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トヨタ問題に思う ― 覇者の驕り 

投稿日:2010,02,25

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 2月24日、豊田章男社長は、米下院の公聴会で証言した。

日本の基幹産業・自動車産業の雄であるトヨタを悪く言うつもりはないが、私が現在、感じているのは、以下のような諸点である。

(1) 私は、米ブッシュ政権がスタートした、2001年頃から、「やがてトヨタは、GMを抜き、世界一の自動車会社になる」と予測し、自らの情報誌では勿論、他の公開の場でもその事を明言してきた。
 同時にその時、私が警告してきたのは以下のような事でもあった。
「トヨタが世界一の自動車産業になり、GMは経営破綻するだろう。現在の自動車産業の動向を観ていると、そう予測するしかない。やがてGMとフォードは破綻し、トヨタは世界一になり、ホンダもそれに次ぐ地位を占める事になる。
 その時、どういう事が起きるのか。それは、アメリカにおけるモーレツなトヨタ・バッシングである。かつてのアメリカの基幹産業であった自動車産業が凋落し、そのTOPの座を日本企業に奪われる事は、単に経済的利害だけの問題ではなく、アメリカ人のプライドを大きく傷つける心理的にショッキングな事件でもある。
必ず強烈なトヨタ・バッシングが待ち構えているのであり、トヨタは隙を与えないように、極めて慎重に行動する必要がある。
 また、アメリカ社会の反発をかわす為に、様々な社会貢献等を行い、トヨタに対する反発が政治的に表面化しない様に心がけなければならない。何よりも欠陥車を生みだし、隙を与える事が最悪の事態を招く事になる。」


(2) このような主旨を、短い論文にし、トヨタ幹部に人を介して間接的に渡した事もあったが、トヨタ経営幹部はこういった提案には全く興味を示さなかった。
技術力と経営力さえ有りさえすれば、政治的な配慮はあまりしなくとも、自分たちの権益を守り抜く事が出来ると信じているようであった。
 私は提出した提言書の中で、アメリカの政治家に対する積極的なロビイングや、マイノリティ団体、更にマスコミに対する積極的なアプローチも提案したが、トヨタは全く関心を示さなかった。


(3) 私としても、トヨタに対しては、特別な義理があるわけでもないので、このアプローチはやめてしまったが、(トヨタ側は余計な御節介と思ったに違いない)いつか必ず、アメリカにおいて強烈なトヨタたたきが起きる事は目に見えていたので、他人事ながら、事態を注目し続けてきた。


(4) アメリカ自動車業界の反発を考えれば、トヨタ・バッシングはもっと早く起きてもおかしくはなかった。
 しかし、それを助けてくれたのは、8年間のブッシュ・ジュニア政権であった。
恐らく、トヨタ首脳部はその事にすら未だに気がついていないのではないか。
ブッシュ・ジュニア大統領は、過度な訴訟社会に陥ったアメリカの司法改革を公約の一つに挙げていた。
全体的にアメリカのビジネス社会は、行きすぎた消費者からの訴訟によって、様々な困難に直面してきた。
ビジネス界は、概ね共和党支持であり、その共和党の大統領であったブッシュ・ジュニアは、集団訴訟額の上限を設定する等、行きすぎた訴訟社会の是正に努めてきた。

 これに対して、民主党支持の最大の政治献金団体は、訴訟弁護士の集団である。
民主党が、オバマ大統領の誕生によって、政権に返り咲いたという事は、訴訟弁護士が再び大きな力をアメリカ社会で持ち始めた事を意味する。
ブッシュ政権の8年間はトヨタにとっては、誠に幸運な期間であったが、この間に来るべきトヨタ・バッシングに対して十分な準備をしておくべきであったのだ。
共和党政権が2期続けば、ほぼ確実に、その後には民主党政権が生まれる。
民主党を支えている最大の支持団体は、労働組合や公務員労組や訴訟弁護士団体である。
どのような事が起きるかは、十分に予測できたはずだ。

実際、民主党のクリントン政権8年の間には、日本企業に対する訴訟が頻発し、日本は多いな出血を強いられたのである。
言わずもがなの事だが、クリントン夫妻もオバマ大統領も、その職業は弁護士である。


(5)トヨタの今日のトラブルの原因は、一言で言うならば「覇者の驕り」である。
米国の作家、ハルバースタムは、同名の著書で、GMに代表されるアメリカ自動車産業の凋落を見事に描ききった。

 頂点を極めたアメリカの自動車会社が、如何に傲慢であり、その傲慢さが彼らの凋落の原因になったかを、ハルバースタムは指摘してみせたのである。
私は、長い事、トヨタもまた、覇者の驕りという病に陥らなければよいなぁ、と心配してきたが、今回の事態はまさにその心配がそのままに現実になった事を物語っている。


(6)トヨタも小さな欠陥はいくつも生み出していたはずであり、これらの過ちに対する対処を、正直に正々堂々と公開して来なかったのではないかと疑っている。
日本国内においては、トヨタ自動車の影響力は巨大であり、圧倒的である。
その巨額の広告費の事だけを考えてみても、トヨタがマスコミに及ぼす影響力は想像がつく。
 要するに、日本のマスコミでは、トヨタ批判はタブーである。
トヨタは、広告費と系列の力で、日本のマスコミを自在にコントロールしてきたと言っても過言ではないだろう。

 ところが、アメリカにおいては、そういう訳にはいかない。
アメリカのメディアは、トヨタの自由になるような存在ではない。
トヨタ経営陣は、傲慢さのゆえに、自らが如何に危険な立場に陥っているかに、気がつかなかったのではないだろうか。

(7) 対NHKの一万人訴訟については、読者のみなさんはご存知の事と思う。
訴訟の原因となった番組は、09年4月に放映された「JAPANデビュー・アジアの一等国」であるが、この時点におけるNHK幹部を見てみると、面白い事が分かる。
 理事以上の幹部に民間企業出身者が2人だけいる。
その二人とは、アサヒビール出身の福地会長と、トヨタ出身の金田(かなだ)専務理事である。
 金田氏は、トヨタにおいて、広報一筋に歩んで取締役になった人物であり、その後、NHKに転職している。
福地氏・金田氏の二人以外は、全てNHKの生え抜きである。
この事実を見ると、トヨタは明らかに、NHKの親シナ路線を支持しており、積極的に推進する側なのではないかと推測される。
この裏には勿論、出遅れたシナ史上でのトヨタの進出という事態が存在するのであろう。

 つまり、トヨタは、歴史を改ざんし、日本国の国益を害してまでも、シナに媚びを売り、シナ市場での進出を進めようとしていたかに見える。
これもまた、国家と国民を無視した覇者の驕りの現れと言えるのではないだろうか。

今回の事件で、日本国民の間から、必ずしもトヨタに対する支持や同情が湧きおこってこないのには、上記のようなトヨタの国益を無視した行動が存在しているのではないだろうか。
断言するつもりはないが、大いに憂慮している。


(8)一般に、思われているよりも、現在、トヨタははるかに危うい立場にある。
アメリカにおいて、集団訴訟が起こされ、これに敗北すれば、最悪の場合、数兆円の金を支払わなければならなくなる。
 トヨタと言えども、その蓄積した富は、いっぺんに失われる事になる。
また、一度、傷ついたメーカーとしての信用を取り戻すのは容易なことではないだろう。


(9) 24日の豊田章男社長の議会証言を見ると、全く敵の罠にはまってしまったと言える。
アメリカの現地社長はおびえ切っており、全ての責任を本社に転嫁している。
「全ては本社の指示でやった」と発言しているに等しい。
 豊田社長の弁明自体も、一言でいえば、誠につたないものであった。
社長にアドバイスするスタッフのレベルがあまりに低い事に、私は驚いた。
 失礼ながら、まるで「裸の王様」である。

 私はこの分野の専門家ではないが、それでも、もう少しマシなアドバイスをし、振付を行うことぐらいは出来るつもりである。
 トヨタは膨大な金額をアメリカの法律事務所に支払っているはずであるが、その金に値するサービスを受けているとは言い難いのではないか。
トヨタに必要なのは、第一級のメディア・コンサルタントである。

法律のテクニカルな問題ではなく、アメリカの政治と世論をどのように動かすか。
そのノウハウを持っている人々のアドバイスが今や最も重要である。


 私はこの時点で、「そら見た事か」という気は毛頭ない。
日本を代表する企業であるトヨタの行方をひたすら心配している。

 トヨタがこければ、日本経済が受けるダメージはあまりに巨大である。
トップ企業としての社会的責任をトヨタ首脳は痛切に感じなければならない。

トヨタが必要とあれば、私はいつでも喜んでお役に立つつもりでいる。



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