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「人間は『聖書』ではない」? NHK、朝の連続ドラマに思う

投稿日:2009,06,05

 NHKテレビ第一放送、朝の連続ドラマ『つばさ』を見ていて、面白いことがあった。

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イッセー尾形、扮する人物が主人公の少女、つばさに御説教をする場面があった。

 確か6月4日?放送分?、その中で彼は「人生は複雑であり、人間の中には美しいものばかりではなく、どろどろとした醜い欲望もある」というような教訓を少女に説くのである。
 それはそれでよいのだが、この時に、「人生は教科書ではないし、聖書でもない」というような表現が使われていた。

 「人生は教科書ではない」、は良いであろう。
人生は型どおりの建前だけではないと言うほどの意味であろう。

しかし、「聖書ではない」という表現は明らかに、この人物の説く教訓の内容と矛盾している。

 『聖書』というからには勿論、キリスト教の聖書のことであろう。
新約聖書はともかくとして、旧約聖書を読んでみると良い。
そこに現れているのは、人間の崇高な感情と同時に、人間のドロドロとした欲望が展開する様々な物語である

裏切り、殺人、姦淫、略奪、人間の考えうるあらゆる悪徳がそこには記録されている。

そもそも旧約聖書とは、ユダヤ人の民族の歴史なのである。

おそらくこの「つばさ」のシナリオ作家は、旧約聖書などは読んだことがないのであろう。
要は教養の欠如である。

公共放送であるNHKが、このような知的レベルの低い番組内容を垂れ流しにするというのは、まことに哀しく、憂うべきことである。


 これは、NHKの政治的立場とは全く関係がない。
NHKで番組制作にかかわる人々の知的水準が極めて低いことがココに痛いまでに現れている。