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《拡散希望》【藤井厳喜News解説】仏大統領選の結末:弱体化するユーロ、財政規律への反乱!(動画解説付)

投稿日:2012,05,08

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弱体化するユーロ、財政規律主義への有権者の反乱
― フランス・ギリシャの選挙結果が物語るもの


YouTube: http://youtu.be/cgEmRp053zs
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm17776040


 5月6日、フランスで大統領選挙、ギリシャで国会選挙がありました。
フランスでは野党とオランド候補が勝ち、ギリシャでは連立与党が敗北しました。

両国では、有権者が従来の財政規律一辺倒の政策への反対の意思を明らかにしたのです。

その前の4月21日には、オランダで、やはり緊縮財政への合意が得られなかったことから、連立内閣が崩壊しています。

財政規律原理主義を押し通そうとするドイツと、それに反対するフランスとの間には、明らかな対立が生まれました。
以前、行われたスペイン、ポルトガル、アイルランドの選挙においては、財政再建を公約した政権が誕生しました。
しかし、フランス大統領選挙とギリシャ国会選挙では、有権者はこの処方箋を拒否したのです。
オランダでも同様でした。

その結果、今後、ユーロが弱い通貨になることは、ほぼ確実です。
EUの統一が乱れ、特に独仏間に亀裂が生じた為に、そして緊縮財政への反対がいくつかの国で表面化した為に、ユーロは今後、弱くならざるを得ません。
相対的に言えば、円の独歩高が益々進むことになるでしょう。

アメリカ経済も、順調な回復過程にあるとは言えません。
非農業部門の就業者数の伸びが、4月に停滞したことから、景気回復を楽観視する人は減っています。
結果として、アメリカは、所謂「QE3」へ踏み込まざるを得ないでしょう。

ヨーロッパでも、様々な処方箋が検討されるでしょうが、ヨーロッパ版の量的緩和であるLTROの第3弾をやらざるを得なくなる可能性が濃厚です。

そうすれば、ドルもユーロも益々弱くなるので、円がかつてない独歩高に追い込まれる事は確かです。
最も、1ドル=75円に近付けば、日本の当局は市場介入するでしょうが、大きな市場の流れを押しとどめることは出来ないでしょう。


フランスのオランド新大統領は、財政規律の確立に反対しているわけではありません。
2013年の財政赤字目標は、GDPの3%以内に抑えると言っていますし、任期が満了する5年後の2017年には、財政均衡を達成する事を公約しています。
但し、公共支出は、今後5年間で200億ユーロ拡大し、その為の増税は富裕層や企業に負担させる方針です。
そして、今後5年間で、学校の教職員を6万人、警察官を5000人、新たに雇用すると言っています。

 オランド候補に言わせれば、財政規律の確立を目指しながらも、経済成長を促進する政策を取らなければならず、その為には、「大きな政府」も必要であるということです。
メルケル独首相は、早くも「ユーロ圏の財政協定を見直すつもりはない」と、オランド新大統領の要求を拒絶する旨、発言しています。
これに対して、オランド新大統領は、欧州中央銀行に対し、成長支援策をとる事を要求しています。
又、欧州安定化メカニズム(ESM)に銀行免許を与えるか、ESMが直接各国政府へ融資できるような改革を求めています。
更に、EU財政協定を改定し、ユーロ共同債の発行を実現して、成長促進策を採用するように主張しています。

こういった点で、現在のドイツ・メルケル政権と、オランド仏新政権との亀裂は明らかです。
ドイツ側は盛んに表面上は宥和と話し合いのポーズをとっていますが、この亀裂を軟着陸させる事は、非常に難しいでしょう。

6月10日と17日には、フランスの国会選挙が行われます。
おそらくこの選挙で、オランド支持勢力が勝利するでしょうから、フランスでは大統領と議会が一致して、財政規律原理主義に反対する事になるでしょう。

最も、ドイツ国内を見渡すと、最近の地方選挙(シュレスウィッヒ・ホルシュタイン州議会選挙)で、メルケル首相の与党・キリスト教民主同盟(CDU)は大敗しています。
ドイツ国内にも、メルケル政権の財政規律一辺倒への反対の声は結構、拡がっているのです。

2013年には、ドイツで総選挙が行われますが、ここで現在、野党の社会民主党(SPD)が勝てば、独仏関係は、協調する可能性も高くなるでしょう。
ドイツ左派の社会民主党は、フランス社会党のオランド新大統領と類似した政策傾向をもっています。

オランド新大統領は、EUの中で、必ずしも孤立しているわけではありません。
ヨーロッパ中央銀行(ECM)のマリオ・ドラギ総裁や、欧州委員会のオリ・レーン委員は、オランド氏の成長戦略を支持しています。

ちなみに、5月3日にはイギリスで統一地方選挙があり、与党保守党が大敗し、野党労働党が大勝しました。
この背後にも、現在の経済の閉塞状態に対するイギリス国民の不満の声が存在しています。

ギリシャの総選挙では、緊縮政策を推進していた連立与党の2つの政党が149議席しか獲得できませんでした。
前議席数が300議席数なので、過半数に2議席だけ足りない結果となりました。
第1党中心の連立が不可能になり、第2党中心の連立が模索されましたが、これも出来ませんでした。
恐らくは、再選挙になることでしょう。
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今回の選挙では、「黄金の夜明け(Golden Dawn)」というナチスまがいの極右政党が21議席も獲得しています。
ギリシャ政局も、波乱含みです。


私は、2013年には、ギリシャはユーロを離脱すると予測しています。
ポルトガルも、ユーロ離脱の可能性が高いと考えますが、この両国が、ユーロ圏を離脱すれば、一時的にしろ、かなりのショックがヨーロッパ経済を襲い、ユーロは更に、弱体化した通貨となるでしょう。

日本銀行と、現民主党政権が的確な政策を取っていない為に、当面、円独歩高は、避けることが出来ず、日本経済は更に大きな苦境に陥ることになるのではないかと心配しています。



《告知》5月18日(金)「世界ウイグル会議を支援し中国の覇権を戦うシンポジウム」のお知らせ

YouTube : http://youtu.be/UJGxO8ExY_8

 メインパネリストとして『世界ウイグル会議』の議長であり2006年ノーベル平和賞受賞候補者でもあるラビア・カーディル氏をお招きし、日本側からは国家基本問題研究所理事長の櫻井よしこ氏を迎え、ウイグル問題を通じて日本が中国の覇権にどのように対峙していくかを討議します。

詳細: http://www.kuretakekai.jp/asia_forums/af35.html

日時:2012 年 5月 18日(金)   開場 18:00 開会 18:30から
会場:日本プレスセンタービル 10 階ホール
   東京都千代田区内幸町2-2-1
料金:一般 2,000 円/学生無料
主催:世界ウイグル会議を応援する日本人の会 http://uyghur-jpsupporters.com/     代表: 頭山興助
シンポジウム大会会長 平沼赳夫、 特別顧問 石原慎太郎
顧問 小田村四郎 加瀬英明 中條高徳 ペマ・ギャルポ(五十音順)
総合司会 藤井厳喜(呉竹会アジアフォーラム代表幹事)

シンポジウム・パンフレットPDF http://uyghur-jpsupporters.com/chirashi.pdf
NET申込みフォーム: http://uyghur-jpsupporters.com/mail/index.html

※藤井厳喜よりお願い。このシンポジウムのお知らせ動画をシェア&告知拡散にご協力ください。(皆様のブログやHP,Twitter等にお知らせ動画等、リンク下さると助かります。)



藤井厳喜・最新刊『超大恐慌で世界の終わりが始まる』のご紹介

★目次 
 プロローグ
 第1章 欧州連鎖破綻ドミノ
 第2章 ユーロは崩壊するのか?
 第3章 二番底、二極化に向かうアメリカ
 第4章 アメリカ大統領選挙の行方
 第5章 中国幻想の終焉
 第6章 BRICs時代の終焉
 第7章 世界丸ごと監視社会
 第8章 日本に残された打開策とは?
 エピローグ




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 リーマン・ショック、ユーロ危機という「金融災害」を経てワンワールド主義(=グローバリズム)の欺瞞が明らかになった現在、日本はどこへ向かうべきなのか?

■本書の構成
第1章 対立 「大企業」対「草の根」
第2章 貧困 1%の富める者たち
第3章 迷走 超インフレか大不況か
第4章 変質 牛耳られるワシントン
第5章 凋落 ユヤダ金融の秘密
第6章 分裂 アメリカを国家破産に追い込む人々
第7章 支配 ビッグ・データと超管理社会


    

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高画質写真のデータなどは、こちらにUPしようと思っています。


日本に対する想い。政治をよくしたいという想い。
政治学を学ぼうと思った、私の原点について語ったインタビュー映像です。

たちあがれ日本 参議院比例第七支部長として、現在も政治活動にかかわる藤井厳喜の原点とは? 政治哲学を志すにいたった原点とは?など、大いに語りました。

  


   ← お知らせ: 『月刊日本(公式TOPにリンク)』10月号で、特別企画で竹田先生と脱原発対談を行わせて頂きました。又、『月刊 日本 2011年 11月号』より、アメリカ大統領選ウォッチングについて、連載を開始する事になり、『月刊 日本 2011年 12月号 [雑誌]』のTPP反対特集号では、ISD条項の危険性について詳細に解説しました。是非、ご参考ください。(私のパブリシティ・ページ寄稿記事の一部が読めます)



【藤井厳喜アカデミー関係動画・復習用の動画再生リストが出来ました】
■再生リスト【第1弾・藤井厳喜アカデミー国民の為の政治学講座・全篇
 http://www.youtube.com/watch?v?=zn5eCTbgHxc&list=PL72D9C8776C?E15846 ← 2010年2月1日開校のガイダンスから全12回講義、補講まで全講座をまとめました。
■再生リスト2 【第2弾・藤井厳喜アカデミー 経済篇(随時更新)
http://www.youtube.com/my_playlists?p=E4F42E64ED2C36F7

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