ロックフェラー対ロスチャイルド

徳間書店
253ページ
出版社:徳間書店(1994/07)
ISBN-10:4198601224
ISBN-13:978-4198601225
発売日:1994/07

世界の政治・経済の背後にある欧米の財閥間の闘争をテーマにした著作である。

アメリカを代表するプロテスタント的なロックフェラー財閥や、ヨーロッパを基盤とするユダヤ系のロスチャイルド財閥などが、どのように関係しながら現代世界の裏面史を描いてきたかを、著者独自の視点から解説している。

 題名から受ける印象とは全く異なり、本書は、いわゆる陰謀論を全面的に否定した、実証主義志向の本である。
本書の冒頭では、俗耳に入りやすいユダヤ陰謀論は勿論、ロックフェラー陰謀論なども、徹底的に批判している。陰謀論に飛びつくのは、知的無能力の結果であり、結局は敗北主義・ニヒリズムにつながる。2008年秋以来の世界金融危機への対応を見ても、この観察は正しいと思う。
 ところが、陰謀論を否定したはずの本書は、悲しい運命を辿る事となった。
アメリカの某ユダヤ人団体の抗議により、徳間書店は当時自社から刊行していた宇野正美氏の筆になるユダヤ陰謀論関係の著作を出版停止にした。
これは正しい判断であったのだが、この煽りをくって、本書は4万部まで増刷されたにもかかわらず、出版停止になってしまった。
誠に皮肉な結末であった。

Posted in books, 本当のユダヤ人を知りたい.