先月、10月はお休みしてしまった俳句の勉強会を、11月15日、午後に開いた。
場所はいつものJR御徒町駅そばのショージ歯科である。
ここら辺の旧い地名が「黒門町」という為、この会を「黒門町句会」と称している。
会場の直ぐ傍には黒門小学校がある。
ところが不思議な事に、黒門町という地名は公式には最早、残っていない。
勉強会では主に、今、『現代俳句』(山本健吉・編)を読み進んでいる。
勉強会の内容とは離れて、この秋に創った拙句をいくつか紹介してみたい。
胡桃降る 森 この奥は 魔女の家
胡桃割る 幼き頃の 楽しき日
霰(あられ)降る 如くに落ちし 胡桃かな
奥軽井沢の郊外の森を散策していると、パラパラと弾けて落ちてくるものがある。
当たれば、かなり痛いし、落ちる地面の種類によって様々な音がする。
よく見れば胡桃である。
何やらこの森の奥には、お菓子の家があったり、魔女も住んでいそうなグリム童話のような雰囲気があった。
普通の柔らかな土の上に胡桃が落ちてくると「スポッ」というような音がする。
固いアスファルトの道の上に落ちると、「パーン」と高い音が反射するように響き渡る。
落ち葉の上に落ちると、「パサッ」と音がして、木の葉が波の様に飛び散るのである。
まるで森が木琴を奏でているような、楽しい自然の演奏会である。
木琴を 奏でる如く 胡桃落ち
既に晩秋というよりは、初冬といってよい季節かもしれない。
白い山茶花が夜目にも鮮やかである。
月になほ 山茶花白き 夜更けかな
過日、観たままの句である。
『月刊日本』誌上には、引き続き『徘徊誹諧』を連載している。
ご照覧頂ければ幸甚である。