藤井厳喜AJER動画『歪曲された日韓合意:安倍首相は慰安婦強制連行を認めたのか?!』

藤井厳喜『歪曲された日韓合意:安倍首相は慰安婦強制連行を認めたのか?!(1)』AJER2016.1.14



YouTube : https://youtu.be/pj8OM67-eW0

藤井厳喜『歪曲された日韓合意:安倍首相は慰安婦強制連行を認めたのか?!(2)』AJER2016.1.14

YouTube : https://youtu.be/pyM_j0hZfy4

(以下、内容は、2016年1月号のCFG-FAXニュースより抜粋

昨年12月28日の慰安婦問題に関する日韓合意は、日本外交の大失態であった。
安倍政権はこれによって慰安婦問題を恒久的かつ不可逆的に解決するはずであったが、その結果は真逆となっている。

これは以下のような海外メディアの報道ぶりを見ればよく分かる。
海外メディアは、この日韓合意を「安倍政権が慰安婦の強制連行と性奴隷制度を認めて韓国に正式に謝罪したもの」と報道しているのだ。

2015-12-28 Wall Street Journal (World-Asia)
日韓両政府は、日本兵によって性奴隷として使用された韓国人女性を巡る数十年に渡る論争を終わらせることを目的とした合意に達した。女性の数を確定する資料は存在しないが、主流派の学者は 2 万人から 20 万人と推定している。元慰安婦達は、10 代の女性が強制されたり、騙されて日本兵向けの慰安所に入れられたと一貫して述べている。

2015-12-30 The Sun (イギリス)
一日に 40 人の男とセックスさせられた。ついに日本がおぞましい慰安婦制度について謝罪した。生存者のチョンオクサンは、朝鮮半島北部のハンヨン県の自宅から警官によって誘拐された時、まだ 13 歳だった。多くの被害者は 14 歳から 18 歳だったが、その理由は軍が処女を欲していたからだ。誘拐に抵抗した家族は殺されたケースがあった。

2015-12-31 CNN (アメリカ)
上海師範大学の Su Zhiliang 教授によれば、実際の被害者数は 40 万人に上り、そのうち 20万人は無給で売春を強要された中国人であった。

2015 -12 -28 The Guardian (オーストラリア)
日本政府は、女性の性奴隷化に軍が関与していたことを認めた。日本統治下の朝鮮半島で強制的に売春をさせられた女性の数には論争があるが、活動家らは20万人と主張している。1995年には民間によるアジア助成基金が設立され、個人からの寄付を集めたが、多くの女性は「日本政府からの直接の支払いではない」として受け取りを拒否した。僅かに約260名の元性奴隷が各200万円相当の現金を受け取った。

勿論、安倍政権は、強制連行の事実も認めていないし、それに対して韓国に全面的に謝罪したわけでもない。
しかしこのような形で海外で報道されているという事は否定のしようのない事実である。
何故、このような事態に至ってしまったかの理由は、単純である。

理由1: 慰安婦問題に関しては、中韓のプロパガンダが海外では既に圧倒的な影響力を発揮していた。河野談話の悪影響で「慰安婦制度=性奴隷制度」であり「強制連行はあった」というのが世界のメディアの常識になってしまっていた。

理由2: そこに、非常に不用意な言葉遣いで岸田外務大臣の口からあたかも強制連行を認め、それを謝罪するかのような声明が発表された。

理由3: 岸田外相は基本的な事実について確認する事を怠った。外相は、「強制連行の事実はなかった」「軍の関与というのは慰安婦の人権や健康を守る為の関与であり強制連行の事ではない」「慰安婦の数20万は何の根拠もなく、実証的には約2万人以下とするのが最も妥当な数字である」「慰安婦の最大多数、約4割は日本女性であり、当時の朝鮮半島出身者は約2割、外国籍の者は更にそれ以下であった」「慰安婦はかなりの高給の報酬を得ていた」等の慰安婦に関する基本的な事実について全く言及しなかった。

当然、海外のメディアの反応は前述のような事になったわけである。
今回の海外メディアの反応は、ようやく沈静化していた慰安婦に関する悪質な反日宣伝を過激化させる結果しか生まなかった。
今回の海外メディアの報道では、強制連行された被害者の年齢が「ローティーンの少女達」というところに焦点が置かれているものが多い。
今回の日韓合意によって日本は「性奴隷国家」「幼女誘拐国家」の烙印を完全に押されてしまったのである。

これは、安倍政権の意図するところで全くなかった事は容易に理解できる。
しかし、官邸の中枢部は慰安婦問題が国際的な情報戦争、プロパガンダ戦争である事を全く理解しておらず、安易に日韓2国間関係の枠組みの中だけで処理しようとした為に、このような外交上の大失敗を引き起こしてしまったのである。
特に不用意な英語表現が、とんでもない誤解と捏造を海外で生み出してしまっている。
中韓の謀略の罠に完全に嵌ってしまったのだ。政権中枢部にこういった国際情報戦争について理解し、アドバイスする人間が欠落しているというのは、誠に驚くべき事である。
安倍内閣といえども、その実態はこの程度のお粗末なものなのである。

アメリカからの圧力があって、この日韓合意が出てきたのは確かである。
しからば、安倍政権はオバマ政権に対して慰安婦問題に関して、国家の名誉をかけた外交交渉を果たしてしたのだろうか。
オバマと政権の中枢部は、完全に中韓のプロパガンダによって洗脳されており、慰安婦問題に関しては根本的にその誤解を解き、彼らを教育しなおす必要がある。
その努力を怠って、アメリカからの圧力に唯々諾々と従っていた結果が、今回の大失態という結果を生んだのではないだろうか。
今日の米韓関係は、それほど良好ではなく、緊密なものでもない。
朴政権は、アメリカ離れをし、チャイナの属国化の道を歩んでいる。
米韓関係には隙間風が吹いているのだ。
この事実を利用すれば、日本の言い分に対しても、アメリカ側に耳を傾けさせる事が出来たはずである。
国家と民族と英霊の名誉に関わる問題で、安易な妥協に走った今回の失敗の責任は実に重大である。
妥協してはならない問題で妥協してしまった点に関しては、安倍首相以下、重大な反省が求められる。
しかし、この外交上の失敗のダメージ・コントロールを行ない、反転攻勢に出る事は可能である。
先ず、安倍政権が既に述べたような慰安婦に関する基本的な事実を世界に対して明確に発信する事である。
官民が合わせて国際的な情報発信の努力をすれば、国際的な情報戦の状況は、一変させる事が可能である。
欧米には、慰安婦問題の真実を理解し、日本側に味方してくれる言論人やジャーナリストも少数ながら存在する。
官民が統一的な戦略・戦術で反撃に出れば、少なくとも状況はフィフティ・フィフティにまでは持って行ける。
勿論、反撃は早ければ早い程よい。

韓国では挺対協などを中心に今回の日韓合意に対してすら反対する声が強い。
日本としては、彼らの力が増大し、韓国側から日韓合意を事実上破棄するように持って行く事が望ましい。
と同時に国際的には、情報戦争に積極攻勢で撃って出てゆくべきなのである。
安倍首相としては、オバマ大統領に対して「我々は最大限の努力をしましたが、ご覧のように韓国側が合意を拒否してきました」というように言い訳が出来ればよいのである。
その日本に妥協を強いたオバマ政権も、その寿命はもう1年もないのである。
しかし下手をすれば、日韓合意は破棄され、アメリカ側がその日韓合意の保証人となる事も出来なくなるが、それでも「日本側が強制連行を認めた」という風に今回の日韓合意が曲解されて、その印象操作だけが半永久的に残ってしまうという事は有り得る。
いや、そのように中韓は持って行こうとしているのである。これは日本にとって最悪の結果であり、そのような事態を避ける為に、官民あげて全力で努力しなければならない。

尚、この件に関して詳しくは、筆者出演の以下のラジオやYouTubeを参考として頂きたい。
・ラヂオつくばKGプロジェクト1月12日放送(AJCN代表の山岡鉄秀さんをゲストに招き)
https://www.mixcloud.com/kennysuzuki18/kg-project20160112/

藤井厳喜『慰安婦問題再燃:日韓に紛争を輸出するアメリカの大罪(1)』AJER2015.12.31

YouTube : https://youtu.be/v6YOKhEMWHM

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