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今回の講義のテーマは、「資本主義経済のしくみ」の根幹の解明です。
「資本主義とは何か」、「どういう仕組みで動いているのか」、というお話をします。
そして、「市場とは何か?」という、これもまた、資本主義の根幹に関わった話をします。
今回の講座は、2009(平成21)年2月18日に、『さらに!どんと来い大恐慌』という、『ドンと来い!大恐慌 (ジョルダンブックス)
』の関連商品であるDVD教材用に収録された講義の中から一部を、無料にて公開させていただくものです。
難しい内容のように思われるかもしれませんが、分かりやすく解説しましたので、是非、ご覧ください。
分からない点がありましたら、繰り返し、ご覧いただければと思います。
【藤井厳喜アカデミー第2弾】シリーズ《日本を復活させる智恵─増税を許すな!復興財源はこうして創れ!》
第3講 前篇 「経済のしくみを考える(1) 資本主義のカラクリとは?」
YouTube : http://youtu.be/WPG3G7FGKXM
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm15024000
資本主義のしくみは何か。
(1) 資本主義の宿命としての過剰生産
資本主義という経済制度は、あまりに生産性を上げ過ぎて、過剰生産となる傾向にあります。
過剰生産は、即ちモノが売れない事ですから、これが資本主義の「不況」を生み出す原因となります。
不況が極端に進化した場合を「恐慌」といいます。
マルクス主義の開祖であるマルクスも、ケインズ経済学の開祖であるケインズも、共に資本主義の構造的な宿命をこの過剰生産に見ています。
マルクスは、資本主義が過剰生産を引き起こし、必然的に崩壊すると予言しました。
ケインズは逆に、過剰生産に陥りがちな資本主義を救うためには、社会の中に人為的に需要を生み出すことが重要であると考えました。
ケインズの思想の流れは、「修正資本主義」として、第二次世界大戦後、経済学の主流となっていました。
しかし、ケインズ主義は誤解され、増税と規制強化による「大きな政府」を意味する言葉となってしまいました。
これに対する反発が、アメリカではレーガン主義、イギリスではサッチャー主義となって現れました。
ケインズ経済学攻撃の中心となったのは、アメリカのシカゴ大学のミルトン・フリードマン教授でした。
(2) 資本の自己増殖
資本主義とは、資本が常に増殖してゆく過程を意味します。
増殖する為には、投資しなければなりません。
という事は、常に新しい投資機会を求めているという事になります。
1970年代後半くらいから、顕著になってきた傾向が2つあります。
それは資本主義の発展の方向、言い換えれば「投資」の方向について、2つの大きな流れが存在してきた事です。
第一は、先進国内におけるサービス経済化の進展。
第二は、開発途上国(第3世界)における経済発展の方向です。
つまり、製造業の先進国における発展は、徐々に行き詰まりを見せ、先進国内においては、第三次産業であるサービス経済の拡大が主な成長のエンジンとなってきました。
このサービス経済の中で最も大きな比重を占めるのが金融サービス業です。
IT産業の発展というのも、主にこのサービス経済の発展の文脈で考える事が出来ます。
確かにIT産業は成長産業ではありますが、先進国全体の経済を引っ張る景気の牽引車としての力は期待されたほど強くはありませんでした。
サービス経済、特に金融サービス業の発展に引っ張られて、IT産業も成長を遂げることができました。
低開発国への投資も大きな成長の流れを形成してきました。
しかし、低開発国は社会全体の近代的な法整備も遅れ、国家の政治も不安定であり、常に投資にはカントリー・リスクが伴ってきました。
1982年のメキシコ以来、途上国のディフォールトは度々繰り返されてきました。
それでも、途上国への投資が止まらないのは、リスクがあるのは分かっていても、そこに非常に大きな投資機会が拡がっているからです。
まとめてみるならば、先進国資本主義の2つの経済成長のエンジンであるサービス経済化も第三世界への投資も、共に、大きな限界を抱えており、先進資本主義国の経済を牽引するエンジンとしては、不十分であった事が分かります。
それゆえに、現在、先進国は軒並み、大きな問題を抱えているのです。
(3) 金利の話
資本主義社会では、誰もが借金をしています。
一番大事なのは、企業がスタートする時に、大きな借金を抱えてビジネスを始めることです。
資本という形の借金か、社債という形の借金かはともかく、他人の資本を利用して、企業はスタートします。
それに常に資本を回転させて、利潤を上げ、資本家にお金を返してゆかなければなりません。
それは配当の形をとる事もあれば、金利の形をとる事もあります。
経済が順調に成長している時は、資本の回転はうまくいきます。
しかし、デフレで不況になると、企業は金詰まりとなり倒産してしまいます。
社会の需要が停滞し、デフレが起きるとはどういうことでしょうか?
「デフレ」とは、モノが過剰生産になり、モノの値段が下がってゆく事です。
モノの値段が下がるとは、別の言い方をすれば「お金の価値が上がる」という事になります。
お金の価値が上がるのですから、借金している人なり企業は、借金の返済が難しくなってきます。
企業でいえば、モノが売れず、お金が入ってきませんから、当然、借金の返済が滞ってきます。
ですから、資本主義社会においては、デフレによる不況の方が、インフレよりもはるかに大きな問題なのです。
藤井厳喜アカデミー第2弾3講 経済のしくみ(2)市場とは何か?[H23/7/15]
第3講 後篇「経済のしくみを考える(2) 市場とは?」
YouTube : http://youtu.be/JakiADprN0o
ニコニコ動画 : http://www.nicovideo.jp/watch/sm15023706
(4) 資本主義崩壊のパターン
資本主義崩壊のパターンは、2つあります。
第一は「デフレ的崩壊」であり、言い方を変えれば「信用崩壊:Credit Collapse 」です。
第二の崩壊のパターンは「インフレ的崩壊」であり、言い方を変えれば「通貨崩壊:Currancy Collapse 」です。
デフレが極端になってくると、前の講でも述べたように、「金詰まり現象」となり、借金が返せなくなります。
つまり、信用(Credit)が崩壊してしまいます。
これが資本主義恐慌の古典的パターンです。
生産過剰がデフレ不況を呼び起こし、借金の返済が不可能になり、企業が連鎖倒産するパターンです。
資本主義崩壊の第二のパターンは、インフレによる崩壊です。
生産が少ないのに、通貨のみが膨張し、ハイパーインフレが起きた時がこのパターンにあたります。
第一次大戦後のドイツが典型的なこのパターンです。
ハイパーインフレは、つまり、通貨の価値が激減することですから、通貨崩壊(Currancy Collapse)による資本主義の崩壊といえます。
前で述べたように、資本主義社会としては、緩やかなインフレは寧ろ望ましいのですが、インフレが行き過ぎて通貨が完全に信用を失うところまでいってしまうと、商業取引自体が成立しなくなり、経済が崩壊してしまいます。
(5) 市場とは何か?
資本主義社会では言うまでもない事ですが、「市場」が大きな役割を果たします。
ところがこの「市場」というものは、常に公正な取引を保障するものではありません。
常に市場には、詐欺師が横行しています。
また、市場は大衆心理を反映しますから、常に実態を伴わぬ極端な楽観論や悲観論が支配的になります。
かの有名な投機家ジョージ・ソロスは、「市場は常に間違っている」と、その本質を喝破しました。
市場は、常に間違っていますが、同時に実態と市場との乖離が極端になった時は、その誤りを正すような方向に行動します。
市場というものを、無定形な大衆の群集行動としてとらえれば、これは当然の事でしょう。
情報は常に歪められており、群集心理は常に扇動により、誤った方向に導かれます。
しかし、自らの行動が極端に環境に不適合となった場合は、自らの行動を正そうとします。
実際、市場とはこの群集心理の相対以外の何物でもありません。
次回は、第2弾アカデミー経済篇の総集編となるようなお話をさせていただきます。
是非、御期待下さい。
【予告】
次回、藤井厳喜アカデミー第2弾・第4回(最終回)は、7月22日公開です。
第1講 6月30日 (金) 「日本に復興財源はある」
そもそも「お金」とは、「通貨」とは何だろう?という根本論から見直し、政府貨幣発行通貨についても丁寧に解説しました。
第2講 7月8日(金) 「国民を幸福にする経済政策とは」
拙著『日本はニッポン!金融グローバリズム以後の世界』で提唱した新国民経済学の考え方をもとに、経済政策の考え方そのものを考え直します。
【藤井厳喜アカデミー関係動画・復習用の動画再生リストが出来ました】
■ 再生リスト【第1弾・藤井厳喜アカデミー国民の為の政治学講座・全篇】
http://www.youtube.com/watch?v?=zn5eCTbgHxc&list=PL72D9C8776C?E15846
2010年2月1日開校のガイダンスから全12回講義、補講までの全講座をまとめました。
■ 再生リスト2 【近現代世界の国際秩序の変遷:新しい世界史】
http://www.youtube.com/playlis?t?list=PLE25877D424835D45
こちらは、2010年1月20日の藤井厳喜・講演会で「近現代世界の国際秩序の変遷」について
語ったものを、改めてリストにまとめてみました。
この日、私が伝えたかった事は、歴史的な時系列を振り返り、日本が大局的に言って、
国際関係のどのようなポジションにいるかという事です。
米ソ冷戦後の世界にの権力構造がどのようなものになるか、という点を大胆な仮説も含めて、語らせてもらいました。
ここで取り上げる動画は限られた時間の講演の中の一部の内容ですが、大学で私の『国際関係論』や『新しい世界史』の授業を受講される方のご参考にもなればと思い、取り上げます。
■ 再生リスト3 【第2弾・藤井厳喜アカデミー 経済篇(随時更新)】
http://www.youtube.com/my_playlists?p=E4F42E64ED2C36F7
随時、更新してゆきます。
↑ 6月24日・いよいよ新刊発売決定!!
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ご支援、誠に有難うございます。既に一部、品切れとなっているお店もあるようですが、随時、搬入されるとのことですので、是非、ご注文ください。宜しくお願いいたします。
世界経済を冷静に観察すると、日米欧中、みな揃って、景気が下降していることが分かります。特に日本においては、日本銀行と民主党政権がデタラメな経済政策を実行しているので、このままでは二番底に陥ることは確実です。
3・11の東日本大震災と、福島原発事故は、事態を更に悪化させてしまいました。
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