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息子の結婚式準備 ― 長いカトリックの結婚準備

投稿日:2011,05,13

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30歳の長男が、今年9月に結婚の予定です。

今回も、結婚式の準備の為に、メキシコのカトリック教会に行って、神父さんと打合せを行ないました。

 私の息子は、妻がメキシコ人の為、日本人とメキシコ人のハーフで、カトリック教徒です。
花嫁さんもメキシコ人で、当然の事ながら、カトリックです。

正式に婚約をしたのは昨年の9月で、その時から、結婚式は今年2011年9月という事に決めていました。
2人が知り合ってから婚約までに足掛け3年くらいの時間が経っているようで、更に、婚約してから結婚までに1年をかけて準備するという、慎重さです。

息子や娘の若い友人達を見ていても、一般にカトリックの人達は、結婚を決め、結婚式を挙行するまでに非常に長い時間をかけて慎重に事を運ぶようです。
4年、5年くらい付き合って、正式に婚約をするというカップルも必ずしも珍しくはありません。

 実は昨年の9月にも私は、メキシコに行ったのですが、その時に、お嫁さんになる方の御両親も招いて、正式に両家で婚約を取り交わしました。
勿論、その前には本人同士が結婚を約束している訳ですが、正式の「婚約」の決定は、9月に行ないました。

これが中々に大変で、本当は私が花嫁さんの実家に赴かなければならないのですが、私のメキシコ滞在の時間が限られている為、先方のご両親と妹さんと花嫁さん御本人さんが、丸一日を費やして、私のメキシコの家に来てくださいました。
正式のディナーを整えたテーブルの席上で、私が先方の花嫁さんの父親から、正式の婚約許可をもらわなければなりません。

勿論、先方も結婚を内諾した上で来られているのですが、日本で言えば「結納の儀式」のようなものですが、メキシコでは、仲人さんを介さず、花婿の父親が、花嫁の父親に、正式に結婚の許可をもらわなければいけないのです。
私も、スペイン語で、両家の家族の前で、少々の演説めいた事を行ない、先方の父君に、結婚の許可を求めました。

面白い事に、息子が許可を求めるのではなく、息子の父親である私が許可を求めなければいけないのです。

勿論、先方は、「はい」「Si」と答えてくれて、滞りなく婚約許可は下りました。

しかし、この時は和やかな中にも一種の緊張感が伴い、それはとても大事なセレモニーであったと思います。

その「Si」と花嫁さんの父親がこたえてくださった時に、その場の緊張感が一瞬に溶けたのが分かりました。
父親は、娘を抱き寄せて、娘さんは父親のほほにキスをして、一挙に場は和やかな雰囲気になり、誰もが誰もと握手を交わす事になりました。

その後、楽しくバーベキュー・パーティーを行ない、ワインを飲み交わした訳です。

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そもそもカトリックというのは、「儀式」を重んじる宗教です。

精神は勿論大事ですが、その精神を表現する為の儀式も厳格に執り行うというのが、カトリックという宗教の非常に良いところだと思います。
「心は形を求め、形は心を進める」という中々、素敵な言葉を以前、仏具屋さんの宣伝で見た事があります。
カトリックの話をするのに、仏具屋さんの宣伝文句を引用するのは適当でないかもしれませんが、成る程、この言葉は中々よく人間の心理をついています。
人間は心が大事だと言いますが、その心が外に表れなければ、そして具体的な形を取らなければ、本当にその心が世の中に実現したとは言えません。
また、例え始めは心が伴っていなくても、形から入る事によって、その形のあらわしている心に到達するという事もしばしばあります。
仏教でも、写経をしたり、様々な修行をしたりするというのは、形から心に入るという事でしょう。

私の見た所、プロテスタントとカトリックを比べると、プロテスタントの方は、やや心重視で形を軽視しているようなところが見受けられます。
又、プロテスタントから言えば、恐らくカトリックは形式にとらわれ過ぎるという批判にもなるのでしょう。


さて、結婚式の1年前に、両家の間で結婚の約束が成された訳ですが、今回、私がメキシコに行った大きな理由は、今年の9月に結婚式を執り行う神父さんとお話をする事でした。
これも教会における結婚式に向けての大事なプロセスです。

これをスペイン語では、「プレセンタシオン(英語で言えば、プレゼンテーション)」というのだそうです。

教会に集まった人々は、花嫁、花婿以外に、12人もいました。
先ず両家の両親が4人、両家の兄弟が3人、その他、5人は、花嫁と花婿の友人達でした。

結婚式を執り行う神父さんに先ず、花嫁と花婿が呼ばれて、2人がどのようにして知り合い、どのようにして結婚をする事になったかの経緯を簡単に説明します。
その後に、友人達が「証人」として呼びこまれ、花嫁と花婿の言葉に間違いがないことを、証明します。
最後に、両家の両親が、神父さんの部屋に呼ばれて、最終的な結婚の確認を行なうというもので、時間は全体で45分程かかりました。
百科事典のように立派な大きな署名簿に両家の関係者が、皆、自筆でサインをして、ようやくこの大事なプレセンタシオンは終わりました。

勿論、結婚を祝福するものばかりで、反対する者は一人もいませんので、何の問題も無く、事はスムーズに運んだのですが、
やはりこの神父さんとの面談と、両親や友人達の証言というのは、どうしても結婚式の為に通らなければならない大事な関門なのです。

私が今回、メキシコを訪れた主な理由は、このプレセンタシオンに参加する事であったと言っても過言ではありません。

カトリックの結婚式は、中々に手間のかかる、そして形式を重んじるものであるなぁーと、つくづく感じた次第です。


メキシコ人の殆どはカトリックですが、それでは全てのメキシコ人がこんな慎重なプロセスを経て結婚をするのかと言えば、全くそうでもありません。
正式に婚約、結婚をするのは、面倒くさいというので、単に同棲しているカップルもいますし、結婚届けだけを出して、教会で結婚式をあげないというカップルもいます。

そもそもメキシコでは「結婚式」という場合、2種類の結婚式があります。
第一は、教会で神父さんのもとで行なう結婚式であり、第二は、政府に結婚届けを出すという意味での結婚式でもあります。

教会での結婚式は、日本人の皆さんもだいたい想像できるものです。
面白いのは、2番目の「結婚届け」を出す方の結婚式です。
これはこれで大事なセレモニーになっており、多くの友人や両親が集まり、そこに政府の戸籍係の人物が大きな署名簿を持ってやってきます。
2人が結婚を誓って、結婚届けを出した後に、集った多くの人々が皆、自筆で署名して、それを承認し、それによって法律上の結婚が完成するというわけです。

私は、義理の弟の結婚式に出たのですが、先ず、政府への届け出という意味の結婚式を行ない、その次に、教会での結婚式となりました。
この政府への結婚届け自体が、中々に儀式としては、緊張感を伴うセレモニーでもありました。
結婚する当人たちが、市役所や区役所に行って、婚姻届を出すというような簡単なものではないのです。
ネクタイを締めて、いかめしい顔をした戸籍係が、革製の立派な結婚署名簿を携えて、家を訪れます。
そしてその場に集まった人、全ての署名を求めるというので、これもまた中々に厳かな儀式でした。
この結婚届けを出すという意味での結婚式を、スペイン語では「シビル(civil)」の結婚式と呼んでいます。

このシビルの結婚式は、昔のソ連邦の結婚式を私に思い起こしました。
ソ連時代は、当然、宗教は公的には否定されていたわけで、結婚式は市長なり、行政の長の前で、両人が書類にサインをする事で行なわれていたのが普通であったようです。
まぁー、全く宗教や神様が介在しない、謂わば「人前結婚式」であった訳です。
今日でのロシアでは、ロシア正教が復活し、再び教会での結婚式も一般的になったと聞いています。


 今回のプレセンタシオンにしても、昨年9月の「婚約のセレモニー」にしても、私にとっては、1つ1つが大事な異文化理解のプロセスでした。
これに比べると、今日の日本人は、結婚式に限らず、生活一般の中で、もう少し形式や儀式や「かたち」というものを重んずべきではないかと、少々の今日の日本への反省の念も生じてきました。

 9月中旬には、息子の結婚式の為に又、メキシコを訪れる予定です。




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