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今回が経済講座の最終回になります。
藤井厳喜アカデミーの第1弾は「国民の為の政治学」でした。
アカデミー第2弾の講座名は「日本を復活させる智恵(経済篇)」となっていますが、内容は「国民の為の経済学」と呼んでもよいものです。
通貨、市場、資本主義、デフレギャップ、等という本質的なことについて、深く考えてみました。
普通の経済学の本には書いていないような内容です。
しかしこれらの考え方がよく理解できれば、現在私たちがどのような経済政策をとればよいのかということも明らかになります。
学問というのは、面白いもので、より原理的な原則的な理解が深まれば、「現在、何をしなければならないか」という実践的な面でも、より現実的なよい智恵が湧いてきます。
世に一般に流通しているレベルの低い「常識」に洗脳されている内は、明確にものを考えることができません。
明確にものを考えることが出来なければ、正しい問題解決の方法を見つけることもできません。
少々、難しい言い方になるかもしれませんが、学問で大事なのは、「区別」と「関係」です。
この事を念頭において、この国民の為の経済学講座を勉強して頂ければ学ぶところは多いと思います。
分からなければ、是非、繰り返し、ご覧になってください。
※ 藤井厳喜アカデミー第2弾・全篇通しての復習は、以下の再生リストをご利用ください。
【アカデミー第2弾・経済篇・全篇再生リスト】 http://www.youtube.com/playlist?list=PLE4F42E64ED2C36F7&feature=mh_lolz
皆さまからの質問、ご意見等をお待ちしております。
藤井厳喜アカデミー第2弾4講「経済常識」の非常識!? 前篇[H23/7/22]
YouTube : http://youtu.be/guZoMztMOC4
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm15091413
前篇《要点1:デフレギャップと需給ギャップの違いについて》
「デフレ・ギャップ」は、国民経済における潜在的な供給力と現実の需要の差(ギャップ)のことです。
これに対して「需給ギャップ」というのは、企業の生みだす製品と社会の欲している商品が、合致しないことです。
つまり、供給側と需要側の内容にギャップがあることです。
デフレギャップと需給ギャップは、全く別の概念ですので、その違いに注意してください。
今日の日本経済には厖大なデフレギャップは存在しますが、需給ギャップは存在しません。
《要点2: 正統派ケインズ主義と俗流ケインズ主義の違いについて》
このテーマについて、多くの方から質問を頂いたので、もう一度、詳しく説明します。
正統派ケインズ主義の意味するところは、一国の経済における需要と供給の調整です。
需要と供給を調整し、経済を持続的に発展させようというのがケインズ主義の本来の考え方です。
これに反して、「俗流ケインズ主義」は、増税して「大きな政府」を作り、国債発行で景気対策を行なうが、これが将来における増税に帰結してしまうような経済政策のことです。
「俗流ケインズ主義」は、イコール「大きな政府」であり、この場合「大きな政府」が意味するのは、
1)公務員の増大、2)増税、3)国債乱発(これが将来の増税に再び繋がる) 4)政府規制の強化です。
今日におけるケインズ経済学批判と言われているものは、実はこの「俗流ケインズ主義」に対する批判にすぎません。
《要点3: 国債は増やしても大丈夫》
国債が国内で消化されている限り、マクロ経済学的に見れば、国債の増発を恐れる理由はありません。
ある時点で、国債を全て償還しなければいけないとします。
つまり国家政府の借金を全て返さなければいけないと仮定します。
この場合、財源は増税しかありません。
国民に増税の負担をしてもらって、政府の借金を返すほかに方法はありません。
政府は誰に対して借金を返済するのでしょうか?
借金を返してもらうのもまた、国民です。
つまり、国債の償還(政府の借金の返済)とは、国民からお金を取って、国民から増税という形でお金を集めて、それを国民に返済するということに過ぎません。
お金の流れは、国民→政府→国民ということになります。
国民が支払う増税分は、再び国民のお財布の中に戻って来るのです。
ですから、国民経済全体としてみれば、国債の増加は、全く困った問題ではないのです。
奇妙に思われるかもしれませんが、借金を返済してもらうのもまた国民であるということが分かれば、以上の説明に納得して頂けると思います。
問題は、初めに国債を増発して支出した政府予算が誰の為に使われたかということです。
政府の支出は、全体として国民の収入になっているのですから、これもまた問題はありません。
しかし政府支出の内容が、ある部門に偏っていたとすれば、民間経済のそのセクターのみが優遇されたことになります。
例えば政府がダムや高速道路ばかり作っていれば、建設会社や土木会社のみが直接の受益者となります。
その他の経済部門の人々は、直接の利益を被りません。(間接的には、利益は社会を循環しますが)
そこに不公平感が生まれるのは確かです。
また、国債の変換の際にも若干の不公平が発生します。国債を所有していた国民は、元本の他に利息を受け取りますから、得をします。
これに対して国債を持っていなかった国民は、増税の負担だけを強いられて、利息はもらえませんから、損をします。
ここにも不公平感は生じます。
以上の様な不公平感を如何に調整するかは、議会制デモクラシーに任された使命です。
《要点4: 資本主義の集中原理と拡散原理》
資本主義とは、資本が自己増殖してゆくような経済システムのことです。
この資本主義という仕組みには、「拡散原理」と「集中原理」の2つの原理が存在します。
よく、資本主義は、金持ちが益々、金持ちになるような経済システムであると批判されます。
これが意味するのは「資本の集中原理」です。
資本は、繰り返し投資されて、増殖してゆきますから、お金もちが益々お金もちになる、という傾向は確かに存在します。
例えば、マルクス主義者を始めとする社会主義者や共産主義者達は、この点のみをあげつらって、資本主義を攻撃しました。
しかし、資本主義には、全く異なった一面も存在します。それが資本の拡散原理です。
資本は自己増殖する為には、投資されなければなりません。
投資されるということは、資本が常に新しいビジネス分野に向かって「拡散」してゆくということです。
新しい産業分野に資本が投資されることによって、その分野で新しい技術革新を促し、新たなる雇用を生み、新たなる経済成長を引き起こします。
若くてやる気のある起業家や技術者に、ビジネスを起こす機会を与えられるのは、資本主義にこの拡散原理が存在するからです。
また、資本は国境を越えて、低開発地域にも流入し、その地域における経済発展を促します。
その地域における新しい雇用を作り、貧困を改善し、経済発展を実現します。
このように資本の拡散原理には、社会の均衡ある発展を促進するというプラスの側面が存在します。
資本主義を単に、集中原理の視点のみから批判するのではなく、拡散原理の視点からポジティブに評価することも必要です。
藤井厳喜アカデミー第2弾4講「経済常識」の非常識!? 後篇[H23/7/22]
YouTube : http://youtu.be/guZoMztMOC4
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm15092252
《後篇:成功した「民間通貨」という実験》
※ 今回の講義の中で御紹介しましたエピソードを更に詳しく学ばれたい方は、私が以前に書きました『劣化列島 日本
』の第5章を御参照ください。
世界大恐慌に襲われていた戦前のドイツとオーストリアで、民間通貨が発行され、大不況を一掃することが出来たという歴史のエピソードを紹介します。
話はシルビオ・ゲゼル(1862 - 1930)というドイツで生まれ、アルゼンチンに渡った実業家、兼・経済学者の理論から始まります。
ゲゼルは本来あるべき通貨はどういうものが望ましいか、と深く考えた結果、「老化(劣化)するお金」という結論に達しました。
お金が人間を支配してしまうのは何故か。
それはモノは劣化するのにお金は劣化しない、だから誰もモノよりもお金を好むことになる。
そこからお金と人間の逆転現象が生まれてきます。
本来、人間の交換の道具であるはずのお金が主人公になり、人間を支配するような逆転現象が生まれて来るのです。
あらゆる商品は時が経つにつれて質が悪くなってゆきます。
これは、工業製品に関しても食料品に関しても同じことです。
日常生活に必要なモノは必ず時間と共に老化して、その価値を徐々に失ってゆきます。
そこで、通貨もそれと同様に、劣化するのが正しい在り方なのだ、とゲゼルは考えました。
例えば、今10万円の価値のある通過が、来月は9万円の価値しかなく、更に2カ月後は8万円の価値しかないというような、時間と共に老化してゆくお金を作ればいいと考えたのです。
そうすると、そのお金は今直ぐ使った方が得ですから、確実で迅速な交換を促します。
つまり、お金をため込むということは少なくなり、お金が社会に出まわって流通するので、景気をよくすることが出来ます。
このゲゼルの考え方が、1929年、ドイツの現実のモノとなり、「ヴェーラ」という自由通貨の発行が始まりました。
1929年10月というと、あの世界大恐慌がニューヨークの証券取引上から起き、世界に大衝撃を与えた時です。
ヴェーラは瞬く間にドイツ中に普及し、2年間で1000社以上の企業がヴェーラ交換組合に加入しました。
加入企業はドイツの全ての地域に分布し、加入企業の職種も多様でした。
やがて町ぐるみでこのヴェーラを採用するところも出てきました。
それはドイツのバイエルン地方の炭鉱町、シュヴァーネンキルヘンという町でした。
ヴェーラの流通によって、この町は不況を脱することができました。
ヴェーラは、ドイツ中で、沈滞した経済活動を再活発化することに、非常に効果がありました。
しかし、ドイツの中央銀行は、ヴェーラの流通拡大に危機感を覚え、1931年11月にヴェーラを禁止してしまいました。
しかし、1932年、オーストリアのチロル地方のヴェルグルという町で、ヴェーラによく似た「労働証明書」という劣化する通貨が発行され、やはり、この町の経済活性化に成功しました。
以上のようなエピソードを紹介したのは、通貨というものに対する固定した旧い観念を皆さんに一掃して欲しいからです。
通貨は中央銀行のみが独占的に発行するだけではありません。
中央銀行が発行する通貨のみが、唯一正統なものではないのです。
国民は、自ら通貨を発行することも出来ます。
個人小切手などは、通貨の一種と見なすことも出来ます。
地域通貨というものが、あってもおかしくはないのです。
通貨は所詮、商品を交換する道具に過ぎません。
通貨自体に価値があるわけではないのです。
道具として考えれば、その発行は、景気を良くするための、方法に過ぎませんから、柔軟に考えるべきということになります。
このように考えて来ると、政府の通貨発行権の話も、軟らかい頭で受け入れやすくなります。
ヴェーラのエピソードを通じて私が言いたいのは、現在の日本では、政府の通貨発行権を用いた経済活性化が可能であるということです。
ヴェーラのような民間発行通貨ですら、経済活性化に有効だったのですから、もっと大きな信用のある政府の通貨発行権を活用すれば、景気の活性化は更に簡単なはずです。
原理的に言うならば、私たち1人1人に、その信用に見合った通貨発行権が与えられています。
この個人の通貨発行権は、乱用されると社会の混乱をもたらしますから、これを一時的に国家に預けた形にしてあるのが、現在の管理通貨制度です。
日本では、日本銀行と中央政府にのみ、通貨発行権があるのはこのためです。
しかし、これらの通貨発行権は、もともと国民に与えられた権利であり、それを二つの国家機関が代行しているに過ぎません。
通貨発行権は、天下り的に日銀が独占しているものであってはいけないのです。
通貨発行権は、国家が国民の幸福の為に、経済成長の為に、積極的に活用しなければならない権利です。
なぜならそれは、国民から国家に付託されたものだからです。
これは、「国防権」イコール「武装権」と並行して考えることができます。
我々1人1人に、自己防衛=正当防衛の権利があります。
原則的に言えば、個人は武装して自らの安全を守る権利があります。
しかしこれが乱用されると、社会が混乱しますから、これを国家に預けることによって、警察や軍隊の武装権が成立するのです。
ですから、民主国家においては、警察や軍隊の武力は、国民の安全を守り法秩序を維持するためにのみ、発動することが許されます。
国家の通貨発行権についても、同様のことが出来るのです。
↑ 藤井厳喜、次回作です!8月6日発売予定のAmericaウォッチング本です!!
【藤井厳喜アカデミー関係動画・復習用の動画再生リストが出来ました】
■ 再生リスト【第1弾・藤井厳喜アカデミー国民の為の政治学講座・全篇】
http://www.youtube.com/watch?v?=zn5eCTbgHxc&list=PL72D9C8776C?E15846
2010年2月1日開校のガイダンスから全12回講義、補講までの全講座をまとめました。
■ 再生リスト2 【近現代世界の国際秩序の変遷:新しい世界史】
http://www.youtube.com/playlis?t?list=PLE25877D424835D45
こちらは、2010年1月20日の藤井厳喜・講演会で「近現代世界の国際秩序の変遷」について
語ったものを、改めてリストにまとめてみました。
この日、私が伝えたかった事は、歴史的な時系列を振り返り、日本が大局的に言って、
国際関係のどのようなポジションにいるかという事です。
米ソ冷戦後の世界にの権力構造がどのようなものになるか、という点を大胆な仮説も含めて、語らせてもらいました。
ここで取り上げる動画は限られた時間の講演の中の一部の内容ですが、大学で私の『国際関係論』や『新しい世界史』の授業を受講される方のご参考にもなればと思い、取り上げます。
■ 再生リスト3 【第2弾・藤井厳喜アカデミー 経済篇(随時更新)】
http://www.youtube.com/my_playlists?p=E4F42E64ED2C36F7
随時、更新してゆきます。
↑ 6月24日・いよいよ新刊発売決定!!
※ 藤井厳喜へのメッセージ、講演や仕事等の依頼も、以下アドレスまでお願いいたします。
ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ事務局e-mail : info.cfg.future@gmail.com
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今回の講義のテーマは、「資本主義経済のしくみ」の根幹の解明です。
「資本主義とは何か」、「どういう仕組みで動いているのか」、というお話をします。
そして、「市場とは何か?」という、これもまた、資本主義の根幹に関わった話をします。
今回の講座は、2009(平成21)年2月18日に、『さらに!どんと来い大恐慌』という、『ドンと来い!大恐慌 (ジョルダンブックス)
』の関連商品であるDVD教材用に収録された講義の中から一部を、無料にて公開させていただくものです。
難しい内容のように思われるかもしれませんが、分かりやすく解説しましたので、是非、ご覧ください。
分からない点がありましたら、繰り返し、ご覧いただければと思います。
【藤井厳喜アカデミー第2弾】シリーズ《日本を復活させる智恵─増税を許すな!復興財源はこうして創れ!》
第3講 前篇 「経済のしくみを考える(1) 資本主義のカラクリとは?」
YouTube : http://youtu.be/WPG3G7FGKXM
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm15024000
資本主義のしくみは何か。
(1) 資本主義の宿命としての過剰生産
資本主義という経済制度は、あまりに生産性を上げ過ぎて、過剰生産となる傾向にあります。
過剰生産は、即ちモノが売れない事ですから、これが資本主義の「不況」を生み出す原因となります。
不況が極端に進化した場合を「恐慌」といいます。
マルクス主義の開祖であるマルクスも、ケインズ経済学の開祖であるケインズも、共に資本主義の構造的な宿命をこの過剰生産に見ています。
マルクスは、資本主義が過剰生産を引き起こし、必然的に崩壊すると予言しました。
ケインズは逆に、過剰生産に陥りがちな資本主義を救うためには、社会の中に人為的に需要を生み出すことが重要であると考えました。
ケインズの思想の流れは、「修正資本主義」として、第二次世界大戦後、経済学の主流となっていました。
しかし、ケインズ主義は誤解され、増税と規制強化による「大きな政府」を意味する言葉となってしまいました。
これに対する反発が、アメリカではレーガン主義、イギリスではサッチャー主義となって現れました。
ケインズ経済学攻撃の中心となったのは、アメリカのシカゴ大学のミルトン・フリードマン教授でした。
(2) 資本の自己増殖
資本主義とは、資本が常に増殖してゆく過程を意味します。
増殖する為には、投資しなければなりません。
という事は、常に新しい投資機会を求めているという事になります。
1970年代後半くらいから、顕著になってきた傾向が2つあります。
それは資本主義の発展の方向、言い換えれば「投資」の方向について、2つの大きな流れが存在してきた事です。
第一は、先進国内におけるサービス経済化の進展。
第二は、開発途上国(第3世界)における経済発展の方向です。
つまり、製造業の先進国における発展は、徐々に行き詰まりを見せ、先進国内においては、第三次産業であるサービス経済の拡大が主な成長のエンジンとなってきました。
このサービス経済の中で最も大きな比重を占めるのが金融サービス業です。
IT産業の発展というのも、主にこのサービス経済の発展の文脈で考える事が出来ます。
確かにIT産業は成長産業ではありますが、先進国全体の経済を引っ張る景気の牽引車としての力は期待されたほど強くはありませんでした。
サービス経済、特に金融サービス業の発展に引っ張られて、IT産業も成長を遂げることができました。
低開発国への投資も大きな成長の流れを形成してきました。
しかし、低開発国は社会全体の近代的な法整備も遅れ、国家の政治も不安定であり、常に投資にはカントリー・リスクが伴ってきました。
1982年のメキシコ以来、途上国のディフォールトは度々繰り返されてきました。
それでも、途上国への投資が止まらないのは、リスクがあるのは分かっていても、そこに非常に大きな投資機会が拡がっているからです。
まとめてみるならば、先進国資本主義の2つの経済成長のエンジンであるサービス経済化も第三世界への投資も、共に、大きな限界を抱えており、先進資本主義国の経済を牽引するエンジンとしては、不十分であった事が分かります。
それゆえに、現在、先進国は軒並み、大きな問題を抱えているのです。
(3) 金利の話
資本主義社会では、誰もが借金をしています。
一番大事なのは、企業がスタートする時に、大きな借金を抱えてビジネスを始めることです。
資本という形の借金か、社債という形の借金かはともかく、他人の資本を利用して、企業はスタートします。
それに常に資本を回転させて、利潤を上げ、資本家にお金を返してゆかなければなりません。
それは配当の形をとる事もあれば、金利の形をとる事もあります。
経済が順調に成長している時は、資本の回転はうまくいきます。
しかし、デフレで不況になると、企業は金詰まりとなり倒産してしまいます。
社会の需要が停滞し、デフレが起きるとはどういうことでしょうか?
「デフレ」とは、モノが過剰生産になり、モノの値段が下がってゆく事です。
モノの値段が下がるとは、別の言い方をすれば「お金の価値が上がる」という事になります。
お金の価値が上がるのですから、借金している人なり企業は、借金の返済が難しくなってきます。
企業でいえば、モノが売れず、お金が入ってきませんから、当然、借金の返済が滞ってきます。
ですから、資本主義社会においては、デフレによる不況の方が、インフレよりもはるかに大きな問題なのです。
藤井厳喜アカデミー第2弾3講 経済のしくみ(2)市場とは何か?[H23/7/15]
第3講 後篇「経済のしくみを考える(2) 市場とは?」
YouTube : http://youtu.be/JakiADprN0o
ニコニコ動画 : http://www.nicovideo.jp/watch/sm15023706
(4) 資本主義崩壊のパターン
資本主義崩壊のパターンは、2つあります。
第一は「デフレ的崩壊」であり、言い方を変えれば「信用崩壊:Credit Collapse 」です。
第二の崩壊のパターンは「インフレ的崩壊」であり、言い方を変えれば「通貨崩壊:Currancy Collapse 」です。
デフレが極端になってくると、前の講でも述べたように、「金詰まり現象」となり、借金が返せなくなります。
つまり、信用(Credit)が崩壊してしまいます。
これが資本主義恐慌の古典的パターンです。
生産過剰がデフレ不況を呼び起こし、借金の返済が不可能になり、企業が連鎖倒産するパターンです。
資本主義崩壊の第二のパターンは、インフレによる崩壊です。
生産が少ないのに、通貨のみが膨張し、ハイパーインフレが起きた時がこのパターンにあたります。
第一次大戦後のドイツが典型的なこのパターンです。
ハイパーインフレは、つまり、通貨の価値が激減することですから、通貨崩壊(Currancy Collapse)による資本主義の崩壊といえます。
前で述べたように、資本主義社会としては、緩やかなインフレは寧ろ望ましいのですが、インフレが行き過ぎて通貨が完全に信用を失うところまでいってしまうと、商業取引自体が成立しなくなり、経済が崩壊してしまいます。
(5) 市場とは何か?
資本主義社会では言うまでもない事ですが、「市場」が大きな役割を果たします。
ところがこの「市場」というものは、常に公正な取引を保障するものではありません。
常に市場には、詐欺師が横行しています。
また、市場は大衆心理を反映しますから、常に実態を伴わぬ極端な楽観論や悲観論が支配的になります。
かの有名な投機家ジョージ・ソロスは、「市場は常に間違っている」と、その本質を喝破しました。
市場は、常に間違っていますが、同時に実態と市場との乖離が極端になった時は、その誤りを正すような方向に行動します。
市場というものを、無定形な大衆の群集行動としてとらえれば、これは当然の事でしょう。
情報は常に歪められており、群集心理は常に扇動により、誤った方向に導かれます。
しかし、自らの行動が極端に環境に不適合となった場合は、自らの行動を正そうとします。
実際、市場とはこの群集心理の相対以外の何物でもありません。
次回は、第2弾アカデミー経済篇の総集編となるようなお話をさせていただきます。
是非、御期待下さい。
【予告】
次回、藤井厳喜アカデミー第2弾・第4回(最終回)は、7月22日公開です。
第1講 6月30日 (金) 「日本に復興財源はある」
そもそも「お金」とは、「通貨」とは何だろう?という根本論から見直し、政府貨幣発行通貨についても丁寧に解説しました。
第2講 7月8日(金) 「国民を幸福にする経済政策とは」
拙著『日本はニッポン!金融グローバリズム以後の世界』で提唱した新国民経済学の考え方をもとに、経済政策の考え方そのものを考え直します。
【藤井厳喜アカデミー関係動画・復習用の動画再生リストが出来ました】
■ 再生リスト【第1弾・藤井厳喜アカデミー国民の為の政治学講座・全篇】
http://www.youtube.com/watch?v?=zn5eCTbgHxc&list=PL72D9C8776C?E15846
2010年2月1日開校のガイダンスから全12回講義、補講までの全講座をまとめました。
■ 再生リスト2 【近現代世界の国際秩序の変遷:新しい世界史】
http://www.youtube.com/playlis?t?list=PLE25877D424835D45
こちらは、2010年1月20日の藤井厳喜・講演会で「近現代世界の国際秩序の変遷」について
語ったものを、改めてリストにまとめてみました。
この日、私が伝えたかった事は、歴史的な時系列を振り返り、日本が大局的に言って、
国際関係のどのようなポジションにいるかという事です。
米ソ冷戦後の世界にの権力構造がどのようなものになるか、という点を大胆な仮説も含めて、語らせてもらいました。
ここで取り上げる動画は限られた時間の講演の中の一部の内容ですが、大学で私の『国際関係論』や『新しい世界史』の授業を受講される方のご参考にもなればと思い、取り上げます。
■ 再生リスト3 【第2弾・藤井厳喜アカデミー 経済篇(随時更新)】
http://www.youtube.com/my_playlists?p=E4F42E64ED2C36F7
随時、更新してゆきます。
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前回(アカデミー第2弾・第1講座)に引き続いて、「日本の国力倍増計画」について説明し、更に、日本国の国内総生産GDPを増やすにはどうしたらよいかを、分かりやすく具体的に解説します。
なお、当初の予定を変更し、次回・第3講の講座で、はじめに予定していたところの、「資本主義のカラクリ」と「市場とは何か」の2つのテーマを、合わせて公開いたします。
これは、2009(平成21)年2月18日に、『さらに!どんと来い大恐慌』という、『ドンと来い!大恐慌 (ジョルダンブックス)
』の関連商品であるDVD教材用に収録された講義の中から一部、無料にて公開させていただくものです。
是非、ご期待ください。
そして、最終回・第4回(7月22日公開)では、全3回で言い足りなかった事をまとめてお送りします。
ではリラックスして、本日の講義をご覧ください。
【藤井厳喜アカデミー第2弾】シリーズ《日本を復活させる智恵─増税を許すな!復興財源はこうして創れ!》
藤井厳喜アカデミー第2弾2講 国民を幸福にする経済政策とは?前篇[H23/7/8]
第2講 「国民を幸福にする経済政策とは?」前篇
(講師:藤井厳喜・国際政治学者)
YouTube : http://www.youtube.com/watch?v=pqwO78pHPEY
ニコニコ動画 : http://www.nicovideo.jp/watch/sm14955579
板書:
(1) 財政規律の問題
政府の通貨発行権を使って、震災復興と日本国力倍増計画を行う事が必要です。
しかし、政府の通貨発行権を無制限に乱用すれば、いつの日か通貨価値が急落し、悪性インフレを起こしてしまう可能性は存在します。
この可能性を排除する為には、政府通貨発行権の利用は、社会保障などの一般支出(一般財政)には向けず、あくまでも震災復興と国力倍増計画の支出に絞るという方法が考えられます。
これらの支出を一般会計予算とは別の特別会計として、運用するという方法です。
最も1年に1兆円ずつ歳出が増加する社会保障・福祉費の事を考えれば、一般会計の中でも社会保障福祉予算に関しては、政府の通貨発行権を活用した財源を使うことも考えてよいでしょう。
いずれにしろ、大衆迎合的な政治家が、政府の通貨発行権を悪用して、将来乱用しないような仕組みをはじめの時点から考えておく必要があります。
(2) 通貨の本質=信用
通貨の最も重要な役割は、交換の媒体であるということです。
交換の媒体であり、付随的には富の蓄積の手段となります。
交換や蓄積の媒体(道具)として機能するために最も重要な事は、通貨が人々に信用されているということです。
つまり通貨の本質は信用ということにつきます。
信用という点に関しては、通貨の形が金貨であれ銀貨であれ、紙幣であれ、全く同じことです。
但し、紙幣の場合は、それを発行する主体である国家や銀行の信用が基本となります。
金や銀の場合は、歴史的・文化的により多くの人々が価値あるものとして受け入れているので、通貨として通用しています。
ただし金や銀も、時代や場所によって、その価値が変動するのを避けることはできません。
前回の講義とも関連してきますが、現在のような国家が紙幣を中心とする通貨を発行している体制(管理通貨制度)においては、通貨の信用を支えているのは、国家の信用です。
そして、更にこの国家の信用を保証しているのは、国民の勤勉性です。
つまり、一国の国民が「必要で有用」なものやサービスを作り出す力こそが、通貨の価値を根底で支えているのです。
単純化して言えば、国民の生産力こそが、国家が発行する通貨の価値を支えているのです。
「政府の通貨発行権」というのは、この原点に戻って、公民が潜在的に持っている生産力を担保として、発行するものなのです。
通貨の価値の根本を考えれば、政府の通貨発行権の利用による経済復興政策は、なんら奇異なことでもタブー視すべきことでもありません。
↑ この回の詳しいデータ等、フォローアップは、『日本はニッポン! 金融グローバリズム以後の世界
』(特に、P78からP92と、P48からP51)をご参考ください。
藤井厳喜アカデミー第2弾2講 国民を幸福にする経済政策とは?後篇[H23/7/8]
【藤井厳喜アカデミー第2弾】シリーズ《日本を復活させる智恵─増税を許すな!復興財源はこうして創れ!》
第2講 「国民を幸福にする経済政策とは?」後篇
(講師:藤井厳喜・国際政治学者)
YouTube: http://www.youtube.com/watch?v=PZzrYDSjM0E
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm14955890
板書2:
【日本国の経済はどのようにして成長可能になるか】
(この項目に関しては、詳しい数字をあげた細かな解説は拙著『日本はニッポン! 金融グローバリズム以後の世界
』(渡邉哲也氏との共著)のP78からP92で行っていますのでご覧ください。)
この講義で述べるのは、その骨子です。
日本の経済はどのような仕組みで成長するのでしょうか。
言い換えれば、日本経済の成長のエンジンは何なのでしょうか?
日本経済という列車を引っ張っている機関車となっているのは、《 (1) 政府支出+ (2) 純輸出+ (3) 民間設備投資 》の総額です。
この総額が、増えるとGDP全体が増えます。
正確にいえば、この総額が増えると、「国民の個人(家計)消費」が増えて、国内総生産(GDP)全体が大きくなることになります。
経済成長とは国内総生産を大きくすることです。
この国内総生産を大きくする為には、《 (1)+(2)+(3) 》を大きくするような政策をとることが必要です。
日本の現在のGDPはおおよそ年間500兆円です。
これが国民が1年間に生産する富(経済価値)の総量です。
《 (1)+(2)+(3) 》は約200兆円です。
これが増えると、残り300兆円の個人消費が増えることになります。
日本国民は真面目なので、減税をしてもこれが直ぐに消費に結びつきません。
《 (1)+(2)+(3) 》が増大して、景気が良くなったことが実感できた時にのみ、国民は財布の紐を緩めて消費を増やすことになります。
現在の情勢では、純輸出(輸出マイナス輸入)は、世界的な不況の為に、落ち込みつつあります。政府支出は財政再建で切り詰められつつあります。
そのために、民間の設備投資も増大するわけはありません。
この為に、日本経済はデフレ不況から脱出できないでいます。
世界経済の現状を日本一国が変えることは不可能ですから、輸出を急増させることはできません。
また民間に無理やり設備投資を共用する事も出来ません。
日本経済をけん引するエンジンであるこの3つの項目の中で、政府が増やす事ができるのは、政府支出だけです。
ですから、政府通貨発行権を使い、大規模な公共投資を行うことによって、政府支出を増やす必要があります。
かつては公共投資は日本のGDPの12%くらいを占めていましたが、それが橋本龍太郎内閣以来、下落し、現在既にGDPの4%程度にまで縮小してしまいました。
トンネルや橋梁に代表される日本国中のインフラは今やガタガタになっています。
これらを復活し、震災復興を行い、更に地震を含むあらゆる天災に耐えうる国土を作るために、大規模な公共投資を行う必要があります。
私はこれを「国力倍増計画」と呼んでいます。
この計画の実行により、10年間でGDPを倍増する事は容易です。
★ なお、本講でも取り上げました「永久国債の研究」については、こちらをご覧ください。
【予告】
次回、藤井厳喜アカデミー第2弾・第3回は、7月15日公開です。
第3回講義では、冒頭に述べましたように、「資本主義のカラクリとは?」「市場とは何か?」という、
経済の本では出てこない、最も本質的なお話を致します。
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一時、候補になっていたタイトルに『世界大破産』というのもありました。(←これを見た時、流石にふきだしましたwww)
世界経済を冷静に観察すると、日米欧中、みな揃って、景気が下降していることが分かります。特に日本においては、日本銀行と民主党政権がデタラメな経済政策を実行しているので、このままでは二番底に陥ることは確実です。
3・11の東日本大震災と、福島原発事故は、事態を更に悪化させてしまいました。
リアルに世界経済の現状を分析した本ですが、勿論、日本が最後のババを引かない為にどうしたらよいのかの対応策についても論じています。分かりやすく、図表もたくさん入れてありますので、経済が苦手という方も是非、手にとって、読んでみて下さい。
2011年に入ってからの中東騒乱も含む、最新情勢までカバーしてあります。
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民主党政権は、誤まった経済政策により、日本経済をさらに徹底的に破壊しつつあります。
東日本大震災の復興財源を生み出す為に、「増税」という手を付けてはならないタブーに手を付けつつあります。
ただでさえデフレ不況に苦しんできた日本経済は、増税が行なわれれば、更に過酷なデフレ恐慌に陥ってゆきます。
国民の生活を、真に思いやる気持ちが無い人々が、政治権力を握り、生きた経済と財政を知らない愚かな人々が経済政策の実行にあたっている為です。
東日本大震災から日本を復興させ、日本経済を復活させることは十分に可能です。
増税によらないで、その為の財源を創りだす事も、極めて容易です。
愚かな政治家達が、日本経済を破壊することを防ぐ為に、緊急提言を行ないたいと思い、
このシリーズ、「日本を復活させる智恵─増税を許すな!復興財源はこうして創れ!」全4回の
放映を、急ではありますが、決意しました。
現在、マスコミで繰り返される「復興財源がない」という主張は、実は全く非常識な風説の類に過ぎません。
第2弾となりました藤井厳喜アカデミーの講座では、政治学講座に引き続き、全4回のシリーズで、この常識と思われている非常識を打ち破り、日本が直面する危機を打開する方策を、極めて平易な言葉で、誰にもわかりやすく解説します。
さて、【藤井厳喜アカデミー第2弾日本を復活させる智恵─増税を許すな!復興財源はこうして創れ!】の
第1講は、「日本に復興財源はある」です。
1/2藤井厳喜アカデミー第2弾【日本を復活させる智恵】第1講 日本に復興財源はある[H23/6/30]
YouTube : http://youtu.be/x2JUkpnXpV4
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm14886367
第1講 「日本に復興財源はある」前篇
この講義は、日本経済を復活させる方法について、具体的な提案を行なうものです。
東日本大震災の復興を実現し、日本経済全体を活性化させるには、政府が膨大な公共投資をする必要があります。
しかし現在のところ、「政府には財源がない」という理由で、積極的な公共投資拡大計画は不可能である、という結論になっています。これはトンデモナイ間違いです。
日本国にはお金があるし、政府が財源を生み出す事は可能です。
そして、政府の借金を増やさないで財源を創る事も可能なのです。
このことについて、具体的な提案を行ないます。
先ず、日本国には「家計」と「政府部門」と「一般企業(非金融法人)」合わせて、2700兆円の金融資産があるのです。
そして、対外純資産も270兆円も持っています。
日本国では、お金が余り過ぎて、国内に十分な投資活動が行なわれないものですから、海外にお金を投資する事になり、資産と債務の差額である対外純資産が、何と270兆円も?摘みあがっているのです。
日本は世界一の対外債権国です。
この外国に貸しているカネを引き上げて、国内に投資するだけでも、災害復旧はもとより、大きな経済成長を生み出すことが出来ます。
ですから、普通の国債もまだまだ発行することが出来るのです。
しかし、国の借金が増えるのは原則としては良いことではありません。
そこで、東日本大震災からの復興と日本の国力を倍増させる為の公共投資の財源として、最も望ましいのは、国家の通貨発行権を利用する事です。
日本で通貨発行権を持っているのは、日銀と政府(行政府、特定すれば財務省)の2つです。
この政府の通貨発行権は、政府の無形財産です。
この無形財産を日銀に売却する事により、その売却額を「日銀券」として政府が受取る事が出来ます。
こうすれば、政府は全く借金をつくることなしに、巨大な財源を獲得する事ができます。
2/2藤井厳喜アカデミー第2弾【日本を復活させる智恵】第1講 日本に復興財源はある[H23/6/30]
YouTube : http://youtu.be/VqDvnhYJML4
ニコニコ動画: http://www.nicovideo.jp/watch/sm14886577
第1講 「日本に復興財源はある」後篇
日本政府には、「通貨発行権」があるので、これを用いれば、政府の借金を作ることなしに、極めて容易に公共投資の財源を生み出す事ができます。
一般には、行なわれていない手法ですが、財政危機にある現在の日本では、この手法を用いることが最も適切です。
法律的にも、現行の日銀法の範囲内で、これを行なう事が出来ます。
そもそも、通貨は、国家の信用により、発行されるものですが、日本国内には通貨発行権を許可された機関が2つ存在します。
この2つの国家機関の1つが日本銀行であり、もう1つが行政府(財務省)なのです。
具体的には、行政府が持っている通貨発行権を、「無形財産」と見なし、この無形財産を日銀が買い取ることによって、いくらでも必要なだけ、政府は財源を確保する事が出来ます。
政府は、通貨発行権という無形財産を日銀に売却します。
日銀はこの無形財産を買い取ります。
その買い取った代価として、資金を政府に支払います。
このようにすれば、日銀券以外の政府発行紙幣という別の紙幣が流通することなしに、政府が財源を獲得する事が出来るのです。
これが最も将来に向けても問題を残さない政府の財源の創り方です。
このように確保した財源は、復興の為の公共投資には勿論、社会福祉費などの一般歳出の財源としても用いる事が出来ます。
このように考えると、財源問題は、簡単に解決してしまいます。
しかし、多くの人々は政府がこのように容易に財源を創りだす事が出来れば、通貨発行量が増えてインフレになるのではないか、と心配します。
しかしその心配は無用です。
現在の日本はデフレ危機にあるのであり、インフレ危機にあるのではありません。
供給力と生産力が有り余っていることによって、長期的なデフレ不況に苦しんでいるのです。
つまり、需要と消費の力が弱く、生産と供給の力が強過ぎるということが、日本の不況の根本的な問題なのです。
このバランスをとる為には、日本経済の需要を増大させるしかありません。
その手段として、政府が大規模な公共投資を行なう必要があるのです。
しかし、根本的なところで、政府の通貨発行権を支えているのは「国民の勤勉な労働力」です。
政府が通貨発行権を利用し、大規模な公共投資を行なっても、国民が一生懸命に働かないのであれば、問題の解決にはなりません。
インフレを引き起こしてしまいます。
ところが日本国民は勤勉ですから、公共投資が呼び水となって、経済が活性化すれば、必ず一生懸命働いて、需要に見合った供給を行ない、消費に見合った生産を行ないます。
ですからインフレが起きる心配はないのです。
インフレなしで、政府が通貨発行権が行使できる事を保障しているのは、実は「日本国民の勤勉性」なのです。
現在のデフレ構造不況の中では、働きたい日本人が働く事が出来ません。
東日本大震災の被災地においても、最も必要とされているのは、「雇用」です。
仕事をしたい人が、仕事が出来ないくらい悲惨なことはありません。
元気で働きたい人に、十分に働いてもらって、生産をあげてもらわなければなりません。
この「雇用の機会」を作り出すのが、本来の政府の経済政策です。
その為に、政府が自らの通貨発行権を用いる事は、巡り巡って国家経済全体の生産をあげ、国民一人一人の幸福に貢献する事になります。
ですからこのような政策が必要になってくるのです。
第2弾・藤井厳喜アカデミー「日本を復活させる智恵─増税を許すな!復興財源はこうして創れ!」のカリキュラムと開講日(公開日時)は以下の通りです。
第1講 6月30日 (金) 「日本に復興財源はある」
そもそも「お金」とは、「通貨」とは何だろう?という根本論から見直し、政府貨幣発行通貨についても丁寧に解説します。
第2講 7月8日(金) 「国民を幸福にする経済政策とは」
拙著『日本はニッポン!金融グローバリズム以後の世界』で提唱した新国民経済学の考え方をもとに、経済政策の考え方そのものを考え直します。
第3講 7月15日(金) 「資本主義というカラクリ解明」
今、我々が生きる「資本主義」というものは、そもそもどういうものなのか?
さらに本質論を掘り下げます。
第4講 7月22日(金) 「市場とは何か」
市場原理主義という言葉なども使われますが、そもそも「市場」とはどういう特性をもつのでしょうか?
等々、こういう変化が激しく、経済の見方そのものが混乱したり、情報が氾濫する今だからこそ、一から根本的な経済を見つめ直し、皆さんが自分の頭でより深く、柔軟に考え、未来を切り拓く智恵に繋げるための考え方について、大いに語りたいと思います。
尚、これらシリーズは、第1弾の『国民の為の政治学』講座同様に、YouTubeと私のブログ上での公開となります。(完全無料)
開講日の日に忙しくて御覧になれないという方でも、いつでも何度でも、ご覧いただけます。
是非、周りの方々にも、お気軽にご紹介、拡散ください。
このシリーズの後には、藤井厳喜アカデミー第3弾として、「国際関係論」講座シリーズの公開も既に準備中です。
※ 当初、第2弾は「現代国語講座」の予定でしたが、順序を入れ替えての開講とさせて頂きます。
是非、御期待下さい。
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