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皆様、少し、お久しぶりです。
北朝鮮の砲撃事件もあり、国際関係は大きく揺れ動いています。
経済関係では、ヨーロッパのPIIGS諸国が財政破綻に陥り、ユーロ圏が解体しそうです。
今や金融を中心とするグローバリズムの時代は完全に終わりをつげ、各国とも自国の国益を前面に押し出したナショナリズムの方向に大きく動いています。
こういった状況を踏まえて、渡邉哲也さんと共著で、新著『日本はニッポン! 金融グローバリズム以後の世界
』を11月27日に発売しました。
読者の皆さんに、特に訴えたいのは、今やグローバリズムは完全に影をひそめ、新しいナショナリズムの時代がやって来たという事です。
日本のマスメディアの中では未だに空想的なグローバリズムが花開いたままのようですが、世界中でこんな論調のマスメディアが存在するのは日本だけです。
その点をクールに論じながら、日本人は自信を持って、日本独自の道をゆくべきである、と主張するのがこの本の趣旨です。
対談本なので、読みやすく出来上がっていると思います。
また、対談では触れられなかった細かなデータや、理論的な内容については、二人の著者が書き下ろしの論文で補足しています。
是非、御一読の上、感想や批評をお知らせください。
12月4日には、この本の出版記念講演会を、渡邉哲也さんと二人で開催致しますので、その場で皆様にお逢いしたいと思います。
【日本はニッポン!】金融グローバリズム以後の世界とは?[H22/11/28]
― 益々、重要になってくる国家の役割 :質問にお答えして
最近、Twitterのフォロアーの方々から頂いた質問を元に、お話しました。
1〉 国際的な平和の構築において、地球規模の政治的な統合を考えるべきだという主張がある?。
また、国際紛争などを中立的に法制度のもとで解決すべきであるという考え方もある、
これらの考え方の妥当性についての質問を受けました。
これらの主張の言わんとするところは、次のような事である。
従来の「平和」というものは国家同士の間の関係として考えられてきた。
しかし、平和を国家間関係の調整によって成立させるのではなく、国家を超えた、ないしは国家以外の国際機関の手によって成立させるべきである。
つまり、根本的に国家というものの役割を従来よりは小さく限定的に捉えようという発想法が基本になっている。
しかし現実を見れば、国家を超えた政治的統合を成す為には、国家同士が合意に到らなければならない。
また、国際紛争を中立的な法制度の下で解決するというが、そのような仲裁制度に合意を示すのは国家以外の存在では有り得ない。
そのように考えてくれば、平和の確立の為に国家が果たすべき役割は、以前と全くかわってはいない。
「平和」とは、第一義的には国家間の勢力のバランスによって生じる安定した状態の事である。
こういった状況を作る為に、個人や企業や非国家的な組織が一定の役割を果たす事は出来る。
しかし最終的には国家が行動しなければ国際平和というものは達成されないのである。
相互依存の進んだ今日でも、国家の果たすべき役割は一向に減少してはいない。寧ろ、増大していると言った方が正確であろう。
近年、国際関係において、国家以外の行動主体が多く登場して来た事は確かである。
しかしこれらの非国家的行動者が国際平和に貢献しているかどうかと言えば寧ろ、マイナス面の方が大きいのではないだろうか。
つまり、アルカイーダのような国際的テロ組織や、国際的な犯罪者集団なども世界の相互依存が進んだ事によって登場して来た非国家的な行動者なのである。
多国籍的な金融資本は世界的な金融バブルとその崩壊をもたらし、世界の金融システムを著しく不安定なものにしてしまった。
一般に相互依存の進展と、非国家行動主体の増大が、国際関係の安定に寄与しているとは全く言えないのである。
2〉 現時点で、ハッキリ言っておきたい事は、金融を中心とするグローバリズムの時代は今や完全に終焉を迎えたという事である。
2008年9月のリーマンショック以降の世界においては、再び経済ナショナリズムがグローバリズムにとって代わって時代の主流となってきた。
相互依存の世界を逆戻りさせる事は出来ないかもしれないが、自由放任的なグローバリズムが経済の繁栄と世界の安定をもたらすという楽観主義は今や完全に否定されたのである。
「世界が一つのマーケットに統合されれば、平和と繁栄が自動的に保証される」、といった意味での楽観的なグローバリズムは今や完全に死に絶えたのである。
そのようなグローバリズムを信奉している人は最早、世界の指導者の中には一人もいない。
こういった事実を明確に分かりやすく述べたのが、私の新著『日本はニッポン―金融グローバリズム以後の世界』である。
気鋭の経済評論家、渡邉哲也さんとの共著である。
対談を中心にこれに両著者の書き下ろしの論文を加えて、1冊とした。
金融グローバリズム以後の世界が、どのような世界なのか、またその中で日本はどのような道を歩むべきかについて、明確に論じたつもりである。
【藤井厳喜・12月の講演会の御知らせ】
出版記念講演 『日本はニッポン』 ― ユーロ崩壊、1ドル70円台の世界にどう対応するか?
日時: 12月4日(土) 18時から20時30分
場所: 文京シビックセンター3階会議室
受講料: 4000円
講師: 藤井厳喜&渡邉哲也
申し込みCFG事務局 info.cfg.future@gmail.com
藤井厳喜アカデミー『国民の為の政治学』特別公開講座
日時:12月5日(日) 18時頃から20時30分
場所: 文京シビックセンター3階
受講料: 5000円
講師: 藤井厳喜
既に「国民の為の政治学」(全12回)を学んだ方を対象に、より実践的で高度な集中講義を開催致します。是非、質問を持ってのご参加を!
両、講演会とも、会場にて『日本はニッポン! 金融グローバリズム以後の世界
』のサイン会も行っております。
※ 藤井厳喜へのメッセージ、講演や仕事等の依頼も、以下アドレスまでお願いいたします。
ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ事務局e-mail : info.cfg.future@gmail.com
★ 【 Cambridge Forcust Group of Japan.Co 藤井厳喜チャンネル】
http://www.youtube.com/user/zingrace1213 (登録自由)
↑ 11月27日発売開始!。
「日本はニッポン!」特設ページ( http://www.sowa.ne.jp/nippon/ )も出来ました。
↑ 口蹄疫問題について、私もコラムを寄稿させて頂きました。
★ 品切れしておりました、「永久国債の研究」が、増刷されました!!