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【藤井厳喜アカデミー】国民の為の政治学・第5講「マスメディアと政治の関係とは?」(全7本)

投稿日:2010,03,12

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 UP全公開の作業が遅れた言い訳ではありませんが、本日、衆院厚生労働委員会で、「子供手当支給法案」が、強行採決といっても良い形で、可決されてしまいました。
また、高校授業料無償化の法案も、委員会で同様の形で慎重審議の声を無視して可決されてしまいました。
ここに、民主党の反日左翼ファシズム的な体質が明瞭に現れています。

問題はこれにつきません。
この二つの「強行採決」の暴挙をメディアが、全く正確に伝えていません。
私が見た限りでは、地上波ではフジテレビが午後6時からのニュースで伝えましたが、NHKの午後6時の定時ニュースでは、冒頭から、三番目くらいのニュースとして、子供手当法案可決をごく軽く報道し、高校無償化法案の方は、完全に黙殺しました。

TV朝日は、両方とも無視・黙殺したように見受けられました。

日本の現在の、マスメディアは、かくも酷い状況にあります。

法案に対する賛成・反対はともかく、重大な法案の可決に関しては、客観的に高い優先順位を与えて報道するのがマスメディアの最低限の社会的責任でしょう。

メディアの大部分がその責任を自ら放棄するのみならず、他のどうでもよいような社会ネタ(芸能人の麻薬汚染や、朝青竜の不満など)に優先的に時間を配分し、明らかに問題をすり替え、国民大衆に目くらましを行っています。

今回の政治学講座のテーマは、政治とマスメディアの関係ですが、それを学習する最悪の事例が今日、日本で起きてしまった事になります。

今や日本では、マスメディアの主流と政権与党がほぼ一体となり、【権力=体制】を形成しています。
これを、ファシズム体制と呼ぶ事は決して、大げさな表現でも言葉の誤用でもありません。

1/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]


 マスコミとマスメディアという言葉の本来の言葉の意味を考えてみよう。
マスメディアという時のMediaは、英語のMediumの複数形である。Mediumは媒介や媒体という意味である。
マスコミの「マス(mass)」は大衆という意味であり「コミ」はCommunicationの略である。
つまり、マスコミは「大衆的伝達」という意味である。

 メディアは、言葉本来の意味からいえば、単に情報を伝える中間の媒体であるはずである。
ところが現実には、メディア(報道機関)は、自らのパーセプションやバイアスによって事実をゆがめて伝える事になる。
原則的に、全てのメディア経由の情報は、必ずバイアスによって歪められているものである。
 つまり、操作されていない情報などは有り得ないのである。受取り手である我々自身にもバイアスはある。


2/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]


 メディアは、必ず偏向しているものであり、厳密に中立的なメディアは存在しない。
 メディアのバイアスの最大のものは、報道する事実と報道しない事実を選別する機能であ る。
偏向していても、報道されればまだよいが、極端な場合、メディアは都合の悪い情報 を隠ぺいする。
更に事実を歪曲し、捏造さえ行う事がある。

   メディアに偏向が存在するのは原則としてやむを得ないことである。
なまじ、中立をうたうよりも寧ろ報道機関が自らの価値観や思想を明確にする方が、一般国民には望ましい。
 ある新聞やテレビがリベラルであるという事が分かっていれば、それを承知でそれらのメディアの報道内容に接する事が出来るからである。
 そして、様々な立場の複数の報道機関が競争する事により、全体としてメディアのバランスは保たれるであろう。

 また、メディアの最低限のモラルの1つとして、事実の報道と意見の共鳴は、ハッキリと 識別して行うべきである。
事実は、客観的に報道し、一方、自らの思想や価値観は、オピ ニオンとして、これを表明すべきである。


3/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]


 現在のマス・デモクラシー(大衆民主政治)の体制では、マスコミは、不可欠の存在であ る。
 マスコミの情報提供なしに、マス・デモクラシーが機能する事は有り得ない。マス・デモ クラシーが正しく機能する為には、マスコミが正しく機能する事が、必要条件である。
 ところが、現代においては、マスコミは最早、単なる媒体ではなく、マスコミ自身が立法 行政司法に次ぐ第四権力となってしまっている。
 マスコミが主体となり、為政者や国民を操る事が度々、現実になっている。

   マスコミ自身が、特定の意図をもって、事実を歪曲している実例の1つが、外国人参政権 問題に関するマスコミの報道姿勢である。
 本来、現行憲法第15条違反である事が明白な外国人参政権法案について、その法案の問 題点を指摘しないのみならず、民主党がその法案を通過させようと準備している事すら報 道しないマスメディアが大部分である。
ここに今日の日本のマスコミの機能不全の恐るべき実態を見る事が出来る。

 マスコミ自体が右であれ左であれ、様々な立場から権力と時の政権与党を攻撃している間 は、まだ民主政治は健全である。
今や、民主党政権下においては、マスメディアと政権与 党が一体となり、権力を形成している。
 政権与党とメディアの大部分が、一体であり、メディアからの政権批判が無い状態が今日 の日本の政治状況である。
 この状況(メディアと権力の一体化)を、ファシズムと呼ぶ事は、決して大げさな表現で はない。



4/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]


 言論の自由と報道の自由が正しく機能しなければ、民主政治、特に大衆民主政治は巧く機能する事が出来ません。
選挙が存在しても、その前提となる言論や報道の自由が存在しな ければ、民主政治は機能しえないのである。
旧ソ連邦にも、現在の北朝鮮にも選挙は存在しているが、言論と報道の自由は存在していない。

 本来、マスメディアが民主政治において果たすべき役割は、3つ存在する。
 第1は、社会の問題を発見する事である。
第2は、その問題をより深く分析し、争点を明確に国民に知らしめる事である。
第3に、その争点に関する議論の場を提供する事である。
 マスコミには、問題を定義する能力はあるが、その本質からして問題を解決する能力はな い。
問題解決は、立法・行政・司法の広義の政治プロセスに任せられるべきものである。



5/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]


 近代のマスメディアの発達は、1445年のドイツ人・グーテンベルグによる近代的印刷 術に始まっている。
    1455年には、彼は新約聖書・旧約聖書を印刷し、世に出している。
この印刷術による 聖書の普及がもとになり、16世紀全般のキリスト教世界における宗教改革の動きが起きてきた。

 宗教改革は、グーテンベルグの印刷術なしには不可能であっただろう。
1776年のアメリカ独立革命や1789年のフランス革命においても、近代的印刷法による政治パンフレットが大量印刷され、これが大きな役割を果たした。
 アメリカにおいては、独立の時点から、デモクラシーの発達を支えてきたのは、新聞の発 展であった。
新聞史上における論争の展開が、アメリカン・デモクラシーを形作る大きな 推進力となってきた。
 電波メディアは1922年のアメリカにおける商業ラジオ放送の開始とともに始まる。
この電波メディアを最も巧みに利用したアメリカではじめての政治家は、フランクリン・ル ーズベルト大統領であった。



6/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]


1941年にアメリカでTV放送が開始される。TVは世界中で圧倒的に重要な政治メデ ィアとなってゆく。
 テレビがラジオや新聞などの活字メディアより抜きんでて、大きな影響力を持ち始めたの は、1960年のアメリカ大統領選挙からであろう。
 この年のケネディのニクソンに対する勝利を決定づけたのは、ケネディのTV上でのイメージであったと言われている。
1980年にアメリカ大統領に当選したレーガンは、共和党(アメリカの保守政党)の大統領として、初めてTVを自家薬籠中のものとして活用した。
レーガン政権の成功は、その多くをTVの有効な活用に依っている。
 2008年の米大統領選挙においては、民主党のオバマ候補が、初めてインターネットを 有効活用する事により、大統領の座を射止める事に成功した。
 オバマこそは、初代インターネット大統領と呼びうるであろう。

 電波メディアの歴史をさかのぼると、そのラジオの発明から現代にいたるまで、巨大メデ ィア帝国を築こうとする権力志向と、情報の自由化により、より自由な社会を実現しよう とする個人の理想、との間の確執であった事が理解できる。
 アメリカにおける、ラジオとTVの草創期には、NBC帝国を築いた実業家サーノフと、稀代の発明家であったアームストロングとの間に、熾烈な闘争が存在した。
この戦いは、サーノフの勝利に終わったが、アームストロングが抱いたような理想主義は常に繰り返し 、歴史の中にあらわれてくる。

 現代日本における虚妄のメディア帝国NHKと、真実を求める草の根の国民との闘いも、この歴史的な文脈からよりよく理解する事が出来るだろう。



7/7 【国民の為の政治学】第5講 マスメディアと政治の関係とは??[H22/3/12]


 インターネットの時代になり、情報の流れ方が従来のマスメディア主流の世の中とは全く変わってきた。
 マスコミは、情報を1か所に集め、その中心から周辺(国民)に情報を一方的に流すシス テムである。
 これに対し、インターネットは、全ての人が発信者にも受信者にも成りうる情報の双方向 のNETWORKを形成している。
   インターネットの登場により、営業的にもマスコミが大きくその影響を減少させている事は間違いない。

 ただし、インターネットもまた、新しいメディアであり、その登場が必ずしも我々の望むような真に自由で民主的な社会を実現するという保証は全くない。
新しい技術がユートピアを実現する、というのは、歴史上、人間が何度も抱いてきた幻想である。

 「新しい技術自体」が、社会をよりよい状況にする事は、あり得ない。
1つの新しい技術 は如何に革命的であっても、常に社会に対する肯定的な影響力と、否定的な影響力の両方 をもつものである。
 産業革命は、経済的に人類を大きく発展させたが、同時にまたその発展に伴う新しい問題をも生み出したのである。
 同様な事は現代のIT革命についても言える。
IT革命を民主政治の進歩に役立てうるかどうかは、我々がそれをどのように利用するかにかかっている。





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【御知らせ: 今週末の日曜日、靖国神社内、 靖國会館 「偕行の間」にて藤井厳喜の講演会です!】

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二宮報徳会 講演会 「シナが日本に仕掛ける無制限戦争」

平成22年3月14日(日) 13時30分から16時30分 (13時00分受付)

場所  靖國会館 「偕行の間」 (靖国神社内)
参加費 1,000円 (学生 500円)

主催・お申込: TEL  03-3637-7861 (二宮報徳会)

※ 定員になり次第、締め切らせていただきますので、お早目にお申し込みください。