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『表現者』シンポジウム- 『国家なき経済の破綻・国民なき文化の凋落』

投稿日:2009,07,17

7月17日夜7時から、雑誌『表現者』主催のシンポジウムが新宿文化センターにて開催された。



 このシンポジウムでは、表現者顧問であり評論家の西部邁先生の基調講演を行い、その後に、 東谷暁さん、前田雅之さん、中野剛志さんら参加によるパネルディスカッションが行われた。
司会者は、富岡幸一郎さん。
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タイトルは、 『国家なき経済の破綻・国民なき文化の凋落』であった。

 シンポジウムにおける発言は多岐にわたったが、その要旨についてはシンポジウムのタイトルがほぼ全てを言い尽くしている。

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 西部先生の基調講演は、先生独特の風刺に満ちた、しかし大変、元気のあるものであった。
基調講演の中で、特に、私に強い印象を残したのは以下の2点であった。
第1は、西部先生自身の言葉によれば、「今後やるべき事は極めて単純であり、過去20年間に日本人がやってきた事の逆をやれば、国は必ずよくなる」という提言である。
第2は西部先生が繰り返し主張されているところであるが、人間は合理的な判断などは所詮、出来ない存在であり、歴史的な英知によって磨かれた常識 common sense こそが、唯一の頼りうる我々の判断の基準である、との発言であった。

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会場はほぼ満員で、パネリストのユーモアと会場の熱気が相まって大変に充実したシンポジウムだった。


西部先生の最新刊3冊を以下で紹介したい。
特に、ジョルダンブックスの『読書の時間』でも公開、連載されている『人生相談』は簡単に読めて、為にもなり、おススメである。

 私が若い頃に『週刊プレイボーイ』で、柴田練三郎や今東光といった人生の達人たちが、若者を相手にした人生相談のページを連載していた。
手紙で寄せられる若者の悩みに口頭で答えるといった形式のもので、読み物としても大変面白く、私もこの人生相談のファンの一人であった。

 西部先生の人生相談は、かつてのプレイボーイ誌上に勝るとも劣らない傑作である。

一流の知性が、現実の生活上の難問にどのような答えを出してゆくのか?
現実の生活に対するヒントに溢れると同時に、知的刺激にも大いなる名著であり、一読を是非、勧めたい。
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