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以前から、「外国語をどう学べばよいか」といった相談をよく受けます。
最近では、急遽、外国に転勤することになった、それも英語圏以外に、といった方からも、相談を持ちかけられます。
中には、旦那さんが転勤するので、それに動向しなければいけない主婦の方などからも、相談を受けることがあります。
英語圏への赴任ならば、然程、問題はないでしょうが、それ以外の言語圏への赴任となると、大きな不安が伴うようです。
実は、「語学の速習法」などというものは、本当はないと思っています。
語学の上達は、だいたい学習に投入される時間とエネルギーに正比例します。
最も、外国語学習にも、数学などと同様、天才という人たちがいますが、この人達は例外ですから、我々の学ぶべき実例にはなりません。
若くはなくて、そこそこいい年になって、全く知らない言語の話される外国に行くことになったら、どうしたらよいか。
私自身だったら、こうするという方法を考えてみます。
例えば、私がインドネシアやタイに、長期赴任することになったら、どんな風にその国の言語を勉強しようとするでしょうか。
先ず、最も基本的な単語を100くらい、徹底的に丸暗記します。
数の数え方も、必要です。
挨拶の文句や買い物に必要な言葉、などを徹底して頭に叩き込みます。
100の言葉を覚えたら、それを200、300、500くらいにまで増やします。
先ず、500くらいの単語を覚えれば、最も基礎的な日常会話は可能になるはずです。
後は、とにかく日常の中で、その言葉を多く使うことです。
周りには、ネイティブ・スピーカーがあふれているわけですから、誤った表現をしてもらった時には、必ず直してもらうようにします。
常時、モバイル機器か手帳のようなものを持ち歩いて、新しく覚えた単語や、修正された表現は、記録しておくようにします。
時間を見て、それらの記録を繰り返し、復習します。
単語の数や、表現法の数を増やしながら、最も重要な文法の基礎だけは押さえておく必要があります。
その言語では、過去や未来をどう表現するのか、とか、「仮定」の表現をどのようにするのか、とかいったことは、非常に大事になってきます。
ある程度、文法の基礎中の基礎と、マスターした単語や表現の数が増えたなら、その時点で、私だったら、テレビやラジオのニュースを徹底的に聞き取る訓練をします。
そして出来れば、それと並行して、政治や経済の新聞記事を読解する努力をします。
これにはおそらく、個人で家庭教師を雇うことが最善の方法だと思います。
量は少なくてもよいから、1つの記事や文章を、徹底的に理解します。
出来たら、暗記するくらいになるとよいでしょう。
一点の疑問もないように、完全に理解しなければいけません。
少しでもわからない所や、曖昧なところがないように、完全に1つの文章や記事を理解することが大事です。
こういったことを続けてゆくと、多分、丸2年もその国にいれば、語学学習者としては中級レベルには到達することができると思います。
多分、大事なのは、外国語学習を、苦難とは考えずに、アミューズメントと考えることですね。
つまり、自分の母国語と異なる外国語の学習を、面白いと感じることができれば、苦労ではなくなります。
時間はかかりますが、楽しみになります。
そう思えるかどうかが、実は、語学に上達できるかどうかの大きな分かれ道なのだと思います。
また別の言い方をすれば、外国人なのですから、どんなに努力をしても、所詮、ネイティブ・スピーカーのように、完璧にその言語を操れるようにはなりません。
所詮、「外国語は外国語である」と初めから、大きな諦めをもっていることも大事です。
そうでないと、どんなに勉強しても、挫折感だけに悩まされることになります。
言語によって、難しいポイントは異なってきます。
それは母国語と外国語との距離とも関係します。
イタリア人が、スペイン語を学習することは、酷く簡単なはずです。
また、ドイツ人がデンマーク語を習得することも、然程、難しくはないでしょう。
しかし、日本人がドイツ語やロシア語を学習しようと思えば、単語の記憶以上に、大きな壁として立ちはだかるのが「文法」です。
文法を正確に理解することなしに、ドイツ語やロシア語を読み書きすることは不可能です。
英語の文法は、極めて単純ですので、ドイツ語やフランス語に限りません、他のヨーロッパの言語を勉強しようとした場合、文法の難解さが大きな壁になります。
しかし、そこで怯むことはありません。
かつて、私がアメリカでロシア語を勉強していた時に、幼少時にロシア革命でアメリカに亡命してきたロシア人の老教授が私にこう言ってくれたことがあります。
「ロシア語の文法は非常に複雑なように思えますが、全ての変化は、小さな文字で書けば、この紙一枚に収まります。」
そういって、教授は、文法の変化表を、大きな紙一枚に表記したものを見せてくれました。
それは、A3版が2枚くらいの大きさで、非常に小さな字でミッチリ書かれているのですが、確かに、「あぁーこれだけ覚えればいいのだなぁー」という安ど感もあります。
「ロシア語の文法法則は、無限ではないのだ。有限であり、目に見えるこの大きな紙一枚をマスターすればよいのだ。」と思うと、精神的に楽になります。
こういったことは、どの言語にも当てはまるはずです。
英語と並んで、支那語には殆ど、文法らしい文法がありません。
支那語の達人に聞くと、とにかく、様々な表現法や単語・熟語の数を増やしてゆくというのが、学習法のようです。
文法の学習ではなく、ここの表現法に習熟してゆくということが、文法が簡素な言語の学習法の王道のようです。
ドイツ語やロシア語のような文法的に難解な(少なくとも我々にはそう思える)外国語を勉強する場合には、一つの救いがあります。
私の一般的な印象では、文法的に複雑な言語ほど、日曜用語に必須とされる単語の数が少ないことです。
例えば、これは以前読んだ本なので正確ではないかもしれませんが、
新聞や雑誌に出てくる言葉の90%をカバーするのに、単語をいくつくらいマスターしなければならないか?という基準があります。
フランス語やドイツ語では、5000語マスターすれば、90%のラインを超える事が出来ます。
これに対して、文法が単純な英語では、このラインが確か、8000語くらいのはずです。
つまり、言語というものもバランスがとれていて、文法的に比較的単純な言語においては、単語の数を多く習得しなければならない。
文法的に複雑な言語においては、逆に、習得すべき単語の数はそれほど大きくなくてよい。
何か、そんな法則があるように思います。
これは言語学者に聞いてみないと分かりませんが…。
最近は、外国語学習においても、音声や映像の教材が豊富に手に入りますので、これは非常に強い味方です。
いつでも、どこでも、やる気さえあれば、勉強が可能です。
現地に赴任する前から、挨拶の言葉くらいは、マスターする事が、どんな忙しい人にも出来るでしょう。
外国駐在が楽しくなるかは、私の見たところ、語学能力というよりは、寧ろ「パーソナリティーの問題」なのではないでしょうか?
個性豊かで、異文化に対する許容性があり、異文化との差異を楽しむような心境になれば、それは語学能力以上の、「現地への適応力」への源泉となります。
行きたくもない国に、突然、会社の都合で行け、と言われた方には、大いに同情しますが、
どうせ赴任するなら、それを「負担」とのみ考えるよりは、人生の新しい地平線を切り拓くチャンスと考えることができれば、貴方は既に、勝ち組の一人になったといえるでしょう。
最近は、相談を頂いた方に、こんなお答えをするようにしています。
人それぞれ、状況色々ですので、お役にたつかどうかは分かりませんが・・・・・・・。
最後に一言!
日本語を勉強している欧米人が、どんなに苦労しているかを知れば、我々も非常に気が楽になります。
全く異なる文法と、2種類の表音文字の体系と、最低3000くらいの表意文字(漢字)をマスターしないことには、日本語の読み書きは不可能です。
モンゴル人やトルコ人は、同じウラル・アルタイ語系の言語なので、日本語のマスターは比較的容易だそうです。
ただし彼らにとっては「漢字」が大きな障害となっています。
逆に、シナ人は、文法は全くことなりますが、漢字という共通項があるので、これまた別の意味で、日本語の習得が比較的早いようです。
我々の側からすれば、以前、トルコ語の先生に聞いたのですが、日本人がトルコ語を学習することは、比較的容易だそうです。
語順にしても、「私は大阪に行く」という日本語と全く同じ語順で話せばよいのだそうです。
ですから、日本語に近い言語(これはあまり多くはないのですが)を勉強するのなら、日本人も語学が得意ということになるでしょう。
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』 藤井厳喜・著 (日本文芸社)
著者もビックリの凄いタイトルですw(><) (表紙もインパクト…)
一時、候補になっていたタイトルに『世界大破産』というのもありました。(←これを見た時、流石にふきだしましたwww)
世界経済を冷静に観察すると、日米欧中、みな揃って、景気が下降していることが分かります。特に日本においては、日本銀行と民主党政権がデタラメな経済政策を実行しているので、このままでは二番底に陥ることは確実です。
3・11の東日本大震災と、福島原発事故は、事態を更に悪化させてしまいました。
リアルに世界経済の現状を分析した本ですが、勿論、日本が最後のババを引かない為にどうしたらよいのかの対応策についても論じています。分かりやすく、図表もたくさん入れてありますので、経済が苦手という方も是非、手にとって、読んでみて下さい。
2011年に入ってからの中東騒乱も含む、最新情勢までカバーしてあります。
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