテゴリーを参照してほしい。
http://www.gemki-fujii.com/blog/cat/
2/6 【国民の為の政治学】第4講 大統領制と議員内閣制の違い?[H22/3/5]
大統領の定義は、「共和制国家における、選挙で選ばれた元首」である。
世襲的な王政が 確立している国家では、王様がイコール、国家元首であるから、必然的に大統領は存在しない事になる。
天皇陛下がおられる日本において、大統領制があり得ないのは、このためである。
アメリカのPresident(大統領)を補佐するのは、Secretary(各省の長官)である。
これは、アメリカのビジネス社会で、President(社長)を補佐 するのが、Secretary(秘書)である事と対応している。
大統領の中には、実質的な権力がなく、国家の元首役だけを務める名目的な大統領も存在 する。
共和制国家で、かつ、議院内閣制を採用しているドイツやアイスランドやイスラエルのような国家には、このような「名目的な大統領」が存在する。
3/6 【国民の為の政治学】第4講 大統領制と議員内閣制の違い?[H22/3/5]
大統領には、2つの種類が存在する。
第1は、国家元首であり、かつ行政権力のTOPでもあるような大統領。(アメリカ・フランス・ロシア・フィリピン等がそうである)
第2は、国家元首ではあるが、行政権力のTOPでないような大統領である。
これは謂わば、共和政体における、「王さまの代理」とでも言うべき存在である。
(ドイツ、イスラエル、アイスランド等の大統領は、こうした「名目的な大統領」である。)
また、実質的な権力を持っている大統領のもとに首相という役職がある場合がある。
例えばフランス等がそうであるが、この場合の「首相」とは、大統領権力下の内閣のまとめ役としての首相であり、議院内閣制の首相とは、その権力も役割も全く異なっている。
行政権力を有する大統領は、国民に直接選ばれる。
議会も又、全く別の選挙で、国民に直接選ばれる。こういった、大統領体制の下では、基本的に大統領と議会は対等の立場にある。共に、国民全体から選ばれているからである。
議院内閣制においては、国民が直接選ぶのは、議会だけである。
議会の中で、議員の相互 選出によって、首相が決定される。
その首相が内閣を組織し、行政府を統括する事になる。
この体制下では、国民が直接、首相を選ぶ事はあり得ない。
4/6 【国民の為の政治学】第4講 大統領制と議員内閣制の違い?[H22/3/5]
世襲的王政が存在する国家では、議院内閣制が採用されている。
王さまが国家元首であり、首相はその下の行政権力の最高責任者となる。
元首と首相の立場の違いを明確に認識する必要がある。イギリスの諺に「王は君臨すれども、統治せず」というのがある。
この諺が元首と首相の違いをよく言い表している。
伝統的な王政は、「権威」を持ち、国家体制と権力の正統性を保証する。
これが「君臨する」という言葉の意味である。
首相は、「実質的な権力」を握り、統治行為を行う。
この違いが重要である。
イギリスの歴史を見ると、1066年、フランスのノルマンディー地方にいたノルマン人 が、イギリスを征服している。
彼らは、貴族となって、イギリスを統治する側に回った。
これに対して、被支配民族となった、アングロ・サクソン達は、議会を中心に、粘り強く権力を伸長させ、貴族達の権力を徐々に覆してきた。
イギリスの議会権力の発展史は、単にデモクラシーの発展史ではない。
裏面から見れば、支配者階級となったノルマン人に対する、アングロ・サクソン人達の民族闘争の歴史でもある。
日本においては言うまでもなく、天皇陛下が国家元首であり、権力の正統性の大本となっている。
日本の歴史を見ると、摂政・関白であれ、征夷大将軍であれ、実質的な最高権力者と言えども、その権力の正統性は、天皇によって与えられるという仕組みが確立している。
日本においては、近代デモクラシーの発生以前から、権威と権力の、よい意味における二重構造が確立していたと言ってよい。
5/6 【国民の為の政治学】第4講 大統領制と議員内閣制の違い?[H22/3/5]
議院内閣制においては、世襲的王政が正統性を担保し、この正統性から権威が発生する。
一方、権力を担当する内閣総理大臣は、自らの統治の効率性が問われる事になる。
政治体制の権力の正統性には、どれくらいの種類があるだろうか。
仮に、4つのカテゴリーに分けて権力の正統性を分析してみた。
1) 伝統的
2) 合理的
3) カリスマ的
4) 暴力的
これについては、来週以降の補講で更に議論を付け加えたい。
6/6 【国民の為の政治学】第4講 大統領制と議員内閣制の違い?[H22/3/5]
第1講の内容と重複するが、大事な点なのでもう一度述べておきたい。
立憲君主制においては、君主こそが元首なのであり、大統領は存在しえない。
日本は立憲 君主制の国家であるから、大統領は原理的に存在しえない事になる。
日本において「大統領制を導入しよう」とするのは、「皇室を覆し、共和制革命を実行しよう」という事である。
大統領制を主張している人の中には、この事に気が付いていない人も結構いるようである。
首相公選制による「大統領的首相」というのも、日本においては有り得ない話である。
世界中で、首相を公選し、大統領的首相制を採用している国は1つもない。
イスラエルはかつて、首相公選制を実施していたが、既に廃止してしまっている。
次回・第5回目の政治学講座は、3月12日(金)の夜です。
「第5講 3月12日 マスメディアと政治の関係とは?」もお楽しみに!
※ 前回の第3回講座配信において、ブログ記事のリンクの貼り間違いがありました。
(2番目の映像が、抜けてしまい、6番目の映像が2回貼られていたようです。もし、見られなかったという方は、訂正されてありますので、再度、ご確認頂ければと思います。)
↑ これもお気づきになったブログ読者の方からの御知らせメールによって、知る事ができ、訂正させて頂きました。
合わせて御礼、申し上げます。有難うございました。
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特に一昨日に、サイバーテロについての発言後、世界から、膨大なメールが受信され続け、あっという間に、一般の連絡メールとの仕分け作業が必要な状態となっております。
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【御知らせ! いよいよ明日は…、
◆ 3.6 頑張れ日本!外国人地方参政権絶対阻止! 民法改悪!「家族解体法案」絶対阻止! 街頭宣伝活動 in 横浜 です!!】
日時: 平成22年3月6日(土) ※ 雨天決行!
12時00分 「渋谷」駅 ハチ公前広場にて街頭演説
(田母神俊雄、三輪和雄、松浦芳子、村田春樹 ほか地方議員等 予定)
横浜へ移動
13時00分 「横浜」駅西口 高島屋付近にて街頭演説
(田母神俊雄、藤井厳喜、三輪和雄、水島総、松浦芳子 ほか地方議員等 予定)
主催:頑張れ日本!全国行動委員会、草莽全国地方議員の会、外国人地方参政権絶対阻止行動委員会
日本文化チャンネル桜ニ千人委員会有志の会 ほか
ご連絡先:草莽全国地方議員の会 TEL/FAX 03-3311-7810
日本文化チャンネル桜二千人委員会有志の会 TEL 03-6419-3900
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※ 「今回、はじめて藤井厳喜アカデミーを知りました! 最初(ガイダンスも含む)から勉強したいです」という方は、このブログの『カテゴリー: 「藤井厳喜アカデミー」』をソートして頂ければ、最初から整理された一覧状態で学んで頂く事が容易だと思います。
全く、この講座を御存じない方に、ご紹介して頂く場合は、このアドレスを【藤井厳喜アカデミー・ブログ http://www.gemki-fujii.com/blog/cat67/ 】ご紹介頂けますと、分かりやすいかと思います。
「国民の為の政治学」全体のカリキュラムは以下に示す通りです。
【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
本日は、MPJ(メディア・パトロール・ジャパン http://mp-j.jp/ )誕生の記者会見にも行ってきました。
記念すべき、日本における新メディアの誕生です!
明日、午後6時よりスタートです。
私のブログもリンクする他、週1程度、短いコラムも連載予定です。此方も、お楽しみに!
さて、いよいよ、政治学講座、第3講を配信いたします。
テーマは、「比例代表制と小選挙区制の違い」についてです。
世界の民主国家、特に先進国を見ると、国会の選挙の仕方は、比例代表制か小選挙区制かのどちらかです。
それぞれのシステムのメリットとディメリットを正確に把握する事が、要点です。
「政権の安定」と「多様な意見の反映」の二つの価値の間のトレードオフの関係を見る事が重要です。
どちらが優れた選挙制度かは、判断する事が出来ません。
それぞれに長所と欠点を抱えています。
意外なことかもしれませんが、小選挙区制を採用しているのは、世界では、英米をはじめとするアングロサクソン系の諸国だけです。
ヨーロッパ大陸では、広く、比例代表制が採用されています。
議会の選挙に関連した1票の格差や、二院制の意味についても考えてみます。
現在の日本の衆議院の選挙制度は、「小選挙区・比例代表制」と呼ばれています。
ロジックの全く異なるこの2つの制度を組み合わせる事が如何に馬鹿馬鹿しいものであるかも認識する必要があるでしょう。
ただし、現在の小選挙区制を主流とする選挙のやり方が、日本の政治文化に適合しているかどうかには疑問があります。
長い間、日本の選挙制度は、中選挙区制という日本独特のシステムで安定してきました。
あれか、これか、白黒をハッキリさせる小選挙区制に支えられた二大政党制が日本の国情にあっているかどうかは、これから我々が判断すべき課題です。
では、以下の7本の動画をご覧ください。
1/7【国民の為の政治学】第3講 比例代表制と小選挙区制の違い? [H22/2/26]
世界では、国会議員の選出の仕方は大体2種類しかない。
それは比例代表制と小選挙区制 である。
近代のデモクラシーは、代議政治(Representative Goverment)であるから、その代議士(国会議員)を選ぶ、選び方はデモクラシ ーの根幹をなす制度である。
特に、議院内閣制においては、国会議員の互選で首相が決まるので、国家の最高の権力者 を決める国会議員選挙は極めて重要である。
2/7【国民の為の政治学】第3講 比例代表制と小選挙区制の違い? [H22/2/26]
小選挙区制の論理。一選挙区で、一人の代議士しか選ばないという選挙のやり方である。
極端な話、一票でも 多い方が、選挙で勝利を収める。
こういう小選挙区制では、小政党が勝利を収める可能性 は極めて低い。
つまり、選挙民は勝つ可能性のある有力な政党の候補者に、票を集中させる事になる。
この力学の為に、小選挙区制を採用すると、政党の数は、減少せざるを得ない。
典型的には2大政党制となる力学が働く。
選挙民は、常に大きな勢力を誇るトップ2つの政党のどちらかを選ぶ事を迫られる。
少数 政党への投票は、所謂、「死に票(Dead Vote)」となる。
そればかりではなく、一票でも少なければ、第2位の候補が獲得し た票は全て「死に票」となる。
こうした小選挙区制のメカニズムについて解説した。
3/7【国民の為の政治学】第3講 比例代表制と小選挙区制の違い? [H22/2/26]
比例代表制とは何か。
大きな選挙区を作り、その議席を各政党の得票数に応じて分配する 選挙方式である。
英米など、アングロサクソン系の諸国は小選挙区制を採用しているが、ヨーロッパ大陸諸国は、ほぼ全て比例代表制を採用している。
この制度を採用すると、議会で議席を持つ政党の数が増える。
小選挙区制と異なり、小政 党でも議席を確保する事が出来るからである。
政党の数が増え過ぎて、小党乱立となる危 険もある。
その為に、どの国でも、適当な足切りを行う事になる。
足切りとは、ある一定のパーセント以上を取らなければ、議席が配分されないという制度である。
例えば、5%以上の得票をしなければ、政党を配分しないというようなシステムである。
比例代表制は、多数の政党が議会で活躍し、政治が不安定になる事を承知の上で、敢えて 多様な意見を国会に反映させようというシステムである。
小選挙区制は、少数意見を比較的無視しても、国会で安定した多数党を作り出し、政権の運営を安定させようという考え方である。
比例代表制は、国会で活躍する政党が増え、安定した多数党が生まれなくても良いから国会で少数意見を重視しようという考え方である。
つまり、政権の安定よりも、少数意見の 反映を重要と考える考え方がその根本にある。
このように小選挙区制と比例代表制には、それぞれメリットとデメリットがある。
また、それぞれの制度を支える根幹の哲学と論理がある。
どちらが優れているという事は言えない。
それぞれのシステムが短所と長所を持っている。
「安定を選ぶのか」、「意見の多様性を選ぶのか」、そのどちらを優先させるかという事である。
安定と意見の多様性の間のトレードオフの関係をよく把握しておくことが大事である。
4/7【国民の為の政治学】第3講 比例代表制と小選挙区制の違い? [H22/2/26]
フランスの政治学者モーリス・ディベルジェは、選挙制度と政党制の間の単純な因果関係を発見した。
小選挙区制は二代政党制を生む傾向にあり、少なくとも政党の数を減らす傾向にある。
比例代表制は多党制を生みだす傾向にある。
デュベルジェの名著は『政党社会学―現代政党の組織と活動 (1970年)
』として日本語に翻訳されている。
政党に関する最も 古典的な著作である。
多党制といっても、安定した多党制と不安定な多党制の2つを考える事が出来る。
安定した多党制においては、政党の数が限られ、連立政権の成立によって、政権運営が安定する 。
革新連合と保守連合が存在し、政権交代が行われ、事実上、二大政党制と似たような機能を果たしている。
北ヨーロッパやドイツの多党制は、このような安定した多党制の好例である。
これに対して、多党制が事実上の少数政党乱立となり、政権が安定しない場合もある。
第一次大戦後のドイツ、第二次大戦後のイタリアやフランスの政治などはこの典型であった。
5/7【国民の為の政治学】第3講 比例代表制と小選挙区制の違い? [H22/2/26]
1人1票の持つ意味。また、1票の重さの違いについても考えてみよう。
1票の重さが必ずしも同じでなければならないとは言えない。
それは代表を選ぶロジック と価値観の違いである。
例えばアメリカ合衆国においては、カリフォルニアやテキサスの ような大きな州からも、ハワイやロードアイランドのような小さな州からも上院議員は2人ずつ選ばれている。
上院議員選挙に関しては、人口の大きな州と小さな州の間では、日本人が想像出来ないほどの1票の格差が生じているのである。
ところがこの格差を否定したり、是正しようというアメリカ人はいない。
何故だろうか?
アメリカ合衆国が独立した時に、13の州はその人口の多少に関わらず、皆、平等な存在 であった。
特に外交政策の決定に関しては、人口の多少に関わらず、平等な発言権を持つべきである、との合意が存在し、この為、大きな州も小さな州も平等に上院議員を選出する事となったのである。
上院は外交案件に関して優先的な審議権を有している。
この伝統 が守られた為に現行のような制度となっているのである。
これに対してアメリカの下院は連邦予算に関して優先的な審議権を有している。
この下院選挙においては、厳密な小選挙区制が実施されている。
下院の選挙においては、極端な1 票の格差は存在しない。
10年に1度の国勢調査の結果をみて、常に1票の重さに極端な 格差が存在しないように、厳格な選挙区割りの変更が成されている。
大事な事は、アメリ カの上院と下院においては、代議士を選出する論理が全く異質であるという事である。
論理が一貫しているならば、1票の重さに格差が生じても当然の事なのである。
6/7【国民の為の政治学】第3講 比例代表制と小選挙区制の違い? [H22/2/26]
更に、二院制の意義について考えてみたい。
アメリカのような共和国を除けば、二院制の 根源は封建時代の身分制議会である。
この事はイギリスの国会に最もよく現れている。
現在、イギリスの貴族院は殆どその役割を失っている。
日本では戦前、貴族制度が存在した ので、貴族院が上院として存在する意義があった。
戦後の体制では、参議員の独自の存在 意義を見つける事は難しい。
一院制度の欠点を補う為に、参議院が専門家によるシンクタンク的機能を持つならば、その存在意義は、貴族制度が廃止された現在も、十分に存在しうるであろう。
参議院が衆議院のコピーに過ぎないならば、最早その存在意義はないと言える。
7/7 【国民の為の政治学】第3講 比例代表制と小選挙区制の違い?[H22/2/26]
日本の選挙区制の変遷。
かつて日本は中選挙区制という特殊な選挙制度を採用していた。
1つの選挙区から3人、4人ないしは5人の代議士を選出する制度であった。
このような 選挙制度を採用しているのは、ほぼ日本だけであったと言ってよい。
明治以来、日本は大 選挙区制も経験し、小選挙区制も経験し、戦後はこの中選挙区制で長い間、選挙区制度は 安定してきた。
ところが、この中選挙区制度が自民党の中の派閥政治の原因となっているという批判を受 け、現在の小選挙区・比例代表制が採用された。
衆議院の場合、比例代表はあくまで補完的であり、主な議席配分は小選挙区制で決定されていると言ってよい。
それでは、日本の政党政治が抜群に改善されたのかといえば、そうとは言えない事は皆さんがご存知のとおりである。
二大政党制を生み出すような選挙制度 は確かに採用された。
しかし、自民党と民主党の間にねじれ現象が存在している。
自民党 の中にも、民主党の中にも、多様な考え方が混在し、「自民=保守」「民主=革新」と割り切って考える事も出来ない。
これでは所謂、仏作って魂入れずという状態である。
また、小選挙区制が新人の登場を難 しくしているという現状もある。
自民党に一票を入れる事の意義、民主党に一票を入れる 事の意義が選挙民にはハッキリ分からないような構造になっている。
(民主党は、ついに 自ら公表したマニフェストすら否定してしまった。)
次回・第4回目の政治学講座は、3月5日(金)の夜です。
「第4講 3月5日 大統領制と議院内閣制の違いとは何だろう?」もお楽しみに!
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【御知らせ! いよいよ明日は…、 2.27 頑張れ日本!国民大行動 in 秋葉原 です!!】
私も明日は12時頃からは、ずっと秋葉原駅前に立って、スピーチを行います!!
是非、ご参加ください!!
◆頑張れ日本!外国人地方参政権絶対阻止!選択的夫婦別姓絶対阻止!国民大行動 in 秋葉原
日時:平成22年2月27日(土) ※ 雨天決行!
11時00分 準備 秋葉原・和泉公園 (東京都千代田区和泉町2)
12時30分 集合 秋葉原・和泉公園
13時00分 デモ出発
13時30分 デモ到着 秋葉原公園 (東京都千代田区神田佐久間町1-18)
※ デモ終了後、街頭宣伝活動も予定
主催:頑張れ日本!全国行動委員会(準備委員会)、草莽全国地方議員の会
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【御知らせ】 2月28日は、藤井厳喜、静岡県浜松市での講演です。
2010年2月28日 浜松市での藤井厳喜講演会が決定!是非、静岡県近郊の方にご紹介ください!
日本大好き「五節句の会」トークライブ
日時: 2月28日 開場 16:00 開演 16:30
場所:雪月花 【地図は此方をクリック】
御申込・詳細は、http://www.otogi-z.com/otogi/live/2009/splive/special09-01.html
予約制:2500円 (1ドリンク付)
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本日の講義は、藤井厳喜アカデミー「国民の為の政治学」講座、第2回「国内政治と国際政治の違いとは何だろう?」(既に2月19日配信済)のより詳しい補足解説版として、お送りさせて頂くものとなります。
先ず、アテネの民主制の発達においては、兵役の拡大が、そのままに参政権の拡大であった事を、やや掘り下げて講義します。
「兵役の義務」と「参政の権利」は、一対のものです。
この点から考えれば、外国人参政権が如何に理不尽なものかが分かります。
次に、『主権国家とは何か』、特に「主権」という言葉を使う意味は何なのか?
簡単に言えば、主権とは、国家を統括している単一の権力の事です。
主権が分割されるという事は、実は国家が分裂しているという事に他なりません。
また、国防の中心である「抑止力」という言葉の意味するところについても、正確な議論を展開しています。
日本の現在の政府が言う「専守防衛」では、抑止力が持ち得ない事を論証しています。
3番目の補講映像では、フランス人思想家・モンテスキューが主張した『三権分立』の考え方について、その中身を検討しています。
モンテスキューは衆愚制に陥りやすい民主政治の欠点についても十分把握しており、国家を如何にバランスよく運営するかとの観点から、三権分立を主張しました。
「三権分立」の考え方は、独裁制、貴族性、民主制の三つの体制の良いところを組み合わせようという基本理念に発していると言ってもよいでしょう。
アメリカの三権分立は、モンテスキューの三権分立の考え方を比較的そのまま現実に移したものです。
「大統領制」は独裁制的であり、「連邦最高裁」は貴族制的であり、「連邦議会」は民主制的です。
この三者にチェック&バランス(抑制と均衡)が働くように、アメリカ憲法は構成されています。
では、本日の講義をご覧ください。
1/3【国民の為の政治学】第2講補足篇・国内政治と国際政治の違い[H22/2/21]
2/3【国民の為の政治学】第2講補足篇・国内政治と国際政治の違い[H22/2/21]
3/3【国民の為の政治学】第2講補足篇・国内政治と国際政治の違い[H22/2/21]
【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
※ このように、随時、12回の正規講義に加え、適宜、必要に応じ、より詳しい補足講義でフォローアップも検討しています。
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全く、この講座を御存じない方に、ご紹介して頂く場合は、このアドレスを【藤井厳喜アカデミー・ブログ http://www.gemki-fujii.com/blog/cat67/ 】ご紹介頂けますと、分かりやすいかと思います。
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そして、次回・第3回目の政治学講座は、2月26日(金)の夜です。
「第3講 2月26日 比例代表制と小選挙区制の違いとは何だろう?」もお楽しみに!
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※ 今回の第2講のフォローアップ・特別版は2月21日(日)週末に約30分程の講義を配信予定です。
このように、随時、12回の正規講義に加え、適宜、必要に応じ、より詳しい補足講義でフォローアップも検討しています。
【藤井厳喜アカデミー関係動画・復習用の動画再生リストが出来ました】
■再生リスト【第1弾・藤井厳喜アカデミー国民の為の政治学講座・全篇】
http://www.youtube.com/watch?v?=zn5eCTbgHxc&list=PL72D9C8776C?E15846 ← 2010年2月1日開校のガイダンスから全12回講義、補講まで全講座をまとめました。
■再生リスト2 【第2弾・藤井厳喜アカデミー 経済篇(随時更新)】
http://www.youtube.com/my_playlists?p=E4F42E64ED2C36F7
本日の講義は、「国内政治と国際政治の違いについて」です。
一番大事な点は、国際政治においては、主権国家は全く並列的に平等な存在であり、その点から言えば、世界は慢性的な戦争状態にあると言っても過言ではありません。
主権国家が国益の増大を求めて戦争を起こす事は、国際法上は全く合法的な行動なのです。
国内政治と違い、世界に単一の法秩序は存在しません。
また、現在存在する秩序を破って戦争を始めたとしても、これを罰する法的執行力をもった世界政府は存在しません。
俗な言い方をすれば、国際政治においては、秩序を破壊し、悪い事をやっても、警察はこないのです。
主権国家の悪は、他の主権国家が実力によって正さねばなりません。
これもまた、国家間の戦争を呼び起こします。
国内政治には、単一の法的秩序が存在し、この法的秩序を破れば、それは即、犯罪行為となります。
犯罪行為を犯せば、国家の法的執行力(多くの場合、警察権力)が行使されます。
悪い事をすれば、警察が来て、牢屋に入れられ、裁判にかけられるのです。
このようなプロセスは国際政治には存在しません。
全ての主権国家は相互に平等であり、世界は潜在的な無秩序状態にあります。
以上の様な点が、国内政治と国際政治の最も大きな違いです。
このような、主権国家の並存という体制は、ヨーロッパにおける1648年のウェストファリア条約の締結から始まっています。
主権国家は相互に平等であり、内政干渉はしないのが原則です。
しかし近年では、環境問題や人権問題に関しては、内政干渉も許されるべきだ、との新しい考え方も浮上しています。
主権国家が相互に平等であるという事は、それぞれの国家にそれぞれの正義がある事を認める事です。
国際法はこのような完全に相対主義的な理念に基づいて構成されています。
伝統的な国際法の考え方では、A国の正義とB国の正義の間には何ら正邪・善悪・優劣の差はありません。
それ故に、日本が自らの国益の拡大の為に、英米に宣戦を布告した大東亜戦争は、それ自体、全く何ら批難される事のない国際法上の行為でした。
国際法上、国家には戦争をする権利が認められているのです。
通常、言われる「国際法違反」とは、正しく言えば、「戦時国際法の違反」の事です。
それは主に、「非戦闘員の組織的計画的殺戮」の事です。
戦場において、戦闘員同士が殺し合う事は、国際法上、全く合法的な行為です。
国内政治と国際政治の違いが分かれば、「国内法と国際法の違い」も自ずから分かるでしょう。
国際法とは、国内法で言われているような制度的な法執行権力によって守られていない存在です。
国際法は主に、二つの部分から構成されています。
第一は、国際的な外交慣習法であり、第二は国家間の条約です。
慣習法の方は、主にヨーロッパ諸国間で発達してきた暗黙のルールです。
例えば、日本にあるイギリス大使館の土地は、日本にとっては治外法権であり、イギリスの領土と見なされている事などです。
国家間の条約については、改めて説明する必要もないでしょう。
重要な事は、外交慣習法が革命等によって破られる事は度々あるし、条約違反が行われる事も稀ではないということです。
この場合、懲罰を与える国際的な執行権力(世界政府)は存在しません。
ルールを破られ、被害を被った国が自らの力でルールを破った国を制裁するしかありません。
しばしばこれは国家間の戦争となります。
そもそも国際条約とは、自国に利益がある為に締結するものです。
自国の国益にならないと思えば、それを破棄するのは当然の事です。
それ故に、国際政治学は、「全ての国際条約は暫定法である」と教えています。
また例えば、IMFやWTO等の多国間組織の協定をある国が破ったとします。
この場合、考えられる最大のIMFやWTOの制裁措置は、これらの国際組織から当該国を追放する事です。
別の言い方をすれば、それ以上の制裁は考えられません。
それ故に、もし「核拡散防止条約(NPT)」からある国が離脱して核武装を行おうと思えば、それを原理的に防ぐ事はできません。
それに伴う様々な国際的な制裁(ウラン燃料の入手が困難になる事など)を受け入れる覚悟があれば、国連やIAEA(国際原子力機関)もそれ以上の制裁を加える事は出来ません。
これが今の北朝鮮やイランの核武装を取り巻く国際情勢の基本になっています。
要は、世界というところは極めて不安定なところであって、究極的には自国の安全は自国の力で守るしかないのです。
では、今回の本講義をご覧ください。
尚、今回もまた、日曜日の夜(夕方以降)には、補講(約30分を予定)を配信致しますので、此方も合わせて受講頂ければと思います。
【藤井厳喜アカデミー関連で、寄せられた多くの質問・問合せについて(公開回答)】
(1) 前回、第1回講義で、私の過去著作『戦後民主主義の幻想』を参考図書としてご紹介させて頂きましたところ、AMAZONの中古で残っていた(紹介時点で約20冊以上あったので安心していたのですが…)全ての在庫が完売してしまったようです。
また直接、お問合わせを頂いた方につきまして、著者事務所で私が確保していた分も含め、手に入る分はお送りさせて頂く対応を取らせて頂きましたが、そちらも現時点で全てなくなり「在庫ゼロ」となってしまいました。
こんなに熱心に多くの方々にお求め頂き、著者として本当に嬉しく思っております。
AMAZONの中古市場には、またポロっと出るかもしれませんので、是非、宜しければチェックしてみてください。
そして何らかの参考文献や関連図書等の対応につきましては、随時、改めて、少しでも早く、何らかの形で期待にお応えできるような検討してく考えております。
お待ちいただければ、幸いです。
本当に有難うございました。
(2)ニコニコ動画への私の方でのUP及び、ニコニコ動画への転載について。
既に、CFGの公式YouTubeサイトの掲示板欄にも発表させて頂きましたが、私及び、弊社では現在、人手が足りず、現状、YouTubeへの一次ソースUPで手いっぱいとなっております。
将来的には検討させて頂きたいとも考えておりますが、今、直ぐ、私の方で、YouTubeとニコニコ動画の両方同時にレンダリングを行いUPする事は、時間的に不可能な状況です。どうか御理解を願いたく思います。
ニコニコ動画への転載については、そうした技術をお持ちの有志の方がいらっしゃいましたら、是非、お力添えを頂きたく思います。
メールでご連絡を頂きましたら、なお幸いです。
基本的にニコニコ動画への転載は許可させて頂いております。
その際、出来ましたら、検索タグに「藤井厳喜」「藤井厳喜アカデミー」等と、多くの方が情報共有し分かりやすいよう、何らかの統一性(タイトル等)を御提案頂けると助かります。
こうした事等も随時、皆様のお声を参考に、常によりよい情報発信ができるよう前向きに検討させて頂きたいと思います。
(3) 講義内容についての、素晴らしいご質問について。
次回、2日後、日曜日に公開の第2回補講の中で、私に届けられた質問等の中で、皆さんに情報共有させて頂いた方がより有益であると考えるご質問への公開回答や、ご連絡事項等も含め、回答させて頂きます。
今後も随時、様々な試みを取り入れてゆきたいと思います。
※ 私への御連絡については、以下のアドレスにご連絡を頂ければ、チェックが遅れる事もございますが、必ず情報は全て拝読しておりますので、宜しくお願い申し上げます。
(ここのところ、メールの量が連日、倍々増状態となり、全てのメールに個別返信が厳しい場合があります。状況、ご理解頂ければと願います。← それでも全て拝読は必ずさせて頂いております。)
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本日の講義は、藤井厳喜アカデミー「国民の為の政治学」講座、第1回「デモクラシー(民主政治)とは何だろう?」(既に2月12日配信済)のより詳しい補足解説版として、お送りさせて頂くものとなります。
「民主政治とは何か」「国家とは何か」を、考えるヒントをこの補講の中で、更に詳しく解説しています。
実は、民主国家の参政権と国防の義務は表裏一体のものなのです。
この事が、分かると、外国人参政権なるものが、それが地方参政権であれ、全く論ずるに値しないナンセンスなものである事が即、理解できます。
それは既に、古代アテネの民主政治においてそうであり、近代のデモクラシーにおいても当然、その原則は貫かれているのです。
1/3【国民の為の政治学】第1講特別補足篇「国家とは何か?」 [H22/2/14]
政治一般を、論ずる時に「正統性(Legetimacy)」と「効率性(Effectiveness)」という二つの概念を対にして用いる。
1つの国家形態なり、法律なり、政策なりが「良い」か「悪い」かを判断する時に、この対概念が用いられる。
「良い政策」とは、正統性もあり、効率性もあるような政策の事である。
それでは、我が国の現行憲法は、この視点からどのように評価されるのだろうか?
2/3【国民の為の政治学】第1講特別補足篇「国家とは何か?」 ?[H22/2/14]
3/3【国民の為の政治学】第1講特別補足篇「国家とは何か?」 ?[H22/2/14]
【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
※ このように、随時、12回の正規講義に加え、適宜、必要に応じ、より詳しい補足講義でフォローアップも検討しています。
「国民の為の政治学」全体のカリキュラムは以下に示す通りです。
【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
そして、次回・第2回目の政治学講座は、2月19日(金)の夜です。
「第2講 2月19日 国内政治と国際政治の違いとは何だろう?」もお楽しみに!
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《藤井厳喜より、2・14の感謝メッセージ》
本日は、バレンタイン・デイの応援レター、激励のお便り等を沢山頂き、有難うございました。
今までもズット、かたい本を書いてきたので、女性読者からの御意見やご感想をこんなに沢山頂いたのは初めてです。これもブログ等、NET効果でしょうか。
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政治学講座の第1講は、「デモクラシーとは何か?」を、解明する事である。
我々はあまりに安易に民主主義、民主主義と言い過ぎているのではないか。
民主主義が良いとか悪いとかいう前に、私はそもそも、民主主義なるものは元来、存在しないものであると考えている。
英語のデモクラシーを民主主義と訳したのは明らかな誤訳である。
先ず、その事を明確にしておきたい。
それでは、デモクラシーとはどのようなものなのか、言葉の正確な定義から始めようではないか。
簡単明瞭な定義なくして、正確な認識を得る事は出来ない。
学問の第一歩は、明瞭な定義から始まる。
明確な概念(コンセプト)を、使う事によって我々は明確な思考をする事が出来る。
全てが曖昧な状況の中から、明快な認識を導きだす事が学問の役割である。
明快に考える事が出来なければ、明快に行動する事は出来ない。
私が講義するところは一見、抽象的で概念的な事だと思うが、実はこれが最も明快な具体的な行動の基礎となってゆくのである。
人間は、頭脳によってしか行動する事が出来ない。
曖昧な認識は破綻した行動を生みだす。
明快な認識は、明快な行動となって表れ、希望する結果と結びついてゆく。
曖昧さを排し、明快さを求める事は、人間が最も深いところで欲求する事でもある。
概念的(コンセプチュアル)である事が実は、最も現実的である事に人々は気付くであろう。
「抽象的な事が実は、最も具体的である」といったヘーゲルは、存外正しかったのである。
やや、ペダンティックな序説で恐縮。
以下の講義を、シッカリご覧頂きたい。
【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
※ 今回の第1講のフォローアップ・特別版は2月14日(日)週末に約30分程の講義を配信予定です。
このように、随時、12回の正規講義に加え、適宜、必要に応じ、より詳しい補足講義でフォローアップも検討しています。
↑ 参考文献として、ご紹介いたしました書籍『教科書では教えない戦後民主主義の幻想―戦後体制の呪縛から脱出せよ
』です。
尚、この第1講「デモクラシー(民主政治)って何だろう?」の更に補足的な特別講義が、番外編として2月14日(日)、週末に公開されます。
是非、此方も合わせて受講頂ければと思います。
このように、全12回の正規講義を柱に、適宜、そのより詳しいフォローアップも検討していきたいと考えています。
「国民の為の政治学」全体のカリキュラムは以下に示す通りです。
【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
そして、次回・第2回目の政治学講座は、2月19日(金)の夜です。
「第2講 2月19日 国内政治と国際政治の違いとは何だろう?」もお楽しみに!
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【お知らせ; いよいよ明日! 東京―2・13中国の「台湾併呑」阻止!日台共闘決起集会】
※ 私もこの日は、2ヶ国語でのスピーチを行います!是非、ご参加を!
台湾併呑のため、すでに無制限戦争を遂行しているChina。そしてこの生命線の島の危機に無為無策なのが日本だ。中国は軍事と言う物理的手段とともに、情報戦等々の非物理的手段をも行使している。
例えば併呑を正当化するため、「日本の中共への台湾返還」を以って「一つのシナ」を宣伝し、国際世論の反対を抑え込む「法律戦」も有効なるその一環。これに対して日本政府は、昨年の斉藤駐台代表事件で見られた如く、「返還はない」との法的事実(台湾の地位未確定論)を、シナを恐れて敢えて表明できずにいる。
従って国民一般も「一つの中国」の束縛からいつまでも脱却できないままだ。これで台湾有事の際、果たして日本は日米同盟の一員として戦うことができるのか。
日本に対するシナの軍事的「脅威」は、「台湾」から襲来する。しかし「台湾」は同時にまたシナ共産党政権の「アキレス腱」でもあるのである。
そこで無制限戦争に対抗する国民反中運動を強化、拡大すべく、以下の要領で日台共闘の決起集会を開催する。ふるって参加を!
【日時】2月13日(土)午後6時から8時半
【場所】文京区民センター3Fホール(地下鉄「春日駅」「後楽園駅」スグ。文京シビック斜向かい)
【講演】
西村真吾氏(前衆議院議員)「日台同盟がアジアの未来を拓く」
藤井厳喜氏(国際問題アナリスト)「東アジアの動乱と無制限戦争の時代」
水島 総氏(日本文化チャンネル桜代表)「進行する中共の対日本・台湾情報工作」
永山英樹氏(台湾研究フォーラム会長)「中共の宣伝戦を破る『台湾の地位未確定論』」
【参加費】1000円
【主催】日本李登輝友の会、メルマガ「台湾の声」、台湾研究フォーラム、台湾独立建国聯盟日本本部、在日台湾同郷会
【問合せ】日本李登輝友の会 03-3868-2111 info@ritouki.jp
■2月28日(日)には毎年恒例の「2・28台湾防衛デモ」を東京・大阪で実施し、台湾防衛、三民族解放を訴える計画。
★ 【 Cambridge Forcust Group of Japan.Co 藤井厳喜チャンネル】
http://www.youtube.com/user/zingrace1213 (登録自由)
【藤井厳喜Twitterサイト】 とうとう開始しました!
https://twitter.com/GemkiFujii
『藤井厳喜アカデミー』の開講
今日からいよいよ、満を持して、藤井厳喜アカデミーを開講致します。
実は、私の周りに、若い人を集めて個人的に講義をする「藤井塾」の活動はアメリカから帰国した直後からコツコツと月1回のペースで続けてきました。
これが諸般の事情により、しばらく中断していたのですが、今回、その復活という意味も含めて、体系的な政治学入門講座をインターネット上で開講することに致しました。
私は過去、いくつかの日本の大学で、一般教養の政治学という科目を担当してきました。
普通、一般教養の政治学は、非常につまらない内容のものが多いのですが、私は民主国家・日本の国民がよりよく政治参加する為の知恵を伝授したいというつもりでこの科目を教えてきました。
今、関係している大学では、政治学を教えるチャンスがない事もあり、この講座の開講に踏み切った次第です。
さらに、昨年来の出来事や、運動が私に政治学的常識の普及の必要を実感させたという事もこの講座開講の大きな推進力となっています。
例えば、外国人参政権の問題や、道州制の問題、さらに天皇の国事行為の問題。
またNHK問題に表れたように、マスコミと政治との関係。
これらの問題を正確により深く分析し、有効な行動に結びつけるためには、それなりの理論武装(元来、左翼用語であまり好きな言葉ではないですが)が必要だと痛感しました。
ある程度、現実の政治運動や国民運動に参加し、関わってきた体験が、今、政治学を教えるのに大変役に立つと思っています。
20年前の私よりは、今の私の方が、経験も踏まえて、国民の為の政治学をよりよく教授できるのではないか、と感じています。
全体のカリキュラムは以下に示す通りです。
【『藤井厳喜アカデミー』講義要項案―「国民の為の政治学」カリキュラム】ファイルをダウンロード
詳細カリキュラム表のURLは
http://www.gemki-fujii.com/blog/%E8%97%A4%E4%BA%95%E5%8E%B3%E5%96%9C%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%87%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%80%8C%E5%9B%BD%E6%B0%91%E3%81%AE%E7%82%BA%E3%81%AE%E6%94%BF%E6%B2%BB%E5%AD%A6%E3%80%8D%E8%AC%9B%E7%BE%A9%E8%A6%81%E9%A0%85.pdf
此方に、各配信スケジュールや講義内容、詳細が記載されています。(PDFファイル)
是非、全12講の講義を受けてみてください。
《国民の為の政治学》 1回、約1時間×全12回予定
第1講 2月12日 デモクラシー(民主政治)とは何だろう?
第2講 2月19日 国内政治と国際政治の違いとは何だろう?
第3講 2月26日 比例代表制と小選挙区制の違いとは何だろう?
第4講 3月5日 大統領制と議院内閣制の違いとは何だろう?
第5講 3月12日 マスメディアと政治の関係とは?
第6講 3月19日 政党の役割とは?
第7講 3月26日 デモクラシーはどのように発展して来たのだろうか?
第8講 4月2日 革命は何故、どのように起きるのだろうか?
第9講 4月9日 政治と文化と宗教の関係とは?
第10講 4月16日 政治家論:政治家に求められる資質とは?
第11講 4月23日 地方分権と中央集権の関係とは?
第12講 4月30日 様々な政治思想の違いとは何だろう?
具体的で分かりやすく、かつ、理論的な高い水準の講義である事をお約束します。
(※ ガイダンスの3番目の映像が「非公開」モードに長い時間なってしまっていたようで失礼いたしました。訂正致しましたので、是非、御覧ください。)
★ 【 Cambridge Forcust Group of Japan.Co 藤井厳喜チャンネル】
http://www.youtube.com/user/zingrace1213 (登録自由)
※ 私への御連絡については、以下のアドレスにご連絡を頂ければ、チェックが遅れる事もございますが、必ず情報は全て拝読しておりますので、宜しくお願い申し上げます。
藤井厳喜へのメッセージ、講演依頼も、以下アドレスまでお願いいたします。
ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ事務局e-mail : info.cfg.future@gmail.com
【お知らせ】 私も、フルタイムで参加します。是非、ご参加を!!
2.2 頑張れ日本!全国行動委員会結成大会& 日本解体阻止!全国総決起集会
平成22年2月2日(火) 於・日比谷公会堂
最寄り駅 東京メトロ:丸の内線・日比谷線「霞ヶ関駅」、日比谷線・千代田線「日比谷駅」 都営地下鉄:三田線「内幸町駅」
JR:山手線・京浜東北線「有楽町駅」「新橋駅」
14時00分 頑張れ日本!全国行動委員会 結成大会 大シンポジウム
・ 趣旨説明、討論、決意表明、各界人士 演説、全国地方議員決意表明、ビデオ上映
17時00分 頑張れ日本!日本解体阻止!全国総決起集会
・ 各界人士 演説 (国会議員、地方議員、文化人 その他)
・ 「大会宣言」 及び 「頑張れ日本!全国行動委員会結成宣言」採択
20時00分 終了
主催 頑張れ日本!全国行動委員会(準備委員会)、草莽全国地方議員の会、日本文化チャンネル桜ニ千人委員会有志の会
連絡先 草莽全国地方議員の会 TEL 03-3311-7810
日本文化チャンネル桜二千人委員会有志の会 TEL 03-6419-3900
※ 案内チラシは こちら↓
http://www.ch-sakura.jp/sakura/ganbarenippon0202_flyer.pdf(随時更新予定)