以前、ブログでアメリカとスイスがスイス国内の銀行秘密口座の情報開示について、対立している事を指摘した。
その後の経過について報告すると、スイスは大幅に妥協し、銀行秘密口座の情報開示を大々的に進めることになった。
スイスのみならず、リヒテンシュタイン(ヨーロッパ)、アンドラ(ヨーロッパ)、マン島(イギリス領)などの、いわゆるタックス・ヘイブン(税金避難地)も、相次いで銀行口座の秘密保持原則を緩和し、脱税取締りに協力する方向に動いている。
3月中旬(3月9日(月)-13日(金)の一週間に、起きた出来事である。
実はアメリカのみならず、EU内部でも、タックスヘイブンに対する批判が高まり、制裁を加えるべきだとの意見が強まっていた。
この事は、実は、脱税問題のみならず、テロ資金の取締りの為にも必要な措置であった。
世界の資本主義の正常化が一歩、確実に進んだ事として、この変化を歓迎したい。
世界的大不況からの脱出の為にも、必須の措置であったと思う。
日本のマスメディアは、この事を殆ど報道してこなかったが、3月26日付け読売新聞朝刊が、この事を報じている。(第14版経済面P11)
ただし、この読売記事も、脱税には言及しているが、テロの資金源については言及していない。
この事については、誰もがこの重大さについて気付いていなかったようだ。
読売新聞より早く、ケンブリッジ・フォーキャスト・レポート3月号(3月21日発送号)で、その意味を詳しく解説しておいた。