昨日8日の事だが、日本経団連、御手洗富士夫会長が温暖化ガスの排出規制に対して、中々勇気ある発言を行った。
※ 参考記事; 「温室ガス削減中期目標で経団連会長 「産業の命運かかる」」
1990年を基準にして、日本の温暖化ガスの排出ガスの基準を2020年にプラス4%にしようという提案をしようとしたのである。
従来は、1990年を基準に、マイナス6%という事であったから、かなり思い切った軌道修正であるといえる。
経済成長を維持しながら、排出ガス規制をするとすれば、そこらへんが合理的な基準目標なのであろう。
現在の日本の温暖化ガスは、1990年を基準にプラス9%となっている。
もしマイナス6%の目標を変えないとすれば、今から15%も温暖化ガスの排出を削減しなければならず、これは殆ど不可能に近いであろう。
不可能といったが、実は確実に温暖化ガスの排出を削減する方法が一つだけある。
それは、日本経済を大不況に落ち込ませる事である。
日本経済が現状より更に酷い大不況に落ち込み、景気が回復しなければ、日本の温暖化ガス排出は確実に縮小する。
別の言い方をすれば、温暖化ガスの排出規制を強行すれば、経済は大きく落ち込まざるを得ないのである。
即ち、今以上に企業は倒産し、失業者は増え、自殺者も増え、ホームレスの数も激増する。
排出ガス規制の高い目標を主張する人たちは、その事が分かっているのだろうか?
マスコミの多くもこの矛盾に気がついていないのか?
あるいは気がついていても知らぬ顔をしたままである。
よくアメリカのオバマ政権のグリーン・ニューディール政策(環境産業を経済成長のエンジンにしようとする政策: ちなみにオバマ大統領はこの言葉を一度も使っていない)を例にとって環境重視の政策が経済成長を生むと主張する人もいる。
しかし現在の経済構造では、これは非常に難しいであろう。
例えば代替エネルギー産業が儲かる為には石油が相当高価格でなければならない。
石油が高価格であるとは、石油を消費する国家や産業それ自体が大きなコストを負担してゆくという事であり、それは経済成長へのブレーキとなる。
御手洗会長のもう一つの勇気ある発言は、アメリカ・シナ・インドなどの温暖化ガス排出大国が世界的な排出規制に加わらないならば、日本もまた規制に参加すべきではないという提言をである。
これも日本の国益を踏まえ、言いにくい事をよく言い切ってくれたと思う。
日本経団連のスタンスには時には同意しかねるもの、反対せざるを得ないものもあるが、(特にシナに対する過度に媚を売るような態度)今回のように全面的に支持できる発言もある。
今回は御手洗会長に大きな拍手を送りたい。
既成マスコミの大部分は、過剰な温暖化ガス規制がホームレスや失業者や自殺者の増大に繋がるという因果関係を全く無視している。