誰が言ったかは知らないが、よく民主政治に関して聞かれる諺に、
「国民は自らのレベル以上の政府を持つ事は出来ない」というのがある。
民主政治下の人間が、自らの政府を批判した時に、よくこの諺が一種の白けた反対意見として提出される。
所詮、自分たちが選んだ政府じゃないか?というわけである。
確かにこの諺は、誰もが否定できない真実を含んでいる。
しかし、この諺は、普通の人が思っている以外のある状況も示唆している。
どういうことか?
それは、デモクラシーにおいては、しばしば「国民は自らのレベル以下の政府をもつ」ということである。
民主党政権が国民と同じ程度に愚かな政府なのか?
それとも、国民の平均レベルよりも更に愚かな政府なのか?
この二者択一を我々はこれから見極めようとしている。
デモクラシーにおいては、最終的には大衆と呼ばれる人々が選択をするのであるが、重要なのは大衆の道徳的かつ、知的レベルばかりではなく、リーダーの道徳的かつ知的レベルである。
デモクラシーは、まさにデモクラシーであるがゆえに、リーダーシップなしには成立しない。
厳密的には、指導者の側のリーダーシップと、大衆の側のフォロワーシップの融合により、デモクラシーのレベルが決定されるのである。
大衆がそこそこのレベルにあっても、指導者たちがそのレベルよりも低いということはありうるのだ。