2月20日。金の先物価格が、1トロイオンス(約31.1グラム)=1000ドルを突破した。
2008年3月以来、約11ヶ月ぶりの高値である。
金は、国際商品なので、1グラム何円ではなく、1トロイオンス何ドルか、で見なければならない。
今後、金価格が、どこまで上昇するかで、大きくいって2つの見方がある。
第1の見方は、今後とも、引き続いて、金価格が長期にわたって、上昇していくという見方である。
第2の見方は、世界経済が、危機的状況を脱すれば、金価格は下落するだろうという見方である。
1999年以来、金価格は、約240%上昇した。
一方、米ダウ工業平均は、30%下落している。
つまり、過去10年間に関する限り、金投資は、株式投資に対して、圧倒的に優位であった。
しかし、通常のパターンでは、世界の経済成長が、順調なコースに戻れば、株価の上昇率が、金価格の上昇率を上回る事になる。
私は、現在の世界経済の混乱が、相当長期に及ぶと見ているので、金価格も長期的に上昇トレンドにあると、予測している。
現在、米ドルは、世界の基軸通貨の座を滑り落ちつつある。
これは拙著、「ドンと来い大恐慌」で詳しく分析したとおりだ。
そこで、金は単なる一次産品ではなく、通貨としての本質を再獲得しつつある、と考える。
そこで、1オンス1000ドル以上の相場は長く続くものと予測できるのみならず、長期的には1500ドルから2000ドルに向けて上昇する可能性も大である。