11月10日付産経新聞に、ポール・ウォルフォウィッツ元米国防副長官が、日米関係に関する論文を寄稿している。(3面と8面に掲載)
※【ポール・ウォルフォウィッツ氏: 米国の国際政治学者。国務次官補(東アジア・太平洋問題担当)、駐インドネシア大使、国防次官を歴任。ブッシュ前政権で国防副長官。2005年に世界銀行総裁に転じ07年に辞任した。】
日本の民主党政権に対するアドバイスが中心である。
その内容は、常識的で首肯する部分が多い。
同氏が主張するのは、日本は米国と緊密な関係を維持する事によって、日本の国益ばかりでなく東アジア全体の安定と繁栄を確保する事ができる、というものである。
日本は米国と協力して、(軍拡を続け、危険な存在である)シナを牽制しながら、シナを責任ある国家として、行動するように仕向けるべきである。
以上のような、ウォルフォウィッツ氏のアドバイスに対して、民主党首脳部が真摯に耳を傾けてくれる事を望むばかりである。
ウォルフォウィッツ氏のアドバイスは適切なものであるが、この論文を読むと、同氏は日本の民主党政権に対して1つの大きな誤解をしているようである。
同氏は明言はしていないが、文章の行間を読むと、民主党政権を、日本のナショナリズムを代表する政党であり、それ故に民主党の外交政策が対米自立を指向していると考えているようである。
同氏は繰り返しこの論文の中で、日本人が誇り高い民族であり、独自の自尊心を持つ事は当然である、旨の発言をしている。
外国人から見た民主党の外交政策に対する典型的な誤解であろう。
日本の民主党は、特に、鳩山政権は、全く日本のナショナリズムを代表するものではない。
「左派ナショナリズム」というものが論理的にはあり得るとしても、鳩山政権の外交政策は、左派ナショナリズムに基盤を置くものでもない。
鳩山民主党政権の思想的トレンドは、グローバリズムと個人主義の組み合わせであり、決してナショナリズムの要素は含んでいない。
その思想的傾向は、左派的=進歩的であるが、その左派性、進歩性は、ナショナリズムに基盤を置くものではなく、グローバリズムと個人主義に基礎を置くものである。
ウォルフォウィッツ氏はこの事を誤解しているように思われる。
今後も、日本の実情について、英語圏への発信を様々な形で発信していきたいと思う。
(以下、私が日本文明について英語で紹介した映像です。引き続き拡散協力ください)
1/2 Gemki Fujii's Guide to JAPAN,Yesterday,Today,and Tomorrow
Gemki Fujii is a professional analyst of international affairs. He is one of the most well-known future forecaster in Japan. He has authored nearly fifty books since1984. His company,CFG of Japan, publishes bi-weekly newsletter of future forecasting. He is a lecturer at Japan's National Police Academy and visiting professor at Takushoku University.
In this TV Column, FUJII introduces you to unique civilization of his country, Japan.
How come you had better know recent happenings in Japan? Ask him what is happening in Japan's Wall Street and power center!
2/2 Again About Myself A Little More