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『永久債』について

投稿日:2009,04,22

今、共著の本を執筆中である。

課題は、『永久国債』である。
4人の共著として、光文社のペーパーバックスのシリーズの1冊として刊行される予定である。
(おそらく6月発売予定

実は、4人の内で、私の執筆が一番遅れていて、現在、急き立てられている。(苦笑)

内容は、先日も簡単に述べたが、
返済(償還)のいらない永久国債の発行によって、日本経済を右肩上がり、すなわち拡大均衡に持っていこうという本である。

永久国債によって、調達する資金によって、大規模な22世紀に向けての公共投資を行い、日本を夢のある社会に再生させよう、というのが共著者4人の共通の願いである。


永久債(超長期債)には先例が2つある。

第1は、薩摩藩が財政改革の際に発行した250年債である。

この発行の責任者、調所笑左衛門(ずしょ・しょうざえもん)とその子孫の調所一郎さんのことについては、昨日のブログでも書いた。

ともかくも、この250年債という非常手段の導入によって、薩摩の財政改革は成功し、薩摩は幕末・明治維新を指導する強力な政治勢力となることが出来た。
大げさに言えば、この250年債なくして、明治維新は有得なかったのかもしれない。



第2の例は、イギリスのコンソール債である。
18世紀中葉、発行されはじめたこの無期限債によって、イギリスは、ナポレオン戦争を戦い抜き、7つの海にまたがる大帝国を建設した。

コンソール債が勿論、全てではないが、この無期限債という大胆な英知が、大英帝国建設を支えた多くの柱の一本であった事もまた、歴史の事実である。


日本は今日、1500兆円といわれる膨大な個人金融資産を有し、また世界一の製造業を持ち、同時に世界最大の対外債権国である。
にもかかわらず。日本国政府の財政は、逼迫しており、日本経済はデフレ的縮小傾向の悪循環から逃れることが出来ない。

この悪循環の因果を断ち切り、日本人の持っている潜在力を十二分に発揮させ、夢と希望のある社会を作るための非常手段の一つとして、永久債は大いに有効なる手段である。
私としては、丹羽春喜先生の主張する『政府発行通貨』にも大賛成であり、政府発行通貨も同様の役割を担うことができると確信している。

実際、永久国債と政府発行通貨の構造と役割は極めて近似したものである。
しかし、政府発行通貨については丹羽先生がすでに十分に論じているので、私としては、もう一つの可能性である永久国債(超長期債)=無期限債の可能性について、探求してみたいと思っている。

要は、永久国債により政府が豊富な財源を持ち、政府が長期的に景気を好転させる財政支出を行えるようになる事が最も重要である。

私の他の共著者は3人。
調所一郎さん、
松田学さん、
有澤沙徒志さん。

松田さんは財務省の官僚であり、一番長い論文を書いてくれた。
ペーパーバックスの編集長、山田順さんも、この企画に賛同し、イントロダクション(はしがき)を執筆してくれた。

考えようによっては、今回の著作は、5人の共著ともいえる。
私の位置づけは、執筆者「永久債研究会」のコーディネーターといったところである。


内容は是非、お楽しみに。