世界経済大予言

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光文社
209ページ
出版社:光文社(1984/01)
ISBN-10:4334004180
ISBN-13:978-4334004187
発売日:1984/01

忘れもしない私のデビュー作である。

1982年8月、私は日本の友人達の協力を得て、ケンブリッジ・フォーキャスト・レポートの第一号(当時は隔月刊、年間購読料6万円)を発行した。
1年以上発行を続けた1983年秋の時点で、バックナンバーのコピーをいくつかの出版社にアメリカから送り、単行本の刊行の可能性を打診した。
すぐに興味を示してくれたのが、当時の光文社カッパ・ブックスの長瀬編集長だった。
日本に帰国して長瀬編集長に会うと、たちまちこの本の出版が決まった。
私はアメリカに居た為に、日本にいる友人達に大変お世話になっての出版だった。

内容の本筋は、世界の資本主義の発展のパターンが行き詰まりつつあり、今後は世界経済の成長のエンジンとして第三世界の発展が大事になるというものである。
言い方を変えれば、世界経済の主要な矛盾は北(先進国)と南(第三世界)の発展のアンバランスにあり、今後資本主義はこの南北間のアンバランスを解消させるような方向へ発展するという予測でもある。
また、当時話題になっていたA・トフラーの『第三の波』などの情報化社会論は楽天的過ぎるとの批判も行なった。
情報伝達処理産業(コンピュータとテレコミュニケーション技術に支えられるところの)は確かに成長産業ではあるが、先進国経済全体を牽引する経済成長のエンジンとしてはあまりに小さすぎる、ということを指摘した。

この本で展開した主要テーマは、私の国際経済を見るフレームワークとして現在に至るまで生き続けている。
資本主義とはどんなダイナミズムを内包した経済システムなのか。
このことの正確な理解なくして、今日の国際関係・世界経済を分析し、予測する事は不可能である。

第一作での知的フレームワークを基礎にして、私の『ドンと来い!大恐慌』(ジョルダン・ブックス)も書かれている。
現在から見れば、第一作の内容の中にはやや修正すべき点もあるが、その基本線はいまだに有効であると信じている。
加藤寛先生(当時・慶応大学経済学部教授)に望外のご推薦の文章を頂戴したのがありがたかった。
発売部数累計5万部。

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