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西部先生の「人生論」に酔う

投稿日:2009,05,07

今夜は西部先生と久々にお逢いでき、楽しく酒盃を重ねる事が出来ました。
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だからキミの悩みは黄金に輝く - 西部邁の人生相談』は本当にすばらしい本だと思う。
今の10代から20代の人が読めば、必ず多くを学ぶ事ができると思う。
というのは、多くの若者に共通した悩みを相談者が尋ねているからだ。

例えばそれが引きこもりであり、いじめであり、リストカットであり、失職してしまった派遣社員の問題であるからだ。

西部先生はそれらの質問者に同情しつつも、広い視点から彼らや彼女らや悩みを笑い飛ばすようにその回答を与えている。
そこには同情と超越とが同時に存在している。
心の中の遠近法が確実に担保されている。
そのような人生の達人からのとても具体的なアドバイスは現代の禅問答といってもいいと思う。

おそらく、相談者はその悩みを一刀両断されながらも、大いにその一刀両断の刃に愛情を感じてあるはずである。
その刃は、現実という殻や、一見破壊しがたい現状の壁を安々と鮮やかに破壊し、明日への希望をひらく刃である。

一瞬、川端康成の「雪国」の”国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。” という文章を思い出す。
トンネルを抜けた「夜の底が白くなった」世界を見たい君にお勧めの「刃」である。

しかし回答者は「希望には常に自己責任が伴う」という人生の約束を再確認している。

56歳の私が読んでも、実に面白くためになる現代の禅問答である。
この一切の答えが全て即興で即時にその回答が与えられているということはまことに驚嘆すべき事ではないか?

回答者は書斎に篭って回答を熟慮して与えるのではなく、口頭によって即断即決でその回答を鮮やかに与えている。

これを人生の超達人といわずして何といおう?

読めば分かる!といいたい本である。

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詳しくは、ジョルダンブックス『読書の時間』の『西部邁の人生相談』のページ
http://book.jorudan.co.jp/cgi-bin/browse.cgi?action=1&file=jinsei 
を見て欲しい。